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第四部:学園の聖女扁

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152 再来の生徒会長!!!


「――やはりいいな。学園の空気は、聖国よりも澄んでいる」


「会長、なんでここに……」


「――なんでここに、か。決まっているだろう。このセラフィムが、おまえたちを導く生徒会長ゆえに」


「とりあえずそのいちいち溜める喋り方やめて。うざい」


「あっ、はい……」



 突如として帰還した金髪の美丈夫・セラフィム会長。

 彼の参上にわたしやジャックくんはもちろん、古い馴染みのカザネ先輩が一番驚いた表情を見せた。



「か、会長殿……!」


「ただいま帰ったぞ、カザネ副会長」


「よくぞ……よくぞ帰ってきてくれて……!」



 瞳を震わせ、カザネ先輩はゆっくりと会長に近寄る。

 そして、そっと彼の両肩に手を置き――、



「貴様ァアアアアッ! よくも急に消えてくれたなぁああああ!?」


「ふおおおおおおおおおおおおおお!?」


「王になるなら休学の準備くらいしていけぇッ! しかも頭のいいコルベールまで連れて行きおって! おかげで拙者、ワンオペ書類地獄で死ぬところだったでござるぞ!?」



 ガックンガックンと先輩はセラフィム会長を揺らし始めたのだった。

 うわーすごいや。あっという間に会長の顔が真っ白になっていくわ。

 揺らされ過ぎて脳の血が拡散されてってるのねー。



「カザネ先輩、それ以上やると会長死んじゃうわよ?」


「うるさいうるさい! もう殺す! 愚かな会長を始末するのが副会長の務めッッッ!」


「そんな勤めゼッタイにないから……」



 仕方ないので、ジャックくん(暗殺体術の才:SSSSSSランク)に頼んで引きはがしてもらうのだった。

 ほらカザパイ、フーフーしてないでステイステイ。



「げほっ……助かったぞ、レイテ殿。エルザ兄さんと結婚する前に終わるところだった」


「終わってんのはあんたの倫理観でしょ。それよりも」



 こいつ、急に現れるや気になること言ってたじゃないの。



「あんた、カザパイと戦ってあげるんですって? つまり……」


「ああ。レイテ殿には悪いが、俺はハロルドに付こうと思う」



 ニヤリと笑う生徒会長。

 へええ~~~。要するにこの人、宣戦布告に来たわけか。面白いじゃないの。



「会長殿……いいんでござるか? おぬし、レイテ・ハンガリアに恩義があるはず」


「まぁな。彼女のおかげで狂乱していた兄は止まり、ヴァイス殿とも縁を繋げてくれた。王妃に迎えてもあまりある恩がある」



 って誰があんたのお嫁さんになるかぁ! もうエリィやるわよ!



「今日学園に帰ってきたのも、レイテ殿に一度は直接感謝を述べねば、気が済まんと思ったからだ。だが」



 熱いまなざしで会長はカザネ先輩のことを見た。

 その瞳はもう、底知れない人物の仮面をかぶっていた時のものじゃない。



「……青春の仲間が憤っているとあっては、受けて立つのが男だろう! 学生として最後に、俺にも喧嘩をさせてくれ!」


「会長どのぉ……!」



 あらあら。カザパイってば、セラフィム会長と戦うことになっちゃったのに感動してやんの。

 よかったわね~~っと。



「ちなみに会長、聖国はまだ革命したばっかでごたごたまみれでしょ? こっちにきて大丈夫なの?」


「ああ、危険分子はヴァイス殿があらかた片付けてくれたからな。エルザ兄さんという暴力装置を置いてきたし、それに取引周りはコルベールの家がなんとかしてくれている」



 コルベールも大文化祭には呼びたいが、忙しいと怒られてしまうかな? と。

 若すぎる聖王様は苦笑しながら言うのだった。

 どうやらちゃんと怒ってくれる部下みたいね。得難い存在だわ。



「まぁ、不穏な情報もつどつどあるがな。たとえば――」



 そこで、温かった会長の眼差しが温度を下げる。



「当時のエルザ兄さんを除く王位継承権第二位――エノク第二王子の死体が見つからない件なんて、な……」



 ……なるほど。それは少し、厄介ね。

 会長の冷たい顔付きを見るに、そのエノクって人もエリィを嵌めた人物の一人なのだろう。

 人格的に優れてないっぽいけど、『血筋』を考えればそんなことは関係ない。

 まさにかつてのヴァイスくんのように、会長の玉座獲得が気に食わない勢力が、そいつを持ち上げて再革命を起こす可能性もある。 



「それから、どうやら現王家の始祖となる家が、なにやら『魔人』と懇意だったなんて話が出てきたりな」


「魔人ですって……?」


「今やおとぎ話の存在だ。『女神アリスフィア』の対となる『闇の神アラム』が造りし人類で、魔獣を操る力を持つとか」



 まぁもはや絶滅したとされる存在。目下の悩みは生きているらしきエノクのほうだと、会長は少々疲れ気味に話を締めるのだった。



「ともかくバトルだ、カザネ。すべて忘れて文化祭で楽しくぶつかろう!」


「セラフィム会長殿……!」


「互いに色々ある身だ。だがこの学園だけでは、生徒会を支えてきた親友として……な?」



 熱いまなざしを交わし合う二人。

 流石は生徒会長と副会長、仲がよくて結構じゃないの。家が駄目でも居場所があるっていいことだわ。



「ちなみに会長、文化祭の出し物勝負だけど、なんかもう考えてるの? ちょろっと聞かせなさいよ~~」



 会長のセンスって気になるのよねー。



「むむ? ふっ、レイテ殿とも戦う仲になるわけだが……まぁいいだろう。後輩に胸を貸すのも先輩の務めだ」



 そう言って彼は、自信満々に――!



「ネコカフェを開こうと思っている! これはウケるぞォ!」


 ………………。



「それ、わたしたちのボツ案だわ」


「なにぃいいい~~~~!?」


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― 新着の感想 ―
いろいろと伏線が( ˘ω˘ )
> 暗殺体術の才:SSSSSSランク ここまで来ると才能というよりは呪いに近いなあ
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