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5th world   作者: リープ
二章 少年たちは変わった世界の中に飛び込んでいく
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屋敷の能力者たち

「貝原さんはどこだ?」


その神経質そうな男は貝原を探しているようだった。

おそらく教団のスタッフなのだろう。



「貝原さんならこの屋敷の中に居る能力者を探しに行きましたよ」

数十分前くらいの話だ。


「そっか。じゃあここに居ればそのうち来るかな。少し待たせてもらうよ。

俺の名前は本間だ。」


本間は貝原が座っていた椅子に座りながら自己紹介をした。


「そういえば君も能力者のようだね。貝原さんから保護の話されたか?」

本間は中川に聞いた。


「ああ。アイツは能力者に片っ端からあの話を持ち掛けるのか?」

「そうだな。あの人は本気で能力者全員を助けようとしているらしい。俺にはなんでそんなことをするのか分からないけどね」

「本間さんは陰陵教のスタッフじゃないんですか?」

創始者の気持ちが分からないスタッフがいるのを佐山さんは不思議がっていた。


「スタッフだけど別に能力者全員を助ける必要はないと思ってる。

実際に犯罪を犯す能力者だっているしね。そのせいで今日のナイフ男の事件も起きた。

・・・でも俺はあの人についていくよ」

「なんでですか?」

「だって俺はこの教団に保護されている身だからね」

「え、本間さんもそうなんですか?」

てことは本間も能力者なのか。





その時応接間の扉が開いた。



「ああ、本間。ここにいたのか。」

入って来たのは貝原だった。

後ろにはさっきのメイド姿の女。名前はヒミノだったか。

それと男二人がついてきた。



「貝原さん。とりあえず信者たちは帰しましたが皆この騒動で不信感を抱いてますよ。大丈夫なんですか?」

本間はこれの報告をしたかったのだろう。


「ああ、それについてはもう大丈夫だ。それよりあの男は?」

「はい。取り合えず縛って別の部屋に閉じ込めています」

俺はその会話を聞いてなにがどう大丈夫なのか分からなかった。

しかし本間は気に留めていないようだ。

「そうか。それはそのままにしといてくれ」

「分かりました」




「で、なんで貝原さんは俺たちをここに呼んだんだ?」

貝原の後ろに居た熊のような男が聞いた。


「まずは彼らに自己紹介をしてくれ。そのあとに私から君たちに話がある。」

「この子たちは?」

もう一人のマッシュルームカットの男が聞いた。



「この金髪の子が新しい保護対象だ。他の子はその友人。」

「なるほど。新しい子ですか。」

男たちは納得したようだ。


「じゃ私から」

最初に自己紹介したのはメイドの女だった。

「さっきもお会いしましたがヒミノです。ここでメイドをしています」

ヒミノさんはお辞儀をした。

とても分厚い眼鏡をかけていて目が大きく見える。ものすごく似合っていない。



「次は僕。僕は木野です。ここの料理人をしています。」

マッシュルームカットの男が言った。

この髪型で木野で料理人とは。少しウケを狙っているのかもしれない。


「俺は熊沢だ。庭師をやってる」

熊みたいな男が言った。

確かに門からこの洋館の間にきれいな庭があったがまさかこの熊みたいな男の手によって作られたと思うとやはり人は見かけに寄らない。

しかし名は体をよく表している。


「さっきも言ったが本間だ。教団の運営を任されている。」

最後に本間が名乗った。



「皆さん本名なんですか?」

やはり佐山さんも木野と熊沢の名前と見た目のぴったりさが気になったようだ。


「ああ。俺たちは本名だがヒミノは違うぞ」

熊沢がヒミノさんを親指で指した。

ヒミノさんはうつむいている。

ここは理由を聞かないほうがいいようだ。


「皆ここに保護されてるんだよな?てことは能力者なのか?」

中川は期待に満ちた顔をしている。


「ああ、そうだぞ。」

答えたのは熊沢だった。

「能力を教えてくれませんか?」

もしかしたら手紙のやつがいるかもしれない。




「私のはさっき見せたやつです」

ヒミノさんが言った。

さっきの幸運を与えるやつか。まだ信じられないが。


熊沢は続けた。

「俺のはガムテープから炎を出す能力」

ガムテープから炎?なんだそれ?

「変なの」

立花は呟いた。


「ガハハ。木野と本間のはもっと変だぞ」

熊沢は笑いながら親指で本間を指した。


「俺のはこれだ」

本間はハンコをポケットから出した。


「なんですか?」

「これを捺したものを回転させる」

「え?どうゆうことですか?」

イメージがしづらいな。



「そのパンフレットを貸してくれないか?」

そういって本間は俺からパンフレットを受け取った。


そしてそのパンフレットにハンコを捺す。

『本間』という文字がつく。


次の瞬間。

ぐるぐるとパンフレットが高速回転しだし5秒くらいしたら止まった。


「なんだこれ?」

中川は半笑いで言った。

確かに変な能力だ。なんに使えるのか分からない。


「な、変だろ?木野のもなかなかだぞ」

熊沢も笑いながら言った。

これくらい変なのか。少し期待してしまう。


「は、ハードル上げないでくださいよ・・・。」

木野は少し恥ずかしそうに続けた。

「ぼ、僕の能力はキノコを卵に変えて卵をキノコに変えるんだよ・・・」

赤くなりながら言った。


「なんだそれ!!」

中川は大笑いした。

中川だけではない、貝原以外笑っていた。



能力までキノコとは。

この人はキノコの星の下に生まれたに違いない。



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