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暁の星とともに  作者: karon
サン・シモン過去編
172/210

幼き決意

お待たせしました番外編開始です。


 見慣れたサフラン商会の商店街。そこは今小規模な破壊活動の焦点となっていた。

 ミリエルはギリと唇をかむ。

 ミリエルの祖父の支配下にあるサフラン商会をなめたまねをする輩、それはすなわち悪。

 お下げ髪の愛らしい少女は、その愛らしさとは裏腹に、凶悪な表情を浮かべて、こぶしを握りしめた。

「野郎ども、このあたし達のテリトリーでなめたまねをした馬鹿どもに目にも見せてくれる」

 持って生まれたとてつもない愛らしさ、それを完全に打ち消す猛将の表情でミリエルは宣言した。

 配下はミリエルの前に膝をついた。いずれもあどけなさの残る少年少女であり、破壊活動の被害を受けた。商店主の子供達だった。


 サフラン商店街が、さらされている危機。それは、サヴォワ王国から流入してくる難民達だった。

 ほとんどは、国が難民として保護しているが、それに収まりきらない人間は、善良な市民を相手に暴虐の限りを尽くすこともある。

 目下最大の難物が、難民たちの中で孤児となった連中だった。

 大人であれば、サフランの鉄拳の前に散り、簡単に迎撃できる。しかし子供達は意外にすばしっこく。そのうえ以外に統制のとれた動きで周囲を翻弄する。

 手の打ちようもなく被害は広がるばかりだった。

 そんなとき、立ち上がったのが、少年少女たちだった。

 つまり子供には子供をというわけだ。

 しかし、相手は修羅場をくぐった猛者ぞろい。戦闘訓練を受けたサフラン商店街の子供達も防戦一方だった。

 そんな中頭角を現したのが、ミリエル・モニーク。

 サフラン商工会の創始者。黒獅子アルカンジェルの末裔といわれる少女だった。

 黙って立っていれば文句なしの美少女だったが、その見かけを裏切る凶暴性は、幼いころから名高かった。

 少女は毅然と決戦を選んだ。


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