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二次募集試験 即決でアイドル育成学園を落とされた

管理社会でも幸せな生活ができるのだろうか。

23世紀の日本の社会での暮らしを想像をした物語。


ノベリストから転載させた小説です。

なの、未完成なので、続きを描く予定です。

 試験がはじめる40分前、私、戸松ほむらは、アイドルになることを夢見て、学院の補欠試験の会場に入る。寮生活も厳しいし学院ではダンスのレッスンとか歌のレッスンなどもあり、それと同時に他の中学生や高校生と同じ勉強をしなければならない。当然、偏差値が高いので授業が難しい。当然、脱落する子もいる。


 5月、すぐに脱落した子がでたので、補欠試験の知らせを見て、私はそれを受けた。でも・・・



「すみません、このたび補欠試験を受ける、戸松ほむらです」

「戸松さんですね。今回の応募は二人だけで、入学できるのは一人だけです。大丈夫ですか」

 私は中学校の学生服で試験を受けることになる。40分前、余裕持って行く。

「試験は午前9時からです。もうひとりの子は、まだ来ていないですね」

「そうですか」


 私が、この学院に入る確率は高いと思った。そして、9時ちょっと前、3分前にギリギリに、補欠試験に受ける子が来た。派手な普段着に茶色くとても長い髪。甘えたような喋り方で言った。

「すみません。おそくなって」

こんな子が学院に入れるの。これで、私は補欠試験が受けられる。補欠試験でも学力試験、体力試験もある。そして中学校の内申書に、どのくらい学力があるか担任の先生からの報告書も書類で送られる。これで、私は入学できる。


「では補欠試験を・・・」

 若い女性の教師が言った。

「ねえ、戸松さん。ごめんなさい。アイドルになるには、この学院でなくても、別の音楽学校とかダンススクールなど通うという方法があるの」

 補欠試験を行う職員室にいる事務の女性が言った。

「南先生、それはこの子に酷ですよ。やる気ありそうなのに」

「だから、やる気ある子が入ると・・・、でも、もうひとりの受験生、石岡さんでしたね。これから入学手続きをこれからしますから。で、戸松さん、ここまで来た交通費を書類に請求してください」


 何なの、この学院のいい加減さは。私は悲しい気持ちを通り越して怒りの気持ちがこみ上げた。

「なんで、なんで。試験もしないで、いきなり私のことをバッサリ、切るの。理不尽だわ。私、ほんとうにアイドルになりたいの」

「だからね、その本気があれば、別の学校を受ければいいでしょう」

 南先生は答えた。


「で、石岡さん、これから入学手続きです。今日は試験をしません。中学校から送られた成績書、内申書、試験の偏差値が送られて大丈夫だと確信しました。私立の学院ですから偏差値は高いです。それに全寮制ですから、みんなと協調できますか。集団生活ですから」

「はい」

 私は彼女に強い嫉妬を感じた。


「ごめんなさい。うちの学院には、この子を入れる意味があるの。学院の方針があるの。あなたは、別の学校を受けなさい。きっと立派なアイドルになれる。自分を信じて。自信を持って」

 そんなこといわれても、私の怒りの気持ちは収まらない。

 私は、あの南先生という若い教師を睨みつけた。

 南先生は、とても悲しそうな表情をした。泣くのを耐えた。


「戸松さん。うちの学院には、それなりのやり方があるの。他のアイドル養成の音楽学校とかダンススクール、ファッションスクールなど紹介するわ」

「もう、いいわ。大人は信用できない」

 南先生は、とても辛そうだった。


「不良撲滅キャンペンとしてシュベリア・カムチャッカ半島での石器時代体験合宿をします。偏差値が低い子、不良になりそうな子、家庭に問題がある子は、それに参加する義務があります。なお夏休み前に期末試験をしますので、みなさん試験は満点をとるつもりで頑張ってください」

