食事
俺は自分たちの部屋で寝ていた。
すると扉がノックされた
「食事の用意ができました」
ヒミノさんの声だ。
外を見ると日が落ちていた。もうそんな時間か。
「お前本当によく寝るな」
中川が言ってきた。
「育ちざかりなんだ」
部屋から出るとヒミノさんと佐山さんたちがいた。
「食堂はこっちです」
俺たちはヒミノさんに連れられて食堂に向かった。
「佐山。立花にいじめられたりしなかったか?」
その途中、中川はからかうように佐山さんに言った。
俺もそこは少し気になっていた。
しかし佐山さんは笑顔で
「全然そんなことないですよ。むしろ仲良くなっちゃいました!最初は少し怖かったですけど」
と言った。
「怖かったんだ?」
立花はからかうように言った。
「ほんと最初のほうだけですよ」
佐山さんはまた笑顔で言った。
本当にもう仲良くなったようだ。これだから女子は分からない。
そんなことを話していると食堂についた。
「またすげーな」
食堂もまたとても豪華だった。
中央には長い机。その上にはとてもおいしそうな食事が並んでいた。
「ああ、来たね。適当に座ってよ。」
そこには木野しか居なかった。
「あれ?他の人たちは?」
「明日の下見に行ったよ。夕食食べてからでもよかったのに」
木野は少し残念そうだった。
料理は本当に美味しかった。
この屋敷にいる人たちは皆なかなか腕のある人たちらしい。
その証拠に隣の中川はものすごい勢いでガッついていた。
「マジでうめーよ!すげーなアンタ!」
「ありがとう。お替わりもあるから言ってね」
木野はとても嬉しそうだった。
本当これだけでもここに来た意味があるかもしれない。
途中、中川が俺にトマトをよこしてきた。
「なんだよ。嫌いなのは納豆だけじゃないのかよ」
「いいじゃねーか。育ちざかりなんだろ?」
そして食事の最後のデザートを食べているときに中川が聞いた。
「貝原はどんなやつなんだ?」
そういえば中川はずっと気になっていたな。
「ん?貝原さん?いい人だと思うよ」
「少し秘密主義ですけど・・・」
「そうなんですか?」
まあそのイメージは少しあるな
「そうだね」
「貝原はなんの仕事してるんだ?こんな豪邸持って屋敷の人にちゃんと給料もあげてるんだろ?」
「ごめん。僕たちも聞いてみたんだけど教えてくれないんだ。あと貝原さんの過去の話も」
それは少しどころじゃなくてだいぶ秘密主義だぞ。
「まあでも僕は悪い人じゃないって思ってるしそこはそんなに気にならないかな」
「そうですか」
確かにこんな生活を保障してくれているのだから怪しいと思うより感謝のほうが大きいのだろう。
そして俺たちは食事を終えた。
「ごちそうさまでした」
「はい」
「この屋敷のことで分からないことがあったら私に言ってください」
「ありがとうございます」
そして俺たちは自室に戻っていった。




