表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/11

EP10.ネーミングセンスと異形(色々危ない同居人を添えて)

 ???「……とりあえず飯だ!」 

 

 この度も本作にご興味をお寄せ頂き、ありがとうございます! 作者の平成ヨーグルトです。

 本エピソードでは、宮水家でのやりとり、そして新たな勢力が存在を示し出します!

 あと…結局投稿に守れなくてすみませんでしたぁ! 善処はします……

 さて! それでは、是非お楽しみください!

 一方、日差しに照らされている宮水家宅。カレーを食べ終わった3人はテーブルを囲みながら満腹の心地良さに浸っている。しかし姫華は何かを思い出したように姿勢を正すと同時に、オズオズと蓮也にあることを尋ねる。


 「そ、そういえば蓮也。まだ色奈さんとは一緒に寝てるの……?」


 それを聞いた蓮也は首を横に振って答える。


 「あー、いや。もう自部屋で寝るようにしてもらってる。俺も1人で休みたいし」


 一方氷を噛み砕いていた色奈はどこか不満げ。


 「蓮也って卑怯だよね! 私は蓮也と一緒に寝たいのにあんな取引持ちかけてくるなんて!」

 「取引?」


 色奈の言葉が引っかかった姫華は首を傾げる。蓮也は呆れた様子で口を開く。


 「いやいや、引越し初日に首絞めで意識落としてきた奴と誰が一緒に寝たいって言うんだよ…それにお前だって提案には乗っただろ」

 「だからそれはしょうがないって言ってんじゃん!」


 色奈の反論に蓮也はため息を漏らす。そして彼は姫華が会話に追いつけていない様子を見て、少しめんどくさそうにしながら事情を話し出す。


 「姫華さんやい、ちょいと聞いてくれよ。実は昨日の夜さ……」






 お互い寝る準備が完了した蓮也と色奈。蓮也の部屋にて、胡座をかいている蓮也がいざ寝ようとすると、さも当然のように色奈も隣で寝転ぶ。


 「おいちょと待てや色奈。お前またこの部屋で寝るつもりか」


 蓮也がジト目で色奈に声をかける。色奈は寝転がりながら頷く。


 「もちろん! 今日だって怪獣倒したから結構疲れてるんだよねー」

 「そうか、俺だってとぉぉぉっても疲れてるから1人で眠らせてくれないか?」

 「えー? そんなツレないこと言わずにさぁ、一緒に寝よーよ?」


 色奈は枕を蓮也の脳天に叩きつけながら甘えた声を出す。蓮也は落ちてきた枕を奪い返すと、露骨に不機嫌な表情を浮かべる。


 「お前といて分かったのは強引なところがあること、あとはとんでもなく寝相が悪いこと。そこから出される結論として別部屋で寝るのは当然だろ」


 枕を足元に置き、あくびをする蓮也。一方の色奈は掛け布団をバサバサとマントのように扱い、上から蓮也の頭にかける。


 「いーじゃん! 今日も一緒に寝よ!」


 掛け布団を振り払った蓮也は、話が平行線のこの状況を変えるため、色奈にとある提案をする。


 「じゃあ色奈。俺と一緒に寝るか、変身するときに俺に抱きつくか、どっちかを選べ」

 「えー!? 何それ、そんなのおかしいじゃん!」

 「おかしくない。さっさと選べ」


 蓮也は部屋の明かりのリモコンを手に持つ。色奈は不服そうな様子だ。


 「変身する時は密着しないとダメなんだよ! 離れてちゃダメなの!」

 「じゃあ俺と寝るのは諦めろ。俺もリラックスして寝たい」


 色奈は悔しそうに頭を抱える。


 「ん〜も! 分かった! 分かったけど私は納得してないからね!寝るのは仕方なく諦めるだけだからね!」

 「あいよ、じゃあそれで」


 蓮也は色奈を追い出そうとするが、ずっと気になっていた疑問を口にする。


