EP7.あの日の思い出とヘッドロック(幼馴染とのジャンケンを添えて)
??? 「バカヤロー! なんてノロい投稿頻度だ! 周りを見てみやがれ!」
この度も本作にご興味をお寄せ頂き、ありがとうございます! 作者の平成ヨーグルトです。
本エピソードでは、バカップル2人と色奈ちゃんの交流が描かれます! そして新たな脅威も……?
さて! それでは、是非お楽しみください!
「おはよ……ってアンタ、首大丈夫?」
翌日、色奈と共に教室に入った蓮也に姫華は声をかける。そんな彼女の目に映ったのは、色奈に右腕を掴まれながら、首を斜め左に曲げながら教室に入ってきた蓮也だった。
「あ、姫華おはよ!」
「お、おはよう色奈さん……隣の蓮也の首は一体…?」
そんな彼女の疑問に当の蓮也が答える。
「いやそれがさぁ、昨日の夜のことなんだけど.....」
その夜、寝る支度をしていた蓮也の部屋に色奈が入ってきた。
「どうかしたか色奈?」
枕を抱く色奈に蓮也は声をかける。
「今夜一緒に寝ていい?」
ベッドの上を転がる色奈の返答に、蓮也はキョトンとする。
「え、なんで?お前の部屋にもベッドはあるだろ?」
「そういう事じゃないの!」
蓮也の言葉に頬を膨らませて反抗する色奈。
「あ、もしかして1人じゃ怖くて寝れないとかか?」
「そういうのでもないよ!」
彼女の返事に困惑する蓮也。
「んじゃ、なんで一緒に寝なきゃいけないんだよ?」
蓮也の疑問に色奈は顔を輝かせながら答える。
「これからは2人で一緒に住む訳なんだし、こう、お互いにいい雰囲気とかを大切にしていくのがいいと思うの!」
身振り手振りを加え、色奈は蓮也に訴える。
「いい雰囲気って......」
「一緒になろう!ビジネスパートナーよりももっと深い関係に!」
「ちょっ、そんなに近づくなって!」
ジリジリと色奈が蓮也に近寄る。そんな彼女を押し留めながら、蓮也は質問を続ける。
「つまり、『家族っぽい感じ』を作りたいから一緒に寝るって事か?」
その言葉を受けて、蓮也から離れる色奈。そんな彼女の顔には、不満の色が浮かんでいた。
「『家族っぽい感じ』じゃなくて、「本物』の家族になりたいの!」
「なんじゃそれ」
相変わらず困惑の色を見せる運也。そんな彼を見てため息をついた色奈は、部屋を見回す。その中で彼女は、1つ気になる物を見つけた。
「ねえ、この『群青戦士アクアラピズ』って何?」
彼女は、ボーズを決める蒼きヒーローがデカデカとパッケージに写っているDVDを手にして、蓮也に見せる。
「ああ、これか?これは俺の永遠のヒーロー、アクアラピズだ!」
「アクアラピズ......」
胸を張る蓮をよそに、色奈はパッケージのヒーローをまじまじと見つめる。
「なんか私に似てない?」
「.....ん?」
色奈にそう言われた運也は彼女の方へと顔を向ける。そしてしばらく彼女を見つめた後、彼はこう言った。
「いやどこが?」
どこをどう見たら自分の憧れのヒーローと目の前の少女が似ていると言えるのか、彼には分からなかった。しかし、そんな蓮也の反応を見て、色奈は口を開いた。
「あ、今の私じゃなくてアクアブレイブとしての私の方ね?」
彼女の言葉を聞いた彼は、昨日共に戦った巨人の姿を頭に浮かべる。確かに始めてアクアブレイブを目にした時、一瞬彼はアクアラピズと勘違いした。
正直状況が状況だったので自分を救ってくれた蒼き巨人が、同じく蒼き体を持つアクアラピズに見えてしまった可能性があるとはいえ、この2人が似ている事は否定出来ない。
「確かにアクアブレイブとしてのお前とアクアラビズはメチャクチャ似てる。俺も初めての時は見間違えたぐらいにはな」
