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5th world   作者: リープ
一章 少年たちは変わった世界の中に巻き込まれていく
11/68

10話・ある事件とある幸運

「起きろ!さもないと課題を増やすぞ!起きろ!さもないと課題を増やすぞ!」


今日も独特のアラームで起こされた。


一階に行くとやはり父は居ない。

それから登校の準備をし朝食を用意しニュースを見ながらそれを食べていた。

いつもと同じだ。



この日のニュースはまた能力者絡みだった。

最近になって二日連続なんて珍しいな。




ニュースの内容はこうだ。


昨日、とある場所で能力者が一般人と思しき人を殺害。そのあとに駆け付けた警官に能力者は射殺された。

また他の場所でも同じような事件があった。

なんと二件も。

つまり昨日だけで一般人が三人殺され、能力者は三人射殺されたということになる。




これは明らかに異常だ。


しかしテレビの中の小太りコメンテーターは『これはたまたまじゃないかな?』とか言っていた。

俺が代わりに出てやるからそこどけ。そっちのほうが明らかに良い。






そしていつもと同じように中川とバスに乗った。


「おい!今朝のニュース見たか!?」

くると思った。

「見たよ。同じような事件が三か所で起きたやつだろ?」

「それだよ!あんなことってあると思うか!?これは何かの陰謀だな!」

今日の中川は明らかに興奮していた。


「陰謀って。誰のだよ?」

「それはしらねーよ」

だったらそんな話題ふるんじゃねーよ。てか二日連続で『そんな話題ふるんじゃねーよ』って思わせんじゃねーよ。


「まあいいや。そういや昨日あれからどのくらいファミレスに居たんだ?」

俺は聞いてみた。


「ん?ああ、そんなに長くいなかったよ」

「なんでだ?あんなに可愛いって言ってただろ?」

あのとき中川は『どうせ見るのはタダなんだから穴が空くまで見てやる』とも言っていたはずだ。


「いや、なんかいろいろ違うなって思ってよ」

「やっと人を凝視するのは迷惑だと気づいたか」

中川みたいな人間でも成長するんだな。


「そうじゃねーよ。なんかあの子清楚なのは見た目だけだなって思ったんだよ」

「別にそれでいいじゃないか」

どうせ見るのはタダなんだから。


「よくねーよ。俺の求める『清楚』は中身も大事なんだよ」

「ハイハイ。で、どういうところがダメだったんだ?」

「例えばしゃべり方とか言葉遣いとかかな。今どきの女子高生って感じだった。」

「今どきの男子高生がなに言ってんだよ」


気づいたらバスは下車する場所に到着していた。


下車するときに中川が

「あーあ、面白いことねーかなー」

と大きな独り言を言っていた。






面白いことは結構すぐに起きた。俺たちにとってはとても面白いことだ。





今日の国語の時間。

なぜか武谷ではなく藤崎がきた。そして言った。

「武谷先生はある事情でこの学校を退職しました。なので今日から私がこのクラスの国語を受け持ちます。」


クラスの全員が心の底から喜んだ瞬間だった。


そして生徒全員が武谷の時より真面目に授業に取り組んだ。





そして昼休みになりこれまたいつもと同じように三人が集まった。

「なんで武谷先生は学校辞めたんだろうね?」

相田が言った。


「別になんでもいいんじゃないか?藤崎になって嬉しくないやついないだろ?」

少なくとも俺は藤崎になって嬉しい。

「それはそうだけど。やっぱり理由が知りたいよ。中川君はなんか知ってる?」

相田が聞いたら中川は俺たちに顔を近づけて


「なんかどころか俺はすべてを知ってるやつを知ってるぞ」

ひそひそ声で言った。


「マジか!?」

「本当に!?」


俺と相田同時に叫んだ。


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