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5th world   作者: リープ
二章 少年たちは変わった世界の中に飛び込んでいく
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仲間が増えた

「な、なんでお前もこれを持ってるんだ?」


立花がテーブルの上に出した手紙は佐山さんに送られたものとまるっきり一緒だった。


「もしかしてお前が佐山さんに手紙を出したのか?」

俺は最初にその可能性に行きついた。


しかし立花は俺の発言に怪訝な顔をした。

「そんなわけねーだろ。なんのためにそんなことするんだよ。

数週間前にアタシのところに送られてきたんだよ。どこの誰かかわかんねーけどな。」

「俺たち以外にも呼ばれたやつがいるみたいだな」

「まじか」

皆驚いているようだった。


そして俺にある疑問が浮かんできた。

コイツにこの手紙が来たってことは

「もしかして前にもこんな手紙が来なかったか?」

「え!よくわかったな」

「やっぱりか」

予想通りだ。


「え、立花さんも私と同じように学校の屋上に呼ばれたんですか?」

佐山さんは聞いた。

「は?全然ちげーよ。確かに呼ばれたけど学校じゃなくて工場」

「それはいつの話だ?」

「それも数週間前の日曜、午後8時だったな」

「俺たちの時と同じだ」


「え、それじゃもしかして・・・」

相田も気づいたようだった。

「立花さん。その工場で能力者に襲われませんでしたか?」


「え!!」

立花は驚いた。ついでに佐山さんも。


「なんで知ってるんだ!?」

「俺たちも同じようなことがあった」


それから俺はあの日に起きたことを話した。





「・・・これがあの日に俺たちに起こった出来事だ。

俺たちは全部話したんだから今度はお前の番だ」

「・・・わかった。話すよ」



そう言って立花もあの日に起こったことを話してくれた。




「その日の数日前にアタシのところ手紙が送られてきたんだよ。『日曜の午後8時に工場に行け』って書いてあるね。

アタシは挑戦状かと思って仲間とその時間に工場に行ったんだよ。」

「挑戦状って。なんのだ?」

俺は『挑戦状』という言葉がひっかかった。

「喧嘩のに決まってんだろ。」

「そんな決まりがあるのか。知らなかったな。」

コイツもなかなか得体の知れないやつだ。


「続けるぞ?

それでアタシらが工場に行ったらおかしな男が別の男を襲おうとしてるところを見つけてよ。

アタシらはとっさに助けに行ったんだ。そしたら今度はその男がアタシらを襲ってきたから倒してやったよ。

だいたいこんなとこだな。」

「倒した後はどうしたんだ?」

「警察を呼んだよ。それが一番めんどくさくないと思ってね。」

なるほど。こんな感じだがそこまで馬鹿じゃないようだ。


「それで今度はこの陰陵教に来いっていう手紙が来たわけか」

「ああ。うちからそんなに遠くない場所にあったからきてみたんだ。電車で1時間くらい。」

「そうか」

「ところでお前はその工場の一件がある事件と関係があるのを知っているのか?」

中川は聞いた。



ああ、そうか。この立花の一件もあの事件の一つなのか。

つまりはあの夜、事件は三か所で起きていて一つは俺たち、一つは立花たちが阻止したってことになる。




「は?事件ってなんだよ?」

立花は不思議そうな顔をした。

「しょうがねえ。教えてやるか。」

言いたくて仕方がないような顔をしてるぞ。



そして中川は中川の考えたある仮説を話した。



「マジかよ。確かにそんなニュースがやってたのは少し見たけど・・・」

立花は動揺しているようだった。

無理もない。そんな危ない話だとは思っても見なかったのだろう。


「これ以上この件に関わるのは危ないから止めといたほうがいいですよ?」

相田が提案した。


「何言ってんだ!そんな危ない事件を見過ごせるわけないだろ!」

立花は声を荒げた。

正義感が強い人間のようだ。ほんの少し見直した。



「よし。なら今から俺たちは同じ目的を持った仲間だ。それでいいな?」

「僕はいいよ。仲間は多いほうがいいしね。」

「わたしも大丈夫です」

「ああ、アタシもそれでいいよ」

「・・・。」

中川は不服そうだ。またかこいつは。


「中川、返事は?」

「はいはい」



その時、応接間の扉が開いた。


「あれ?貝原さんはどこだ?」


入ってきたのは少し前に見た神経質そうな男だった。


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