 とても寒いところ。8月でも氷点下、なにもないところで石器時代と同じ暮らしをする。

 25人で一つのチームを作る。2週間、放置させる。みんなが仲よくしないと命に支障をきたす。特に不良になりそうな子たちが選らばれる。

 偏差値70で内申書にも問題がない。だから、シュベリア送りにならないと思う。でも、油断は大敵。少しでも校則を破れば、シュベリア送りになる。


 公立中学校では、教師もシュベリア送りの対象となっている。教師としてやる気ない、倫理観がかけていればシュベリア送り。それでも、更生のみこみがなければ、アフリカへ生涯ボランティアとして一生を捧げることになる。飢餓がある地域に送られる。そこでは、頻繁に殺人事件も起きるし病気になれば病院に行けない。平均寿命が35歳という状態である。


 究極のスパルタ教育である。




 私は軽音部に入り、音楽の勉強をする。最近のアイドルは英国のUKBに影響され、作詞作曲ができないとダメ。楽器も演奏できないとダメ。ただ、かわいいだけでは、ながくアイドルとして続けられない。


「では、これからシュベリアとアフリカの映像をこれから見ます」

 シュベリアでは石器時代の人たちのように、動物の皮でできた服を何枚も重ねて着る。当然、美味しいものは皆無。数日もたつとネズミとかウサギなどが、ご馳走に見える。口に入れらるものを食べないと2週間も持たない。

 25人でひとつのチーム、いや村社会を作る。それによって組織というものを体で覚える。一人だけでは生きていられない。みんなが協調性をもたないと途中で餓死してしまう。とても厳しい状態である。

 帰国しても、不良とみなされたら、そのままアフリカや中東のとても貧しい地域へ生涯ボランティアとして一生を過ごさなければならない。


 みんな、良い子でいるのは、そんな厳しい環境で生活したくないから。

 それに、『便利』という言葉が死語となった時代、すべてのことはロボットやアンドロイドが人間の代わりにやってくれる。


 ぬるま湯につかりきった未成年の若者が、いきなり何もない石器時代の生活を送るなんて、無理がある。でも、サバイバルを学ぶ必要もある。日本列島では巨大地震がいつ起きてもおかしくない。

 311地震以来、何度も巨大地震が起きた。あの南トラフ大震災では、津波被害は甚大だった。名古屋も大阪も津波でやられた。四国の南側も大きな被害を受けた。311地震の被害の20倍。これで日本は終わったと思ったが、日本には潜在的なお金が無尽蔵にあり、他の国々の義援金なしで立ち直った。


 それから200年、日本から貧困が撲滅してから、犯罪がほとんどなくなった。工場では万能ヒューマノイドロボットが仕事を24時間してもらう。人間が行うことは人間そのものを監視することである。

 だから、治安がよくなり犯罪がなくなっても警察は縮小するどころか拡大している。





 私は公立中学校から帰り、学校の授業の復習をしようとした。

 授業中に書きとったノートを他のノートに清書する。清書した文章をパソコンのデーターベースに入力する。

 

 そうやっているうちにある程度、授業の内容を覚えることができる。

「ほむら。学院から郵便物が」

 今どき郵便がくるとは、ローテクだと思う。今は23世紀、郵便宅配ロボットから私宛の郵便物が来る。

「お母さん、いまどき郵便物なんて珍しい」

「もしかして爆弾。開けると爆発するとか」

「そんなことないわ」

 しばらく押入れの中に入っていたロボットを出した。使用歴80年のレトロなヒューマノイドロボットを連れて行った。いつ壊れてもいいようなおんぼろロボット。電源を久しぶりに入れた。

 近くには誰もいない。多摩川の水は、飲めるほど泳げるほど、きれいになった。私は多摩川が好きだ。近くには、もう何十年、いや200年近くも使われていない古い橋がある。夏は水泳をして、それ以外の季節には魚とりをする。