 「なぁ、お前1人で変身出来ないの? 初めてあった時は俺とはまだ一体化してない状態でもあの状態に慣れてたじゃん」


 色奈は部屋にある椅子に座り、背にもたれかかっている。


 「んーそれがね、蓮也と一体化してからは私1人じゃ前みたいに巨大化は出来なくなっちゃったんだ。まあその分、能力は底上げされてる気がするけどね」

 「そうか、なんでだろうな」

 「分かんないけど……多分巨大化するためにはもう蓮也なしじゃダメって判定になったんじゃないかな。巨大化を構成する一部になった的な?」

 「判定って、誰目線?」

 「分かんない」


 そんな話をする2人。すると色奈は不意に右手を手前に伸ばして、光の粒子を集めて自撮り棒もどきを召喚した。


 「ねぇ、これの名前どうする? ずっと自撮り棒って呼び続けるのはナンセンスじゃない?」


 色奈が自撮り棒をブンブンと振り回す光景を見ながら蓮也は考え込む素振りを見せる。


 「確かにな…だとするとやっぱりカッコいい名前がいいな。何がいいか…」

 「ハイハイ! 私いい案お思いつきました!」

 「あい、色奈さんどうぞ」

 

 色奈が元気よく手を挙げたので、蓮也はとりあえず聞いてみることにした。


 「えーとね、何個かあるんだけどまず1つ目! リーフラシャッター!」

 「却下で」

 「えー即ダイナミック却下!?」

 「その名前だと、本当の戦いが始まる前に全部終わっちゃうって…」

 

 色奈は不機嫌になったが続ける。


 「じゃあ2つ目! カメラさん!」

 「却下」

 「これも!? スティックとスマホが一つになってる形状だから、スマホさんっていう案もあるけど…」 

 「それも却下に決まってるだろ。お前ってエンジン掛かると怖いな」


 色奈はそれでも諦めるような姿勢は見せない。


 「じゃあ次! 3つ目は、サーフィンブレス!」

 「もちろんアウト」

 「ダメなの!?」

 「ダメ以外の答えがないだろ。ブレス要素無いし、イッツサーフィンタイムどころの話じゃねぇ」


 蓮也は色奈が繰り出す、色々怖すぎるネーミングセンスに頭を悩まされる。そんな彼を横目に、色奈は続ける。

 

 「じゃあ4つ目! 最後はねぇ、アクアレンザー!」

 「……アクアラピズの『アクアランサー』が元だな、それ」

 「うん! でもパクリじゃなくてリスペクト! ね、どうかな!?」

 

 色奈の自信満々な様子を見て、蓮也はため息をつきつつも、少し諦めた様子。


 確かにアクアラピズも劇中では、アクアランサーなるスティック型のアイテムを掲げて変身している。尤も、現実で戦う蓮也たちと違って「ブレイブ・チェンジ」みたいな掛け声はないが。


 「まあ他3つよりはいいし、正直言って俺もそれ以上の案が思い浮かばないから、それで行くかぁ…」


 蓮也の言葉に色奈は飛び跳ねる。 


 「やったー! じゃあこれから私達は、このアクアレンザーと一緒に戦おうね!」

 「おう。それよりとっとと自分の部屋に戻って寝とけ。お前もしっかり休んだ方がいい」

 

 自分の案が通ったことで上機嫌な色奈はあっさり頷き返す。


 「うん! じゃあ私、自分の部屋戻ってんねー! お休み蓮也!」

 「……お休み、色奈」

 

 色奈がスキップを刻みながら蓮也の部屋を出ていった。






 「……てな訳よ。結局俺はちゃんと寝れたからよかったけど、こいつはずっと不満タラタラでさ」

 

 蓮也が色奈の頭を小突きながら説明する。一方の姫華は少し安堵した様子。


 「そう……とりあえず、もう一緒に寝てる訳ではないのね?」

 

