仮題01
疲れた、すべて投げ出して自由になりたい
そんなことを思いながら空を見上げる。
街灯の光のせいで星の光はかき消され、真っ暗な闇がそこにはあった。どんよりとした感じ、今の心境と合わさってより気持ちを沈ませる。
特別何かあったわけじゃない。ただちょっとした失敗をしただけといえばそれだけの事。
その失敗が引き金となって溜め込んだものが吹き出しただけ。
よくある事。
そう、よくある事。
ちょっと死にたくなって、ちょっと死に場所探して歩き回って、疲れたらなんとなく冷静になって日常生活に戻る。そんないつものよくある一コマ。
偶然見つけた公園の端のベンチに座り、周囲を見渡す。
いちゃいちゃと楽しそうにしている高校生のカップル、犬の散歩をしているおばさん、ランニングをしているお兄さん、酔っ払ってベンチで横になっているおじさん、etc...etc...
それなりに遅い時間だというのに意外といろいろと人がいる。
楽しそうだな、そんな言葉が口から漏れた。
いつだっただろう、最後に心の底からそう思えたのは。もう遠い昔のように感じる。
社会人になって早15年。歳だってもう40が間近に迫っている。
歳をとったと正直日常生活を過ごしているときは感じないが、ちょっとした瞬間にもう若くはないんだなと思い知らされる。ちょっと走れば息が切れ、重たいものを持ち上げれば腰が悲鳴を上げる。まったく困ったものだ。
進学と同時に上京してそれからはほとんど実家には帰っていない。帰っても両親の他に待ってる人間はいないとなれば、帰る必要性はまるで感じなかった。
ただ、たまにふと同級生たちはどんな生活をしているのかと考えてしまう自分がいた。
小中と仲がよかった友人たち、高校で遠巻きにしてきたゴリラたち、そして
初恋のあの人
もうこの人生で交わる事はない人たち。そんな人たちの近況が知りたくなった。交友関係を持たないため知り様はないわけだが。
遠い昔が懐かしく感じる。
当時は嫌で嫌で仕方がなかった時間。それがとても恋しく感じた。