 都内の人口が急激に減り、緑に覆われている。誰もいないのを確認した。

「私、最先端機器は苦手なの。ねえC2055。長いあいだ、ありがとう」

「どういたしまして。で、この郵便物の上部を破るのですか。中身を確認するために。重量を計測しましたが爆発物の可能性はほぼ皆無。中身は紙でできたものです。X線でスキャンしました」

「そうなの」

 片側8輪走行の家庭用ロボット・C2055。ロボット博物館に入れてもおかしくないほど古い。当時でも廉価なロボット、普及機として売り出された。大事に使いつづけて80年。


「ごめんね。C2055、私が郵便物を開けるから」

 私は郵便物を開けると、中にあるのは他の音楽学校や歌唱学校、アイドル育成スクールなどのパンフレットがたくさんはいっていた。アイドル育成学院関係のデーター用ディスクも入っている。この時代では、古臭いやりかた。

 


 そして、手書きの手紙が入っていた。丁寧な文字で書いている。

『この間は、ごめんなさい。私たちの学院は、本来なら、あなたのような、本気でアイドルになりたい子を喜んで入学させたいのですが、あえて、やる気のない子、他の子と違った考えを持った子を入れていました。それは、みんなの結束を強めるだけでなく、忍耐を学んでもらうためです。なお、これらのパンフレットの学院に通う意志があれば、私が責任を取って、お勧めいたします。相談することがありましたら私にいつでも連絡してください。是非、みんなから愛されるアイドルになれますように遠くから応援します。ダンス・ファッション科担任 南ひろみより』


 この郵便物を見て、私の苛立ちが少し軽くなった。私のことを応援している人がいることを知った。




 超ハイテクファッションとは、太陽電池で稼働し有機ELで服の色を変えられる。マイクロエアコンがあるので、四季に影響されない。

 でも、私の家ではお金に限界がある。所詮、庶民だから。


 それに、もうじき期末試験。勉強に集中しなければならない。部活が終わったらすぐに勉強。なぜならカムチャッカ半島送りにされるから。

 そこに行けば8月でも寒い。周囲は森林ばかり。石器時代とおなじ暮らしを2週間もおくる。挫折すればアフリカの奥地へ永住させられる。また、不良とみなされたり、人格に問題があってもアフリカ送り。数世紀も進歩しないところは進歩しない。飢餓、政治の腐敗、弾圧、因習など、多くの不幸の原因がある。逆に多くの志願ボランティアが、その地域の生活を向上させようと頑張ってもテロリストに殺されることが多々ある。


「偏差値70。試験は全部満点を取るつもりで」

 私は軽音部で楽器演奏の練習をした。キーボードの演奏ができる。楽器が使えなければ、作曲もできない。そして、作詞をするには語彙が豊富でなければならない。言葉の表現力が必要。

「ほむら、夕食ができたよ」

「いただきます」

「おねえちゃん、試験の成績が悪いとカムチャッカ半島いきだよ」

「わかっているわ」

「そんな、まだ成長期の中学生を送るなんて。いくら不良撲滅でも、それはひどいよ」

「でも、そうしないと私たちの社会は平和にならない。金銭の奴隷、拝金主義の根源は公立学校の教育から」

「で、ほんとうにお金があれば、私立の学校に送りたいのに」

「それで、お母さん。お願いだけど、この間、関東女学院の補欠試験に落ちたけど」

「でも、寮の生活費におこづかい。それに学費を考えれば」

「私、アイドルになりたいの」

「アイドルは女性では最も高いステータス。でも、補欠試験は学費は入学金免除の特待生ということでしょう」

「そうなの。それが、ばっさり落とされて悔しいの」

「仕方ないわ。他にいろんな方法があるでしょう」

「そうだね」


 私は夜6時の夕食を食べ、午後9時に寝るまで学校の試験問題をした。


夢を絶たれてようだけど、果たしてヒロインの戸松ほむらは、アイドルになることができるだろうか。

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