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第四部:学園の聖女扁

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149 宝探しのエピローグ!



 ――なぜか海賊の遺産を探すことになっちゃった臨海学校も、いよいよ終了の夜。

 お宝はなかったってことでハロルド先輩との勝負は引き分け。不労所得でおひょおひょする悪女になれなかったのは残念だけど、お宝寄付されて聖女にさせられなくてよかったぁ――と安心していたら、



「――よくぞ! よくぞやってくれましたなっ、レイテ・ハンガリア殿!」


「……ひゃひー……!」



 夜。わたしはビーチのコテージではなく、南国然とした開放的な宮殿にいた。

 そして目の前には、白いひげのちっちゃい老人――『海運王』エドワード・ブリランテ様の姿が……!

 そう。



「ではこれよりっ、大海賊エイハブを捕えてくれたレイテ殿御一行を讃え、祝宴を始める!!!」


『オォオオオオオオーーーーーーーーッ!』



 酒杯を掲げ、『聖女様万歳ーーー!』と叫ぶ海運国の人々。

 かつて海賊団に苦戦したらしき海洋国家の軍人さんや重鎮さんたちが、『エイハブざまぁみろーーーーーーー!』とすごいテンションでお酒を飲み始めた。



『レイテ様万歳ーーー! マジ聖女ぉ~~~~~!』


「うわあああああやめろーーーーー!」



 わたしは憎いあんちくしょうを懸賞金目当てに捕まえたことで、うっかり善行を為してしまったのだ!!!

 おぎゃあああああああああああ~~~~~~~~~~!?!?!?!?



「あっははははは! 流石はレイテ様!」



 苦しむわたしの脇に、クソムカつくハロルド先輩が酒飲みながらやってくる!



「そりゃ大悪人縛り上げたらこうもなりますよ! どう転んでも聖女になっちゃうお人ですねぇ!?」


「笑うなハロルド先輩!」



 おらっ脛にくらえっ極悪令嬢キック! っていたーい!?



「脛だけダチョウに変身しました」


「きもいからやめろ!」



 く、く、くっそ~~~。

 結局、この人生舐めプ万能ニヤつき野郎先輩の思い通りじゃないのっ。

 うえ~~~んっ!



「ふんっ、よかったわねぇ理想の通りで。わたしの悪女評価返せ!」


「元からなかったような?」


「うるさいうるさいちくしょうちくしょうっ!」



 ヤケクソ気味に、王の間にところ狭しと並べられた海運国料理にパクつく。

 んっ、この香辛料まみれの鳥肉うまーい!

 流石は色んな一級食材が集まる海運国。一見ケバいけど、うめ、うめっ……!



「ふふふ。たしかに私の理想の通りになりました。が、しかし」



 パイセンは、何が面白いのか微笑みながらグラスを揺らした。

 お肉、食べないなら食べちゃうわよ~?



「ここまでの道中は、まったく想像通りではなかった」



 したり顔で先輩は語る。

 船長の言っていた『思い出が宝』という言葉、なかなかどうして的を得ている――と。



「万能でなんでもできる私なら、あなたの聖女化勝負も想像通りに勝てると思ってましたがね。しかし、あなたは想像を超えるカタチで聖女になっていく」


「ってなりたくてなってるワケじゃないわよ!」



 馬鹿にしてんのーー!?



「っていえいえまさか。ふふっ、本当に誰が想像できましょうか……。勝負の最中にあなたが育てたヴァイス様が聖国を墜として次期女王の座を献上してきたり、危険な異能具を見つけるんじゃなく海賊団船長見つけて問題解決とか」



 アホみたいなくらい愉快でしたよ、となにやら先輩は満足そうだ。

 ったく、なーーーにが面白いんだか。



「別に、あんたが自分で思ってるより万能じゃないってだけでしょ」


「! わたしが、思っているより万能ではない……?」


「あんたどっか抜けてるし、てか一緒に船長に騙された仲でしょうが」



 ふんっ、今日の勝負はわたしの負けよ。けどね!



「あんたみたいな『普通のやつ』、いつか極悪令嬢様がぶっ飛ばしてやるんだからねー! ふーんだっ!」



 悪役らしく捨て台詞を吐き、華麗にダッシュよ!

 なんかあっちにあるすんごいヤケクソみたいな南国フルーツ盛りがわたしを待ってるんだから!

 って、端っこに像あって邪魔なんだけどなにこれそこの偉い人。

 え? 『初代異能者・百人の勇者が一人、千変万化のナイアーラ』?

 龍にさえ変身できる最強格の勇者で、この国をはじめ、色んな国の領土開拓に携わった人?

 しらね。それよりフルーツよ!



「ほらほらっ、先輩もきなさい! 次はフルーツ大食い勝負で負かしてやるわ~~~!」



 うひょおおおおお! こうなったら溺れるくらい食べて飲んでやるんだからーーー! 甘味の海に、いざダイブッ!

 

 

 

 

 

 

 

「…………やれやれ。とっくにあなたには負けてますよ、新たな時代の聖女様」


 ――私のお宝は、こんなところにありましたか。


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