「でしょでしょ!やっぱり私にはヒーローの素質があるんだね!」
「いやそういう訳じゃ......」
蓮也が言いたかったのは、似ているのはあくまで外見、中身は全くの別物という事だった。もちろんそれは性別の話ではない。
彼にとってアクアラピズは、熱き心で人々を照らす、王道のヒーロー像。
対して目の前の少女もといアクアブレイブは、自分に熱烈なラブコールを送り、ましてや必殺技の名前さえ決めていない、ただただ暑苦しい巨人という印象でしかない。
今この「海咲 色奈」としての彼女はまだ落ち着きがあるが、「アクアブレイブ」としての彼女は手に負えようがないほどうるさい。だから先程の彼女の言葉には首を縦に振る事が出来なかった。
「はあ......お前は少しはアクアラピズを見習え。本物のヒーローを目指すならまず、俺のストレスが緩和される程度には成長してくれ」
「なら今からこれ観て一緒に勉強しようよ!」
「え、いやもう寝る時間......」
蓮也がそう言い切る前に色奈はDVDプレーヤーを起動していた。一方の蓮也も、これ以上彼女に何を言っても駄目だという事を確信し、一緒に観ることにした。
テレビの画面の映像が映り、ナレーションが流れる。
〈これから30分、君達は俺の勇姿を目にし、その魂を火だるまにするだろう!〉
「なんかいきなりぶっ飛んでるね」
「細かい事はいいんだよ」
オープニングが終わり、本編が始まった。
主人公は記憶喪失の青年。目を覚ました彼は心優しき人達と触れ合い、笑顔溢れる生活を送る。
そんな彼らはある日、突如現れた怪人に襲われる。そんな中、大切なものを守りたいと祈った主人公は、自分の正体を思い出す。
彼は人々の自由を守る戦士、アクアラピズだったのだ。自分の便命を思い出した彼はアクアラピズへと変身し、凶悪な怪人達との戦いに身を投じるのであった。
「この世界から笑顔を消させなんかしない! 俺の宝物は、俺自身が守るんだ!」
辛くも怪人達を倒したアクアラピズ。しかし、彼の記憶が全て戻った訳ではない。彼は本当の自分を思い出すため、そして愛する人達を守るためにまだ見ぬ脅威と戦うのであった!
「すごい……こんなにかっこいいんだ……」
「だろ! お前にもこのかっこよさが伝わったみたいだな!」
第一話を鑑賞した色奈の顔には驚きと感動の色が浮かんでいた。そんな彼女の横で懐かしそうな顔をしながら口を開く蓮也。
「俺がまだ小さい頃、ショッピングモールで迷子になった時の話なんだが、近くでアクアラピズのショーがやってたみたいなんだ。少し離れたところで1人泣いていた俺の元に、アクアラピズが歩み寄ってきてくれたんだ。そして俺を抱き抱えながらあやしてくれてさ。その時に初めてアクアラピズを知ったんだ」
そう話す蓮也の脳裏にはかつての光景が浮かぶ。
ずっと泣き続ける幼き自分の元に駆けつける青きヒーロー。そして、泣き止まぬ彼を抱き抱え、アクアラピズは背中を優しく叩く。すると徐々に蓮也に明るい笑顔が戻ってくる。
少しして、蓮也の元に両親がやってくる。そこにいたのはヒーローに抱えられながら満面の笑顔を浮かべる蓮也だった。
そんな記憶に笑みを見せる蓮也はDVDを手に取る。パッケージに写るヒーローを見つめながらこう続ける。
「そこから俺が特撮オタクの道を歩むのも時間の問題だった。無事に両親と合流出来た俺は、その時に初めて『おもちゃを買いたい』とおねだりしたんだ。事情を知った2人は驚きながらも笑顔で許してくれて、俺は笑顔を取り戻してくれたアクアラピズの人形を買ったんだ」
そう話しながら蓮也は立ち上がる。そして彼の宝物が詰まった大きな箱を、部屋の奥から取り出す。その箱からアクアラピズの人形を取り出し、色奈に見せる。
