理想の男性が・・・(汗)。
「わぁぁ、大っきいね。」
「そうですわね。ねぇさま、早く中に入りましょう!」
「解ったから落ち着いてねももちゃん。」
私、椿稀、桃華、美波ちゃん、龍さん、英士さんのいつものメンバーになりつつある六人で新しく出来た水族館に来ました。
私達の住む街はアミューズメント施設が多種にあって、子供や子供連れの家族が多く見掛ける。
その為、治安を良くしようと監視カメラや警護を強化しているから、私達子供だけで遊びにいってもあまり怒られないんだよね。
因みに、家に来た後も双子と仲良くしていた青海君も誘ったんだけど、家の用事と幼馴染みがうるさいらしくて来れないと残念そうに断られた。
うるさいって・・・。あの子割りと毒舌だ。
ただ、青海君が来れないと解ってから桃華の機嫌が悪くなったのには少し驚いたかな。
いつの間にあんなに懐いたんだろう。懐く、というより好いている感じたけど。
「桜綺?大丈夫か?ボンヤリしてるみたいだけど。」
黙ってた私に気付いたのか、龍さんが心配そうに顔を覗かせた。いけないいけない。今日は楽しまないとね。
「大丈夫ですよ。ほら、みんな行っちゃいます。私達も行きましょう。」
そういって笑顔で龍さんを見上げていたら、いつもの複雑そうな顔で頭を撫でてきた。
なんだかこうされると、前世の旦那さんが思い浮かぶ。あの人も難しい顔で無言で頭撫でてきたからなぁ。
顔はいいくせにほとんど顰めっ面で、たまに笑う時なんか目元を細めるだけで満面の笑みは見たことないし、無口かと思えば説明文みたいな事を喋るし、変わり者と認識されて女性はあんまり近づいてこなかったんだよね。
観賞用としては大人気でしたけど。
ただ、男性からは好かれてたなぁ。面白いって言われてワラワラと。旦那さん、無表情で困ってて見てて楽しかったな。時々助けを求めていたし。
ていうか私、自分のことは思い出さないで旦那さんのことばっか思い出すね。あれぇ?
そりゃあ、旦那さんのことは好きでしたけど?周りからは仲の良くない夫婦だと思われてたけど、ラブラブでしたけど?だからって何であの人ばかり思い出すんだろう。
・・・はっ!まだ未練があるのか!?私、そんな一途だったか?今世の理想の男性は旦那さんみたいな人がいいのは、それが原因か!?
私がアワアワしている所を、龍さんが不思議そうに小首を傾げ見ていました。ちょっと可愛かったです。