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第二部:太陽の王子と魔獣の乱舞

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54/133

54:オーブライト領の一夜

ほんま誤字多くて申し訳ないぃいいいいい!!!

ご報告修正、すっごくありがたいです!!!!!





 ――日に日に進むハンガリア領の大躍進。増える魅力と領民たちの笑顔。


 しかし、




「くッ、運のいい小娘が……!」




 周辺領地の者たちからすれば堪ったものではなかった。


 隣領『オーブライト領』が主君、ブルリック・オーブライトもその一人だった。


 夜も更ける中、豪奢なる屋敷の食堂にて、ワインを呷りながら愚痴をこぼす。



「そもそもだ。ハンガリア領の統治権は、叔父たる吾輩にもあったのだ。それを運よくあの小娘が掠め取れただけ。現在の栄光は本来、吾輩のものであったのだぞ!?」



 あぁまったくッと吠え、ブルリックは目の前の少年を睨んだ。



「聞いているのかッ、ケーネリッヒ!?」


「……はい、父様」



 男の愚痴に頷いたのは、赤毛の少年・ケーネリッヒだ。彼こそはこの領地の跡継ぎであった。



「すべて父様の、おっしゃるとおりです」



 かのハンガリア領の姫君、レイテ・ハンガリアの親類たる彼。


 少女の前では強気に振る舞っていたが、屋敷内においては、その矮躯(わいく)と同じく身を小さくさせているのが常だった。



「ふんっ、愚かな息子よ。貴様は一度こう言ったなぁ? 〝レイテが領主となったのは、当時荒んでた地の管理を嫌い、父様が押し付けたからだろう〟と。またそんなことを考えているのか!?」


「いえ、滅相もございません……」



 ――何年も前のことをいつまでも(なじ)るな、と心中で吐き捨てる。


 だが口にはしない。容赦ない殴打をまた喰らうだけだからだ。



「まぁよい。あぁまったく、あの銀髪の小娘が。十歳で領地を引き継いだ時には、ピーピーと泣き喚いていたというのに」



 ブルリックはかつての少女を知っている。


 十歳の折、両親の事故死によって突然の次期領主となった際の醜態を。



「それが今や女王ヅラしているだと? 調子に乗っているわ!」



 グラスを床に叩きつけ、ブルリックは盛大に怒気を吐いた。


 ――その反面、ケーネリッヒは気まずげだった。『女王ヅラ』という父の言葉を前に、ぽつりと思う。



(気丈になるしか、なかったんじゃないだろうか……)



 かくして、愚痴を吐き続けるブルリックと、それを粛々と聞き続けるケーネリッヒ。



「あの土地の正当後継者は吾輩だッ! いつか必ず奪い返してやるぞ!」


「そうですね、父様……」



 一方的な親子のやりとりは、月が傾くまで続くのだった。



・ここまでありがとうございました!

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― 新着の感想 ―
[一言] ケーネリッヒくん…! お前も大変なんだな。そうか、父親がそういうやつなのか。 ケーネリッヒくん、なんだかんだ偉そうだったが胸の内ではレイテ様の優秀さも理解してるんだよな。少し打たれ弱いところ…
[一言] 領地奪った瞬間領民が全部スズメバチ化して 殺し切るまで殺すくらいのノリでスーパー反乱祭りになりそう
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