17話・恐怖と出会う
なぜか嫌な予感がする。
隣で走っている中川の顔を見た。中川も緊張した顔をしている。こいつもなにかを感じているのだろうか?
職員室についた。そして俺たちはゆっくりと中を覗いた。
俺たちは信じられない光景を見ていた。
目の前であの武谷が血だらけで倒れていたのだ。顔は何発も殴打されたように歪んでいた。
近づいてみると胸の部分が静かに上下している。とりあえず生きてはいるようだ。
しかしこれはなんだ?逆ドッキリかなにかか?
隣の中川も信じられないような顔をしている。
自分の目を疑っていると他のことに気がついた。
奥のほうで『ガッ!ガッ!』という音がしているのだ。
俺は音のするほうに視線を向けた。
そこにはスーツを着た女がしゃがんで拳を振り上げている後姿があった。
そしてその拳は血に濡れていた。
さらに視線を落とすとその女の足元にはある男子生徒が鼻から血を流しながら倒れていた。
その男子生徒も顔が歪んでいたせいですぐには誰か分からなかったが、ほどなくして分かった。
刈田だった。
俺がその男子生徒が刈田だと気づいたと同時にその女が振り上げていた拳を刈田の顔に降ろした。
『ガッ!』という音を出しながら。
俺はその時恐怖よりも怒りが沸き起こっていた。
と同時にそれに気づいた中川が
「おい!てめえ!刈田になにしてんだ!!」
と叫んだ。
その女は刈田を殴ることを止め。ゆっくりと立ち上がり振り返った。
俺たちはその姿にまたも驚いた。
その女のスーツが血だらけだったこともそうだがそれよりも。
その女は藤崎だった。




