32話・友人に起こったこと
それをすべて話すには『刈田がなぜ武谷の援交写真を持っていたか。』から話したほうがいい。
刈田は武谷に目をつけられ課題を増やされていた。
それに内心とても不満だった刈田はなにか武谷を脅せるものを見つけようと武谷を盗聴したり後をつけたりしていたのだ。
盗聴や合鍵の複製や尾行が得意って刈田は本当に何者なのだろうか?
そして刈田が見つけたのは武谷の援交現場だった。
刈田はすぐさまこれをネタに武谷を脅そうとした。
しかし結果としてそれを実行に移さなかった。
その時期にちょうど中川が刈田と一緒に課題をやるようになったからだ。
刈田はなんやかんやあの勉強会が嫌いではなかったらしい。
いつも刈田が黙々と勉強していたので俺は迷惑なのではないかと思っていた。
だから嫌いじゃなかったと聞いて嬉しかった。
そして刈田は武谷を脅すことを止めた。
これが刈田が援交写真を持っていた理由だ。
しかし刈田は武谷のことだからまた何かをするかもしれないと思い定期的に武谷を盗聴していた。
そんなときに武谷の電話を聞いた。
『あの写真であなたを脅したのは私です。日曜日の午後八時に学校に来てください』
その声の相手は藤崎だと分かった。
あの武谷のことだからこのままでは藤崎が危ない。
そう思った刈田は藤崎を守ろうと思ったのだ。
その時ちょうど中川から武谷の話をされた。そして思い立った。
非力な刈田一人では確実に守れるか分からない。
だから俺たちに助けてもらおう。と。
しかし一人でいた時間のほうが長かった刈田はどうやって頼めばいいか分からなかった。
だから武谷の驚いた顔が見たい。と言って俺たちを学校に連れてきたのだ。
素直に頼めばこんなことにならなかったものを。
まあ過ぎてしまったことはしょうがない。
そして刈田は俺たちの到着を待った。
しかし職員室を見ると武谷と藤崎がすでにいるのを見つけた。
もう行くしかない。
そう思い刈田は職員室に向かった。
しかし職員室に着くとそこにあったのは予想と違う光景だった。
藤崎が武谷を襲っていたのだ。
あのままで武谷は死んでしまう。
そう思い刈田はスタンガンを持ち藤崎に立ち向かったのだった。




