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EP5.帰り道と実質不法侵入(玄関前の幼馴染を添えて)

 この度も本作にご興味をお寄せ頂き、ありがとうございます! 作者の平成ヨーグルトです。

 本エピソードでは、蓮也君や姫華ちゃん、さらに色奈ちゃんを加えた3人の帰宅シーンが描かれています。今回もかなりユルユル回です(笑)。

 さて! それでは、是非お楽しみください!

 結局3人で帰路につく事になった蓮也、姫華、色奈。

 元々蓮也と姫華は家が隣同士だったため、2人で帰る事も少なくなかった。しかし、今回は新しく色奈がいるからか、どこか少し新鮮味を感じている2人。

 蓮也は左手で自転車を押しながら歩いている。

 一方色奈は蓮也の右手を握りながら、周りの景色に目を輝かせていた。

 

 「2人はいつもここに通ってるんだよね?」

 「まあな、てかちょっと握る力強すぎじゃない? そろそろ右手さんが悲鳴をあげそうなんだけど」

 「まぁまぁ、愛する人の手は握れるうちに握っといた方がいいからね!」


 そう言いながら、一層力を込める色奈。

 

 「ちょ痛いって! ストップストップ!」

 

 待ったをかけられ、色奈は力を抜く。そんな彼女の手から救出した自分の右手を見る蓮也。既にその手は真っ赤になっている。

 

 「たく……なんで俺がこんな奴に好かれるのやら……」


 そんな蓮也の一言を聞いた色奈は頬を膨らませながら抗議の態度を見せる。

 

 「そんな事言わないでよ! 蓮也が不本意でも、私は本気なんだからね!」


 堂々とそう宣言した彼女だったがその次の瞬間、不意に悲しげな顔を覗かせる。


 「愛するあの人を忘れちゃった私には、もう蓮也しかいないからさ……」


 その言葉に蓮也と姫華は怪訝そうな顔をした。そして姫華は口を開く。

 

 「あの人? その人がどうかしたの?」


 その問いに色奈は答える。

 

 「大切な人の筈だったんだけど、名前も顔も全然思い出せなくてさ……覚えてるのはその人が私にとって大切な人だった事、そしてその人を助けなきゃいけない気がするって事ぐらいでさ……」


 先程までの明るさが鳴りを潜めた彼女はどこか儚い夢に囚われているようだった。しかし、自身を心配する蓮也や姫華を安心させようと、すぐに笑顔を見せる色奈。そんな彼女の様子に少し後味の悪さが残る2人に色奈はとある問いをぶつける。

 

 「ところで初めて2人に会った時から気になってたんだけど、2人って付き合ってるの?」


 彼女からの問いに一瞬フリーズする2人だったが、次の瞬間には顔を赤らめさせ、動揺した様子を見せる。


 「え!? いやいや、俺がコイツと付き合うなんてあり得ねぇって!」

 「そうよ! こんな奴と付き合うなんて、どんなIQ差婚よ!」


 2人の様子にニヤニヤしだす色奈。その顔はあのバカップルを彷彿とさせるものだった。

 

 「えー? でも別に嫌いな訳じゃないんでしょ?」


 そんな彼女の言葉にバツが悪そうな表情を見せる蓮也と姫華。

 

 「いやまあ確かにそうだけどさ……」

 「確かに嫌いではない、けど……」


 青春してるなぁ……


 2人の反応にそう感じた色奈は、姫華に見せつけるように蓮也の右腕にしがみついた。


 「ちょ、急に何すんだよ?」

 「2人が付き合ってないなら全然それでも構わないけどさ。後悔しない選択をオススメするよ〜」


 その光景にまたまた硬直した姫華だったが、すぐに我に返ると余裕の表情を見せる。


 「フフッ、その低IQの相手が務まるのはずっと傍に居続けた私だけよ、色奈さん?」


 それはもう告白だよ……

 そんな思いを抱いた色奈だったが、こういう時は空気を読める彼女。そこをツッコむのは遠慮した。

 そんな彼女とは逆に、自分をバカにした姫華に抗議する蓮也。


 「おい姫華! また俺の事バカにしやがって!」

 「あら、実際本当の事でしょ?」

 「コンニャロォォー!」


 そんな彼から逃げようとする、運動だけは可哀想になるぐらいダメな幼馴染を捕まえようと、蓮也は走り出すが、右腕に色奈がしがみついていたため、スタートダッシュを失敗してしまう。


 「おい色奈! マジで離れろって!」

 「えー? もうちょいくっついていようよー?」


 蓮也と色奈のイチャイチャ(蓮也からしてみれば意図しない)を見せつけられた姫華は不機嫌そうな表情を露わにし、自分の自転車を引きずりながら、色奈を強引に蓮也から引き剥がす。


 「あ! 姫華ひどい!」

 「イチャイチャしてるアンタ達が悪いでしょうが!」

 「いいじゃん! イチャイチャするぐらい!」

 「ダメに決まってるでしょ!」


 そんな2人のやり取りをよそに、自身の右腕の安否を確認する蓮也。


 「やっべぇ、右腕も思いっきり圧縮されてるわ……」






 空が赤く染まり、ようやく自分達の家の前までたどり着いた3人。姫華は自宅の玄関の扉の前に立つと、蓮也と色奈に向き直る。


 「それじゃ、また明日」

 「おう、また明日な」

 「また明日〜」


 姫華からの別れの挨拶に、同じように返す2人。そして彼女が玄関のドアを開き、家に入ろうとするその瞬間、微笑みを蓮也に向ける姫華。

 夕陽に照らされた彼女の微笑に不覚にも目を奪われる彼を見て、横に立つ色奈は嬉しそうな表情を浮かべた。






 姫華と別れ、蓮也の家に入った2人。既に玄関から変化は見られるが、それは微々たるものだった。1階のリビングや風呂場にも少し変化が起きたぐらいで大したものではなかったが、色奈が学校で言っていた通り、2階の空き部屋が、空虚な空間から華やかな空間に変貌していた。

 1日も経たないうちにベッドや勉強机、本棚にアクセサリーなどが、空き部屋だったこの部屋を彩るようになった目の前の光景に蓮也は思わず声が出なかった。


 「すっごいゴージャスになったでしょ!」


 そんな彼の様子を見て自慢げに胸を張る色奈。正直、彼の中では自分が登校してから帰宅までの短時間で、どうやってここまでに変化したのかという疑問で頭が一杯だったのだが。

 そしてようやく我に帰った彼はこう口を開く。


 「もうこの際、俺の許可なく勝手に移住してきた事はもうどうでもいいや……どうせこれから一緒に住むなら、家の中の案内をした方が良さそうだな……」


 そう言いながらため息をついた彼は色奈を連れ、家の案内をする事にした。





 


 



 


 

 

 改めまして、本作をご覧頂き、ありがとうございます!

 まずは投稿遅れてしまい、申し訳ございませんでした! 本来でしたら、3月末の投稿を予定していたのですが、SSSS.GRI……シリーズ(ここから先はやめた方がいいかもしれません笑)を再び観返していたら、本日に投稿となってしまいました。

 次回は4月11日(金)の朝7時投稿を予定しています。

 また、皆さんのご感想なども心からお待ちしております! 皆さんからの評価やご感想のおかげで私は嬉しさのあまり、絶好調になりますので是非お願いします!

 これからも「アクアブレイブ(幼馴染を添えて)」の応援、よろしくお願いします!


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