綺麗な華は、妹を虜にしたようだ。
ご指摘により、
双子の兄妹→双子の弟妹に、変更しました。
大丈夫かな?
「あ~。こいつは俺の妹の美波。双子と同い年な。」
そう紹介されたその子は綺麗にお辞儀をしながら、名前を言った。本当キレ~。
「黒江 美波です。えと、おにいちゃん達のおともだち?」
小首をかしげながら、そう言った。兄と違って礼儀正しっ、いや言うまい。
「こんにちは。春藤 桜綺です。よろしくね。ほらつー君達も。」
私の後ろに隠れている双子を目の前に押してやる。人見知りを直すチャンスを、逃してなるものか。
「、、っ。春藤 椿稀。」
「はっ、春藤 桃華ですわ。よろしくおねがいしますわ、黒江さん。」
「えへへっ。美波でいいよ。わたしも椿稀くんと桃華ちゃんって呼んでもいいかなぁ。」
「「うんっ。」」
ビビりながらも自己紹介する双子を気にせず、美波ちゃんは話しかける。こういう所は黒さんの妹だねぇ。それにしても改めて見ていてると、綺麗な子だと解る。うちの桃華は可愛らしい美少女だけど、彼女は綺麗系美少女だ。将来は美人さんだな。
「美波ちゃん。彼女達は見学しにきたんだ。見せてもらってもいいか?」
紫さんが美波ちゃんにそう言うと、彼女は早速作業に入る。
漆の花器の中にある剣山に手慣れた様子で、次々に花を挿していく。途中花鋏を使い、葉や茎の長さを調整していく。うわっ。何かノコギリや金槌があるんだけど。あ、霧吹きは解る。なんて私が内心驚いていると、見事な活け花が出来ていた。
「すっすごいですわ!バラバラだったお花がきれいにまとまっていますわ!美波すごいですっ。」
「そっそうかな?ありがとう。桃華ちゃんもやってみる?」
「いいんですの!?」
桃華が瞳をキラキラしながら、美波ちゃんを絶賛していた。おぉ。あんな桃華は珍しいなぁ。
「むらっ、、龍さんの家は教室をやってるんですか?さっき弓道もありましたけど。」
紫さん改め龍さんに聞くと驚かれた。何故。
「あっああ。華や弓のほかに茶道や剣道、空手や柔道なんかもある。うちの両親と兄貴たちがそれぞれ別のに手をだしててな。師範として教室をひらいてるんだ。」
「へぇ~。すごいですね。」
予想以上の答えに感心していると、龍さんがなんだか複雑そうな顔をしていた。映士さんはさっきからニヤニヤしている。なんなんだ。
「ねぇさん。弓の方行ってきていい?」
椿稀が桃華のハシャギようにたまらなくなったのか、袖を引っ張ってくる。行くか。
「龍さん。弓道場に行ってきます。」
椿稀の手を握り、龍さんに報告していく。桃華は美波ちゃんと一緒にいるし、映士さんが見ていてくれるでしょ。
「待った。俺も行く。二人だけじゃ危ない。」
その言葉と共に龍さんがついてきた。別に平気なのに、心配性だ。
さて、行こう。