「それがその時に買った人形?」
「ああ。この人形を買った時には既に、アクアラピズが心の拠り所になってたんだ」
蓮也は頷き返し、部屋を見回す。その視線を追うように色奈も部屋を見回す。周りには沢山のアクアラピズのグッズが飾られている。彼の愛がひしひしと伝わってくる。
「そっか……蓮也は本当にアクアラピズが大好きなんだね」
「そりゃもちろん!」
そう言いながら、色奈の方へ向く蓮也。
「柄にもなく、長話しちまったな。でもお前がもしアクアラピズのカッコ良さに気づけたんなら、何かヒーローとしての学びがあったのかもな」
そう言いつつ、蓮也はベッドに転がり込む。
「さ、今日はとっとと寝るぞー」
「うん、そうしよっか!」
首を縦に振り、色奈は彼と同じようにベッドに転がり込む。
「ん? なんで自分の部屋に戻らないんだ?」
「えー? アクアラピズ観たんだし、今日ぐらい一緒に寝ようよー」
「いや理由になってねえよ! さっさと部屋に戻れよ!」
「いーや! 一緒に寝る!」
「いやいや! 流石に会って2日目のJKと寝たら色々とマズいんだよ!」
「なんで!? 私達親戚って設定じゃん!」
「それでも俺の倫理観が警報鳴らしてるんだよ!」
「誰も観てないから大丈夫だよ!」
「それでもなんか嫌なんだよ!」
絶対に部屋に戻したい蓮也VS絶対に一緒に寝たい色奈!
2人はそれぞれのプライドを懸け、取っ組み合いを始めた。
しばらくの間、2人は掴み合いの攻防を繰り広げ、押して押される戦いが続いたものの、遂に決着が着く!
「もうー! ここまで融通が効かないなら、こうだ!」
蓮也からの力を流れるように捌き、その一瞬に生まれた隙をついて彼の背後に回った色奈は、彼の首にヘッドロックを仕掛けた!
「ちょ、おま、首は、ダメ……だって……!」
なんとか色奈を引き剥がそうとする蓮也だったが、彼女の剛力の前には勝てず、徐々に意識が朦朧になっていく。
「ヤバ……ちょ……ギ……ブ……」
完全に弱った彼の首から腕を離し、トドメの手刀を決める。一気にダウンした彼はベッドに倒れ込んだ。
「ふぅ……さてと、私も寝ようかな」
部屋の電気を消し、蓮也の隣に身体を倒す。そのまま色奈は瞼を閉じ、彼と同様に意識を手放す。
窓から三日月の光が、優しく2人に差し込む。
月が西へ傾く頃、蓮也は自身の顔面に衝撃を感じ、閉じていた瞼を開く。
「ん……なんだ……?」
徐々に意識を取り戻す彼の脇腹に突如衝撃が走る。
「ぐぁっ! なんかいてぇ……!」
突然の痛みで視界がハッキリしてきた蓮也は身体を起こし、周りを見渡す。そして隣に眠る色奈に視線を送る。彼女の周りの枕や掛け布団が散乱しているのを目にし、彼は自分を襲った衝撃の正体を察した。
「はぁ……ホントにコイツは……!」
睡眠の邪魔をされた蓮也は一度色奈を起こそうと、彼女の肩に手をかけた。
その瞬間だった。寝返りをうった彼女の動きに合わせて、彼女の脚が大きく上に振りかぶった。そして蓮也がそれに反応する前に、彼の頭上に踵が急降下した。
「ッタ……! 寝相の悪さが……母さんレベル……」
踵落としが直撃した蓮也は意識が薄れていく中で、月光に照らされる色奈に彼の母親の面影を重ねた。
だが、その思い出に浸ることはなく、彼は再び眠りにつくのであった。
「で、その後も蹴られてたみたいで、朝起きてみたらこの様なんだよ……」
一連の流れを姫華に話した彼は、身体の節々の痛みに顔を歪ませる。
一方彼が話す中で、教室の中をキョロキョロとしながら歩き回る色奈。まるで当事者としての意識が無いようだ。
だが、話を聞いた姫華はそれどころではなかった。
