オオサカノクニに生きる者5
教室に入るコウシ。
コウシは、机に肘をつき廊下側をみつめていた。そして、本鈴のチャイムがなり、
「皆ーー、席についてー。」とノザト先生が入ってくる。
入学した1年生には、クラブ紹介をみたり、自己紹介をしたり、色々とみたり、しないといけない、行事がある。
「今日は、まず皆に自己紹介をしてもらいます。2時間目からは、体育館でクラブ紹介があるので各自体育館にいくように。それでは、出席番号1番の子からしてね。」
その言葉に、1番の奴が立ち上がり自己紹介を始める。
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自己紹介を聞いていると、あっという間に出席番号10番のコウシの順番になった。
「名前はコウシです。クラブ活動なんかは、別に決めてません。」短い自己紹介を終えて、また机に肘をつき廊下側をみつめる。
そして、男子の自己紹介が終わり女子の自己紹介を聞いていた。
その時、「あたしの名前は、カナコです。クラブ活動は何も決めていません。みなさんよろしくお願いします。」
愛想よくそう話す声にコウシは、聞き覚えがあった。
声のする方を見るコウシ。そうすると。
間違いなく昨日の女の子がいた。
同じクラスだったのか。全く気づかなかった自分が少しいやになった。
そして、コウシとカナコの接触がこの後から始まる事になる。