5話・課題増やすわよ
あの手紙に書いてあった日にちであり陰陵教の集会がある日。
つまり5月3日に俺たちはある駅に居た。
俺たちは一緒に来たので後は相田を待つだけだ。
「ごめん、お待たせ。待った?」
俺たちが来た数分後、相田が来た。
「私たちも今来たとこですよ」
「なんかカップルの会話みたいだな」
ダボッとした服を着ている中川がからかった。
「よし、行くか。『陰陵教』に。」
そして俺たちは電車に乗った。
ゴールデンウイークなので混んでいるかと思ったが俺たちが座れるくらいには空いていた。
「日頃の行いが良いからだな」
この中で一番日頃の行いが悪い中川が自慢げに言った。
「そういやさ。『陰陵教』の『陵』の字って墓って意味があるの知ってるか?」
中川が聞いてきた。
「そうなのか。じゃ『陰陵教』は隠れた墓の宗教ってことになるな」
俺は大して興味がなかったが暇つぶしに話を合わせた。
「そ、まあ考えすぎだとは思うけどな。たぶんただの語呂合わせだろ。」
「たぶんそうだろうね」
相田は同意した。
「正直最初、『陰陵』って字を見たときに字面的にエロい意味かと思ったけどな。」
中川は笑った。
「変態野郎」
「うるせえな。課題増やすわよ」
中川はこれまた笑いながら言った。
くそ。
あの時になんで俺はあんなことを言ってしまったんだ。




