動物虐待反対っ!!
前話の、「凶弾」を「糾弾」に変更しました。
うにゅ~、自分の頭の悪さが・・。
ザワリ。
「!琥珀、蒼炎。」
「「!!」」
嫌な気配を感じて、戦闘体制に入る。
明かりに照らされ夜の公園にできた影から、獣の様な黒いものが現れた。嫌な気配がしたのはコレか。
「まさか、動物に魔動機を埋め込んで兵器にするなんて。」
キメラみたいなものだろう。人だけでなく、動物にまで手を出すなんて。
「ふん。我々が試作品として造り上げた魔導兵器に、殺られてしまうといい。」
そう言って<魔狩り>の男は姿を消し、その場を離れていく。
「追いますか?」
「ううん。それよりも、この子達を何とかしなきゃ。多分もう、元には戻せない。」
魔動機が完全に獣達と同化していて、外せない。無理に剥がそうとすれば、此方にも被害がでてしまう。<魔狩り>の人達も埋め込む事は出来ても、剥がせないだろうね。試作品って言ってたし。
「可哀想だけど、このまま放っといたら一般の人達にも被害が出ちゃう。・・・二人とも、殺しなさい。」
「「了解しました。」」
琥珀が獣の首を落とし、蒼炎が異能を使い、獣の体全体を燃やす。だけどいくら焼き殺してもすぐに復活し、此方に襲いかかる。
「お嬢様。キリがありません。お引きください。」
「駄目。蒼炎、魔動機本体は?」
「異能を無効化しているのか傷一つ有りませんね。」
何その無駄な機能。でもそうなると、物理的に破壊しなきゃいけないのか。
魔動機と同化している影響か、獣達の体は影や霧のようになっていて触れる事が出来ないでいた。
魔動機の場所さえ解れば、何とか出来るんだけど。
ズズッ。
「!お嬢様。獣達の様子が・・。」
琥珀の言葉を聞き獣達の方を見ると、体を作り上げていた影や霧が薄くなり、動きも鈍くなっている。
「お嬢様。魔動機を発見致しました。どうやらこの者達は失敗の様ですね。」
蒼炎の目線の先には、心臓に埋め込まれた魔動機があった。<魔狩り>の人達は、本当にロクな事しないよね。
「お嬢様。私が処理してきますので、お嬢様は琥珀と共に居てください。危険ですので。」
蒼炎は体を失い心臓だけになった魔動機を壊しにかかる。魔動機の影響でいまだに動いていた心臓は、蒼炎のナイフに突き刺されようやく動きを止めた。
琥珀<こはく>
茶色の髪と琥珀色の目。
腰まである髪をお団子にして纏めている。
優しそうなお姉さんだが、敵には容赦がなく笑顔で切り刻む。桜綺様至上。
能力は、風刃。
蒼炎<そうえん>
黒髪と蒼い目。
眼鏡を掛けたクール系美形。
春藤家使用人筆頭。琥珀同様敵には容赦がない。ただし、桜綺に止められればすぐに止める。桜綺様至上。
能力は、炎符。
二人とも桜綺付きの使用人兼護衛。