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5th world   作者: リープ
一章 少年たちは変わった世界の中に巻き込まれていく
35/68

34話・分かったのはお前のシュミだけ

放課後。



俺たちは誰もいない開いてる教室に集合することにした。



「ここに集合しろって、一体どうしたんですか?」

佐山さんが不思議がりながら入ってきた。


「僕にも教えてくれないんだよ」

「ま、藤崎がくるまでちょっと待っとこうぜ」

中川が提案した。




「遅くなってごめんなさい」

ちょっとして藤崎が入ってきた。




「ほら。みんな来たからどうして集めたのか説明してよ」

相田が中川に言った。


「そんなに焦るなよ」




それから中川は今日バスの中で俺に話した仮説をみんなに話した。



「・・・て思ってるんだけど。皆はどう思う?」



皆は驚いたような顔をした。



「確かに、その可能性はあるね。だけどそんな強力な能力なんて本当にあるのかな?」

相田は指摘した。時間止めるやつが何言ってるんだ。

「うーん、私はだいぶ遅れて行ったのでよくわかりません。」

佐山さんは言った。

「・・・」

藤崎は申し訳なさそうな顔で黙っている。



「先生、思い出させてしまってすいません。だけどなんか分かったことがあったら言ってください。」

俺は藤崎に頼んだ。


「ごめんなさい。やっぱり私もなんでああなったのか分からないわ・・・」


「じゃ、最近不審な人物と関わったことはないか?」

中川が聞いた。


「・・・。やっぱり思い出せない。ごめんなさい。」

藤崎はうつむきながら答えた。


「しょうがないよ。無理に思い出させるのも可哀想だし。」

相田が言った。

「そうだな」



「いや、藤崎の記憶だけが頼りなんだ!もしかしたら事件を解決できるかもしれないんだぞ!」

中川は食い下がった。



「・・・。あ、そういえば二週間くらい前に二十代くらいの人が道に寝ていたのを注意したわ。」

「よく覚えてますね」

「うん、なんかすごい突っかかってきたからよく覚えてる」

「あとは?」

「あとは・・・最近おなかを抱えてる男の人に大丈夫か聞いたくらいかな」

「その人たちになにかされましたか?」

「うんん、特に何もされてないわ」



「うーん、そいつらはあんまり関係なさそうだな」


やっぱり無理があったか。


「ごめんなさい・・・」

藤崎はまた謝ってきた。

「謝んなくてもいいですよ」

俺は答えた。


「いや、あんなことをしてしまったのだからちゃんと皆にお詫びがしたいの」

律儀な人だな。俺のなかでさらに好感度が上がった。


「でももう何も思い出せないんだろ?」




・・・・・・・・。



沈黙が重い。



・・・あ。そうだ。

「じゃ思い出さなくていいんでお詫びとして・・・」



「俺の目覚まし時計のアラームにするんで『起きて。じゃないと課題増やすわよ。』って言ってもらっていいですか?」




・・・・・・・・・・・・・・・。


皆から白い目で見られた。

さっきの沈黙よりもキツイ。




「変態」


佐山さんがボソッと言ってきた。

佐山さんに言われるのが一番ツラい。





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