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暁の星とともに  作者: karon
サン・シモン編
13/210

首都グランデの作戦 5

 体調を崩し更新が送れたことをお詫びします。

 言い訳になりませんが少し改稿しました。

 今まで竪琴を引いていた女の子はお嫁に行ってしまった。

 ミリエルは簡単な童謡を弾きながら、その言葉を反芻する。

 リュートを希望するミリエルに、竪琴を薦める音楽家の先生の言葉だ。

 大体この街では女の子は十八くらいまでに縁談がまとまる。ミリエルはもうすぐ十五だ。早い子ならばそろそろそういう話を持ち込まれてもおかしくない。

 もちろん父親不在の母子家庭は少々問題があるが、後二三年内に、ミリエルの縁談が決まる可能性が高い。

 結婚は夢見るものでなく、将来を見据えて現実的に。

 堅実で、婿可能ならとりあえず検討だな。

 ミリエルの信念は揺るがない。少女達が絵物語の王子とお姫様の物語に夢中になっていたときも、ミリエルはそれを横目に、商売の心得を叩き込まれた堅実な人と結ばれると断言していた。

 その堅実な人がなかなか現れないのが、悩みの種だ。

 周りの少女達は、それぞれてんでんばらばらに楽器をかき鳴らしながら噂話に興じている。

 最初は、この楽団を出てお嫁に行った少女達のことだったがしだいに街を騒がす強盗団のことに話は移っていった。

 この街では平民の暮らす区画は十二に分けられ、基本的に地区ごとに収入は結構違う。ミリエルのいる第三地区は、さほど裕福な地域ではない。

 大きな商売をして収入の多いものは街の奥第十地区から第十二地区に集中している。

 更に、街の奥。山を背にした立地には貴族や王族の居住区がある。

 彼らは見晴らしのよい高台に住んでいるのだ。

 そして街の周辺をぐるりと囲むように軍人の居住区がある。

 国家成立により街ができた頃からの変わらない住み分けだ。

 だから少女達の噂話は完全に他人事だ。

 件の強盗段が自分の家に来るはずがないと確信しているため、襲われた被害者に対しても笑い飛ばすのみ。

 しかし、ミリエルには笑い事ではなかった。黒獅子に使える十将の一人商工会幹部を祖父に持つミリエルにとって、サフラン商工会の安全を脅かされたということは生活基盤の一部を脅かされたということになる。

 次に襲われるのはどこだろうと少女達は野次馬根性むき出しで話し続ける。

 そして、ある名前を耳にしたとき、ミリエルの唇がつりあがった。

 それは祖父が、教えてくれた、選び抜いた囮の名前だった。

 大きな商売をしている家で、なおかつこの時期大きな取引が始まる。その上、親戚な黒獅子十将の一人なのだ。

 どうやら計画は順調のようだ。うっすらと微笑む。

 もちろん、他にも計画はある。確実に罠に追い込むため、他の狙われそうな家に秘密裏に警備を付ける手はずも完了。

 そしてまとまったお宝があるのはその一日だけと言う情報も捏造済みだ。

 もちろん他言無用と言われて祖父から説明してもらったことだ。

 これから、特殊部隊と機動隊から当日出撃要員が決められる。

 ミリエルは特殊部隊枠で申請してあった。


次の次くらいに鎮魂慰霊祭が始まります。

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