表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人形

作者: 祁答院 刻

踊り場に

人形がおちていた


人々の行き来の狭間で

それは、うつくしかった


白粉(おしろい)のように

気管支に詰まるうつくしさだった


目はガラス玉のように、

子どもの好んだ、ザラメ糖のようにあり


だらりと降りた髪の毛が

油っぽく、希求の幻想世界をえがいていた


コツコツと

階段をあがる音がする


あれは耽美か、ロマンチシズムか


コツコツと

くだる音もする


それは不可解に、あきらかなガランを含んで


こうして

足したものをまた差し引かれて

初めの混沌にいたる人生ならば、


ここで、私は()めようと


人形の

その体を構成する、あらゆる無機物にあずかって、


私たちの

何回もの昇降でいたんだ足を

ここで癒そうと


人形の

ドレスの布地、一枚一枚からもただよう

あぶなさを


狂犬の如く

触れたら くるってしまう

夢と、血を


私はここで

吸入したいと

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