表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
◤書籍化&コミカライズ配信中!(検索!) ◢極悪令嬢の勘違い救国記 ~奴隷買ったら『氷の王子様』だった……~  作者: 馬路まんじ@サイン受付中~~~~
第一部:極悪令嬢と王子の出会い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/133

33:ケーネリッヒのハンガリア領探索碌①

途中でもご感想ぜひください~~~~~~~~~~~~~~~~~!!!!!!



「ち、ちくしょぉ、なんだアイツ~~~~~~~~~~~……!?」



 ぶっ飛ばされたケーネリッヒ。

 当然ボロカスにはなってたけど、意外と意識は保っていた。



「元気そうねぇアンタ」


「うぐっ、レイテ・ハンガリア……! おい貴様、あの男は何だ!? あんな強い男をどこで見つけた!? いくらで雇った!?」



 んーいくらだったっけ?



「元傷病奴隷だったから安かった気がするわ。それでなんか大人買いしたら交ざってたの」


「そんなオマケ付きの菓子みたいな手に入れ方を!?」



 まぁ事実そうだったからね。



「くそっ……相変わらず運のいい女め。だから貴様が気に食わないんだ」



 苛立たしげに吐き捨てながら、彼はよろよろと立ち上がった。



「ふらふらじゃないの。肩貸しましょうか?」


「よ、余計なお世話だっ! くそっ、せいぜい必死に領主の座を守り抜くがいい」



 よたよたと去っていくケーネリッヒ。

 いつの間にか集まっていた野次馬たちに「どけっ!」と吠え、



「……今やこの領は、父様たちに狙われてるんだからな」



 そう言い残し、雑踏の中に消えていくのだった。



「ふう、なによアイツ。散々喚いて暴れた後、脅しまでしていったわ」



 相変わらずガキねぇ~と肩をすくめる。

 ヴァイスくんもそう思うでしょ?



「ふむ。なぁアシュレイよ、彼はもしやレイテ嬢を」


「まぁそんなところだ。だから私も本気で排除しようとは思っていない」



 ってちょっと。わたしを置いて何二人でコソコソ話してるのよ?

 


「レイテ様も交ぜてよ」


「「いやこの話題は少し……」」



 ってなんなのよもー!?




◆ ◇ ◆






「くそぉ、レイテ・ハンガリアめ……!」



 空前絶後の賑わいを見せるハンガリアの街。

 誰もが様々な恰好で『大仮装祭』を楽しむ中、ケーネリッヒは一人不機嫌そうに歩いていた。



「ふん、本当に気に食わないな。あの女も、この領地も」



 とても辺境都市とは思えない。

 普通、国の外縁地は地獄のような環境である。

 日々未開拓の地から押し寄せてくる魔物に怯え、死の恐怖に震えているのが日常のはずだ。


 それなのにこれはなんだ?


 少し周囲を見渡せば、華やかな街並みと溢れんばかりの笑顔の数々。

 この地の噂を聞きつけて観光客までやってくる始末で、これでは王都顔負けである。


 しかも、



「おや坊や、傷だらけじゃないか! どれ、おじさんが治療してあげよう」


「な、なんだ貴様はっ、医者か!?」


「いや、うさぎの餌売ってる」


「医療とまったく関係ないじゃないか!?」



 そう怒鳴るケーネリッヒに、話しかけてきた男は「いいものがあるんだよ」と言って、



「はい絆創膏(ばんそうこう)だよ。ほっぺの傷にぺたりとね」


「っ、なんだこれは!?」


「ドクターさんの発明品でね。膏薬のついた紙片に粘着性をもたせた医療品で、誰でも気軽に持ち歩けて使えるんだ」


「な、なるほど……」



 仕組み自体は簡単な品である。

 だがそういう『思い付きそうで誰も思いつかなかった物』こそ発明品というのだ。

 ハンガリア領にはそうした優れ物が溢れていた。



「ボロボロの衣装は服屋に持っていくといい。ミシンが開発されてから本当に仕事が速くなったからね、すぐに直してくれるさ」


「み、みしん?」


「そう。足踏みを動力にした自動縫い機でね。でもレイテ様が名前が可愛くないと言って、『踏むときミシミシ音するからミシンでいんじゃない?』と名付けたんだ」


「えぇ……」



 そんな軽く常識を変えそうな発明品に驚き、そんなものに雑なネーミングをしたレイテに二度驚きである。



「てかセンスないなアイツ……」


「テメェレイテ様を馬鹿にするのかッッッ!?」


「わぁっ!?」



 なお三度目の驚きを食らった模様。

 レイテへの軽い悪口を言った瞬間、親切なうさぎの餌屋の態度が豹変した。



「いいかよく聞けクソガキィッ!?」


「クソガキッ!?」


「オレ様はかつて王都のマフィアの首領(ドン)だったんだ! だが内部抗争に負けて腕を落とされ、半死半生のままこの地に逃げてきたんだよぉッ! そんなときだ、レイテ様は『マフィアの首領? ふんっ、悪の女王であるわたしのほうが偉いのよ!』と当時はなかった胸を張ってオレ様を快く迎え入れてくれて、希少な幻獣(ユニコーン)の角で腕まで生やしてくれてだなぁ……!」


「わっ、わかったわかった!」



 これである。

 とにかくこの領の民衆、レイテへの信奉度が半端ないのだ。



「テメぶっ殺してりゃぃァりゃァアアアッッッ!」


「ひえっ!?」



 などと狂乱した餌屋に襲われかけた時だ。

 不意に老女が餌屋の肩をポンと叩き、



「まぁまぁ落ち着きなされ。実はこちらの子はレイテ様の親戚で、レイテ様に『思春期的なアレ』でねぇ」


「むっ、『思春期的なアレ』か……!」



 と謎会話をすると、妙に生暖かい目になってケーネリッヒの頭を撫でてきた。



「なにをするっ!?」


「フッ、少年。『思春期的なアレ』ならばまぁ大目に見てやろう。レイテ様は魅力的だからな……ッ!」


「って何の話をしてるんだー!?」



 訳が分からないがとにかく恥ずかしくて真っ赤になる。

 ケーネリッヒは「チクショーッ!」と叫びながら雑踏から離れていった。






【恐れ入りますが、途中でも下記をどうかお願い致します】


すこしでも

・面白かった

・続きが気になる


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


評価はこのページの下側にある【☆☆☆☆☆】をタップすればできます。


今後とも面白い物語を提供したいと思っていますので、ぜひブックマークして追いかけてくださいますと幸いです。


あなたのそのポイントが、すごく、すごく励みになるんです(ノシ ;ω;)ノシ バンバン


何卒、お願いします……!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
まあ、一部魅力が成長してきちゃった美少女親戚幼馴染(有能ぽんこつ)がいたら、思春期しちゃうかぁ  ⁄(⁄⁄•⁄-⁄•⁄⁄)⁄⊂(・ω・*⊂)?
とても楽しく拝読させていただいております  レイテ様が可愛すぎます これからも楽しませていただきます
[一言] 思春期的アレなら仕方ないwww
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