「ねぇ…アンタ、さっきの話の中で、色奈さんと一緒に寝たって言わなかった?」
少し睨むように訊く姫華に、蓮也は全身の痛みに顔を歪ませながら答える。
「ん? まあ、不本意であるけど」
それを聞いた姫華は、未だに教室の中をキョロキョロとする色奈に視線を向けると同時に、ペンを握る拳に力を込めた。
次の瞬間、窓から朝日が差し込む教室で、ボキッと何かが折れる音が響いた。
その後、授業の準備を進める3人の元に、2人組の男女が腕を絡ませながら現れた。
「お、まさかもういつメン全員が揃うなんてな」
「だねー! あ、色奈ちゃんもいるんだ! おはよう!」
「あ、おはよう!」
色奈の元に駆け寄る希美。そして色奈に前に立った希美は少し深呼吸をし、口を開いた。
「こうやって話すのは初めてだよね? アタシは横川希美、今あそこにいる須原秋秀君こと、秋君と付き合ってまーす! よろしくね、色奈ちゃん!」
「こちらこそよろしく、希美!」
2人のやり取りを見て、彼女達の元に向かう秋秀。
「ただいま紹介に預かりました津村秋秀です! 蓮也とはよく一緒にバカやってます! 俺からもよろしくな、海咲さん!」
「よろしく、秋秀!」
そんな3人のやり取りを遠目から眺める蓮也と姫華。
「すごいわね、あの3人。もう馴染んでるわよ」
「な。こういうのを『ジイは殿を呼ぶ』って言うのか」
彼の言葉を聞いた姫華は、彼の方を見向きもせずに口を開く。
「そうね、『バカはアホを呼ぶ』を体現するアンタがそういうの1番分かるでしょ。あ、どっちも兼ねてたわね」
「んだと? なら今日こそ、お前にそのバカorアホの俺がカレーパンチャレンジで勝ってやるよ!」
「『or』じゃなくて『and』なんだけど。とりあえず今日はジャンケンで」
そんな2人の勝負を見ようと、色奈、希美、秋秀が集まってきた。
腕まくりをし、構える蓮也。
「行くぜ!」
姫華と蓮也は腕を引き、勝負に出た。
「「最初はグー! ジャンケン……!」」
「ここのカレーパン、すっごい美味しい!」
「でしょー! アタシも秋君とよく買いに来ちゃうんだよねー!」
「いやー、まさか蓮也の奢りで食べれるなんてな」
カレーパンを手に廊下を歩く5人組。その中で唯一無表情の蓮也。
「おいおい、元気出せよ蓮也。お前が俺達の笑顔を作ったんだよ」
秋秀に肩を叩かれ、蓮也は睨みつけるような表情を浮かべる。
「テメーらが便乗しただけだろーが。おかげで今日の昼食の予算がパーだよ……」
「アンタが出したのはグーでしょ」
「うるせぇ」
色奈のツッコミに青は不貞腐れる。
教室に戻った5人は自席に着き、カレーパンを完食した。すると、秋秀は思い出したように隣の蓮也に声をかける。
「なあ蓮也。一昨日現れたあの巨人ってさ、お前が好きなアクアラピズにめっちゃ似てないか?」
「え、あ、いや、うーん……」
返事に詰まる蓮也の様子には気付かず、秋秀は続ける。
「ネットでもめっちゃ話題になってて俺も気になったんだけど、ほぼおんなじじゃね?」
「え、いやー、俺はそうは思わんなぁ……」
「えー? アタシも秋君と同意見なんだけどー」
秋秀に覆い被さるように抱きつく希美も不思議そうに蓮也を見つめる。
「俺的にはそんなにって感じなんだけどな…」
「れんれんがそう答えるなんて珍しー!」
そんな3人の会話を耳にし、前のめりになる色奈。
「やっぱ2人もあの蒼い巨人とアクアラピズが似てるって感じるよね!」
「「そりゃもちろん!」」
「だよねー! いやー、実は私も……」
色奈も熱く語ろうとするタイミングで、
〈キーンコーンカーンコーン〉
「あ、チャイムなっちゃった。」
色奈の呟きを聞いて、希美は頷きながら秋秀から離れる。
