荷物検査
俺たちの目の前には数日前に中川が見せてくれた写真に写っていた男が立っていた。
その男はあの写真とまるっきり同じ格好をしている。
「ああ、貝原さん。なんかこいつらが中に入りたいらしくて・・・」
門番の男は貝原に俺たちの説明をした。
「招待状はあるのか?」
「いえ。なんでも紹介者が熱で来れないらしくて」
「そうか・・・」
そういいながら貝原は俺たちを見た。
まるで品定めをしているかのような目だ。
「通してやれ」
貝原が門番に言った。
え?いいのか?
門番の男も同じようなことを思ったらしく。
「え?いいんですか?」
と聞いた。
「ああ。だがその代わり荷物検査を受けてもらう。よろしく頼むぞ。」
そう言って貝原は洋館に戻っていった。
「・・・。」
俺たちは貝原が何を考えているか分からなかった。
それは門番の男も同じようで
「そ、そういうことだ。荷物検査をさせてもらうぞ。」
と不思議そうな顔をしながら言った。
そして俺たちは門の近くの小さい建物に通された。ここで荷物検査をするのだろう。
「アタシは一番最後に受けるよ」
立花は焦りながら言った。
なんなんだこいつは。
そして俺、相田、中川の順で荷物検査をされた。
俺と相田は特になにも言われなかったが中川の番に
「これは没収だ。ここから出るときに返す。」
とカメラを没収された。
「なんでだよ!?」
中川は案の定突っかかったが無視された。
その次は佐山さんだった。
さすがに女の子の荷物を見るのは気が引けるのか門番の男も適当に済ませていた。
が。
「ん?この手紙はなんだ?」
門番の手にはあの謎の手紙があった。
持ってきていたのか。
俺たちが動揺していると
「ああ。それでここを紹介されたんだよ。そいつおかしなやつでさ、そうやって手紙で会話するのがマイブームらしいぞ」
中川がこれまたスラスラと嘘をついた。
よくもまあそんなにスラスラと嘘がつけるもんだ。
「そうか」
門番の男もそんなに気にも留めず流してくれた。
しかし俺は門番の男よりも立花が気になった。
明らかにその手紙を見て驚いているのだ。
どうしたのだろうか?
「じゃ、最後はそっちの子だな」
門番の男は立花の荷物に手を伸ばした。
「ほ、他の奴には見せないようにしてくれ」
立花はこれまた焦りながら言った。
「あ?なんでだよ?」
「まあまあ。きっと女の子にはいろいろあるんだよ」
怪しんだ中川を相田がなだめた。
「やっぱり紳士だな」
俺は立花みたいなやつもちゃんと女性として振る舞う相田を本気で感心した。
そして俺たちが後ろを向いてるうちに立花の荷物検査を済ませた。
「よし良いだろう。それじゃここから屋敷に向かってくれ」
そういうと門番の男はまた持ち場に戻っていった。
なんだか詰めの甘いやつらだな。
そして俺たちは屋敷に向かっていった。
「まさかこんな簡単に入れるとはな」
「貝原さんはなんで私たちを通してくれたんでしょうかね?」
「さあな。ただ一つ言えることは・・・」
「ことは?」
俺は中川に聞いた。
「俺の日頃の行いが良いおかげだな」
「・・・言ってろ」




