23話・フルチンの回想
僕は電車に乗り遅れて結局集合時間の十分後に学校に着いたんだ。
でもみんな居なかったからもう職員室に行ったのかと思って門をよじ上って校舎に向かったんだ。
なんでか裏口の鍵が開いてたから校舎にはすんなり入れたよ。
そしたらパンッ!って音がして職員室に急いだら階段の踊り場のところで血だらけの藤崎先生が階段を上って行ったを見てびっくりしたよ。
それで職員室に行ったら、これまた血だらけの武谷先生と刈田君が居てさらにびっくりしたよ。
これはなにか大変なことが起きたのかもしれないと思って急いで救急車を呼んで二人を探したんだ。
そしたら今度は藤崎先生があの空き教室に入っていくのを見つけて、すぐに服を脱いで助けに行ったんだよ。
すごく恥ずかしかったけどね。
これが相田が俺たちに説明してくれたすべてだ。
おそらく藤崎が掃除用具入れのほうに向かっているときに時間を止めてベランダの扉を揺らし藤崎がベランダの扉を開けた瞬間にまた時間を止め、藤崎をベランダに閉じ込めたのだろう。
さすが突然のことの対処には慣れているだけのことはある。
その話を聞き終わった少し後に
ドガンッ!!!
突然屋上の扉が吹っ飛んだ。
そこには藤崎が立っていた。