 姫華の言葉に蓮也は頷く。しかし彼女には新たな関心が。


 「そういえば、アクアシュートブラスター以外の技は使えないの? ほら、最初の戦いでバリアが使えないことは分かってるけど」


 姫華の言葉を聞いた蓮也も色奈の方へ顔を向ける。


 「言われてみたらそうだな……なぁ色奈、他に何か使える技はないのか?」


 蓮也の問いかけに色奈は、自分の顎に指を添えて答える。


 「うーん……分かんない!」

 

 その言葉に続くように、ずっこける音が響いた


 




 

 

 




 そんなたわいも無い笑顔が溢れる世界とはまた別の、暗黒のオーラが漂う亜空間の世界。蓮也達が住む世界と同様、木々や建物はあるものの、そこに"明るい"という概念は無く、木々は全て枯れ果て、建物は利用不可能な程の廃墟ばかりだった。ただただ重い空気がその世界を支配していた。

 

 そしてその世界に、悍ましい姿の城が一つだけ佇んでいた。漆黒の暗雲が空を覆い、雷鳴が轟く。そして上品さは感じさせない、ただの黒一色の巨大な城館。

 そんな城の中で薄暗い灯りが点々としている。そんな暗黒空間とは対照的な純白の装具を纏った者たちが、それぞれ城内をうろつている。


 そしてその城内の天守閣。この世の者とは思えない怪物らしき風貌の何者かが3体、大きな円形テーブルを囲むように椅子に腰掛けている。

 その内の赤き姿の1体が机を力任せに叩き、空気を震わせるような怒鳴り声を上げる。


 「実験体の4号5号、そしてモンスコネクターが地上界に流失しただと!? 一体管理の方はどうなっていたんだ!」


 そんな赤い人物に、その向かいに座っている、琥珀色の体を持つ一体が落ち着いた声をかける。


 「焦ってはいけませんよ、"デスクリムズ"。4号と5号を扱える存在、適応者は数少ないのです。モンスコネクターとの適応化が可能な存在が地上界にいるわけがいないでしょう。適応者になり得る存在など、いないと言っても過言ではないのです」


 黄色の存在に宥められるように声をかけられた赤き人物、デスクリムズは燃え盛る瞳で真正面の彼を睨む。


 「何を言っているんだ"ウィドアウバ"! 我々の中から、その適応者を探そうというタイミングで流失したんだぞ! 落ち着けと言われて落ち着いていられるものかぁ!」


 そんなデスクリムズの様子に、彼の左側に座する銀色の人物が呆れたような声を出す。


 「もううるさいなぁデスクリムズ! ウィドアウバが黙っとけって言ってんだから少しはお口チャックしときなよ!」

 「んだとアルギュベト! 今んとこお前が1番仕事してねぇだろうがぁ!」

 「えー? 僕のおかげで"アレ"、上手くいったんでしょー?」

 

 銀色の人物、アルギュベトの言葉にデスクリムズは言葉が続かない。琥珀色の人物、ウィドアウバが場を仕切り直す。


 「……とりあえず、我々の配下の1人に実験体達の捜索をさせましょう」


 そんな荒々しい対話の場を司る漆黒の城。この勢力の魔の手が新たに蓮也達に迫っていた…

 改めまして、本作をご覧頂き、ありがとうございます!

 次回は11月中……と言いたいのですが正直12月投稿がギリギリかなと思っています。

 ちなみに今回の劇中で出てきた変身アイテムの名称候補、お気づきの方もいるかもしれませんがどれも元ネタが存在します。気になった方は作中に出てた出てきた順に「1997年 特撮 火星 変身アイテム」、「2014年 特撮 タイヤ交換 変身アイテム」、「2012年 特撮 ニワトリ 変身アイテム」と検索していただければ該当しそうなものが見つかると思います。もしそれっぽいものがわかった方はぜひコメントで!

 また、皆さんのご感想なども心からお待ちしております! 皆さんからの評価やご感想のおかげで私は嬉しさのあまり、絶好調になりますので是非お願いします!

 これからも「アクアブレイブ(幼馴染を添えて)」の応援、よろしくお願いします!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