「だねー。今日は色奈ちゃんが転入してから初めての授業だよね?」
「うん!」
「海咲さんはきっと蓮也と違って頭良いんだろうな」
蓮也の方を向いて、ニヤニヤする秋秀。
「そうね、ある意味蓮也は希少種レベルの知能の持ち主だし」
同調する姫華。
「そうか、全員とりあえずカレーパンの金返せ」
ウンザリしたように言い返す蓮也。なんやかんや言い合う5人だったが、色奈と蓮也に突然悪寒が走った。
「何……?」
「なんだ…? 今の感覚……」
不穏な「何か」を感じつつ、自席に座り直した2人は嫌な感覚を抱えながら授業に臨むことにした。
色奈がふと外を見ると、2人の不安が嘘であるかのような晴天が大きく広がっていた。
「ようやくお昼かー」
何事もなく午前の授業を終えた彼らは、昼食を食べる用意を始めた。朝の内に予算が尽きた蓮也を除き、4人は弁当を取り出した。
「おい色奈。なんだその弁当は」
「え、蓮也が寝てる間に早起きして作った弁当だけど?」
「ア、ハイ」
早速弁当を食べようとする4人だったが、腹を空かせる蓮也を見かねて、それぞれバッグからお菓子を取り出し、蓮也の机に置く。
「これは……?」
「とても見ちゃいられないから、特別にな」
「流石にれんれんから貰うだけじゃ、こっちも気分が悪いからね」
「お昼のお供がアンタのやつれ顔ってのは、華がないからね」
「奢りには奢りで返す、それが礼儀なんだから!」
「お前ら……」
嬉しさのあまり、目に熱いものを浮かべる蓮也。
そんな彼を見て4人は顔を見合わせながら、こう感じる。
(バカだな)
(バカだね)
(バカね)
(ホントにバカなんだね)
その後、それぞれの昼食を口にし、談義に花を咲かせる5人。
そして午後の授業に準備をしようとしたその時、大きな揺れが校舎を震わせた。
「なんだ!?」
「地震!?」
突然の揺れに驚く秋秀と希美。周りの生徒もざわめく中、蓮也と姫華は一昨日の出来事を思い出し、色奈に視線を送った。当の色奈も危機感を覚えたのか、2人に向き直る。
その直後、彼らが耳にしたのは大地を揺るがし、街全体を震わせる、雄叫びだった。
「まさか!?」
蓮也の言葉を耳にしながら、窓際に向かった色奈の目に映ったのは、こちらへと進行してくる、
「怪獣」の姿だった。
巨体を進行させつつ、街を破壊する怪獣。踏みつけられた建物は砂のように崩れ、たちまち瓦礫の山が積み重なっていく。
怪獣の姿を目にし、学校中で悲鳴があがる。廊下や教室では大混乱が起き、教師陣も緊急の事態に動けない状況だった。
「とりあえずみんな逃げて!」
色奈は教室にいる生徒達に大声で非難を促した。
そして姫華、蓮也、色奈以外が教室を出たことを確認すると、手を前にかざした。すると光の粒子が集まり、あの自撮り棒もどきを形作った。
「さあ蓮也、一緒に戦おう!」
蓮也に自撮り棒もどきを差し出し、共に戦うことを促す色奈だったが、蓮也は何も言わずに俯くばかりだった。
「蓮也?」
「……ない」
「え?」
彼は俯いたまま、小さく言葉を紡ぐ。
「俺は……戦えない……」
改めまして、本作をご覧頂き、ありがとうございます!
そして長らく投稿せず、申し訳ございませんでした!
一応僕の中では、4月って60日間ある予定だったんですけど、余裕で6月も終わりそうです。
次回は7月の投稿を予定しています。
また、皆さんのご感想なども心からお待ちしております! 皆さんからの評価やご感想のおかげで私は嬉しさのあまり、絶好調になりますので是非お願いします! 「投稿はよ」コメントでも構いません!
これからも「アクアブレイブ(幼馴染を添えて)」の応援、よろしくお願いします!