オオサカノクニに生きる者4
「ただいまーっ。」
そう言って家の中に入るコウシ。
すると家の中ではユメノがご飯の支度をしていた。
「コウシ、学校はどうだった?友達はできたの?」なんて事を聞いてくる。
「別にまだ、友達なんか出来てねぇよ。」そう言って部屋へと入っていく。
部屋に入り制服を脱いで着替えをすますコウシ。
はぁーーーっ。さっきの女の子なんだったんだ。
俺が王様?そんな事あるわけないだろ?
現に俺は、普通の高校生だ。今までも普通に生活してきたし、特別な生活なんかしてきてなんかいない。
.........なのに.......あの子、何で俺の名前知ってるんだ?
少し疑問は残ったが、コウシは深く考えないようにした。
......とは言ったものの。やはりどこかスッキリとしない気持ちがあった。
部屋のベッドで仰向けになりながら、コウシは考えた。
そしてでた結論が、同じ高校なんだから、また会う事くらいあるだろう。そのとき、また同じような事を言ってきたら、その時話しを聞けばいいか。そう自分で結論をだしたコウシ。しばらくベッドで横になっていると、気付かない間に少しの眠りについていた。
「コウシーー。ご飯出来たわよーー。」
ユメノの声に目を覚ましたコウシは、リビングでユメノと2人テーブルを囲む。
「今日は、コウシの入学式だったから、晩御飯はコウシの大好物よ。」
ユメノの言葉通り、テーブルにはコウシの大好物が並んでいた。
「そういえばコウシ、シオリちゃんも同じウメド高校でしょ?あんた、幼馴染なんだから仲良くしなさいよ。」
「あぁー。分かってるよ。」
そう返事はするものの、仲良くしろといわれても、高校にもなって幼馴染と仲良くしていると変な噂されても困るしなー。とコウシは思っていた。
確かにそれもそうだろう。仲の良い幼馴染でも高校生になった途端、
「一緒に帰って、友達に噂されても恥ずかしいし、それじゃ、さよなら」
なんて風に言い出す女の子だっている。
まぁ、今朝のように、自分から声をかけてくるのをみると、シオリはそんな事ないと思うけど。
ユメノと話しをしながら、テーブルに並んだ大好物をたらふくたいらげた。
「ごちそうさまーー。」そういって、食器を台所に運び、コウシは部屋へと戻っていった。
ジリリリリリリリーーッ。
翌朝。枕元に置いてある目覚ましの音に飛び起きるコウシ。
早起きは得意な方ではないコウシ。
あと5分だけ、あと5分だけ。そう自分に言い聞かせて再び目をつぶるコウシ。
どうして、この、あと5分だけ。の5分というのは一瞬に感じるのだろうか。
目を閉じて、次の瞬間目を開けても、大体10分は経っている。
「コウシーー。いい加減起きてこないと遅刻するわよーー。」
ユメノの声が今日も家に響き渡る。
ユメノの方がよっぽど目覚ましになる。そう思いながら、制服に着替えたコウシはリビングに行き朝食をとり、学校へ向かうのだった。