6話・洋館になんかようか
俺たちは陰陵教の洋館、の最寄りの駅に着いた。
その駅は普通よりも少し廃れた感じの駅だった。
それにしては降りる人が多い。もしかしたら陰陵教の信者かも知れない。
「はー、やっと着いたな。それでこっからどのくらいかかるんだ?」
俺は相田に聞いた。
「えっと・・・ここから歩いて30分くらいだね」
「そんなにかかるのか・・・」
まあしょうがない。行くか。
それから俺たちは相田のナビのもと陰陵教に向かった。
それから20分くらい経つと民家が段々と少なくなっていき緑が多くなっていった。
「段々森っぽい場所に入っていきますね」
「なかなか雰囲気出てきたね」
佐山さんと相田は緊張したような顔で言った。
それからさらに10分後。
いきなり木々が開け大きな洋館が見えてきた。
写真と同じ洋館だ。
「うわ、すげーなこれ」
「こんなところで集会をやるなんて貝原ってやつはどんだけ金持ちなんだ」
しかしここまで来て最大の難関にぶち当たった。
「で、どうやって潜入するんだ?」
もちろん門には門番らしき人間が立っていた。
「知らねーよ」
中川は無責任に言ってきた。
「おい。俺はお前に何か考えがあると思って・・・」
俺は中川を叱ろうと声を出したところ中川に遮られた。
「はいはい。悪かったよ。とりあえず隠れて様子見ようぜ」
それから俺たちは近くの木々に隠れて様子を見た。
すると黒い車が門のところまで来た。
門番はその車まで駆け寄りドライバーから何か手紙の様な物を確認した。
そして門が空き車が中に入っていった。
「なんか招待状みたいなのが必要みたいだね」
相田はそれを見て言った。
「佐山さんに送られてきたあれじゃダメか?」
「ダメに決まってんだろ」
「そんなん分かってるわ。言ってみただけだろ」
そんなことを俺たちが言っていると突然
「あんたたち何やってんの?」
後ろから声をかけられた。
やばい。気づかれたか。
俺たちが振り返るとそこには髪を明るい茶色に染め、田舎のヤンキーみたいな恰好をした女の子が立っていた。




