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◤書籍化&コミカライズ配信中!(検索!) ◢極悪令嬢の勘違い救国記 ~奴隷買ったら『氷の王子様』だった……~  作者: 馬路まんじ@サイン受付中~~~~
第一部:極悪令嬢と王子の出会い

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15/133

15:執事がなんか言い出したわよ!!!?

1話とかでなんかほざいてた執事です!





「レイテ嬢、今日の朝食は若鳥のソテーだ」


「……朝からちょっと重くない?」


「俺がシェフに頼んだ。『レイテ嬢にすくすくと育ってほしいから』と言ったらやる気になって作ってくれたぞ」


「なんか子ども扱いみたいで嫌なんだけど!?」



 ――ヴァイスくんたちを拾ってから数日が過ぎた。


 今のところ、わたしの日常は平和そのものだ。

 王国からのちょっかいなんかも特にないしねー。このまま穏やかに住民虐げ悪逆ライフを送りたいものね~。



「そうそう、昨日の流民の孤児虐待は楽しかったわね~。嫌がる小娘を拉致して脱がせて熱湯責めにして、薬品漬けにしてやってさ~!」


「ああ、シャワーしてやって全身を洗ってやったのだったな」


「最後はわたしに屈服させてやったわ!」


「メイドとして雇ってやったのだったな。嬉し泣きしていたぞ」



 って、相変わらず見る目がないヴァイスくんねー。

 あれは間違いなく悔し泣きよ。わたしだったらいきなりひん剥かれて全身を蹂躙されて使用人にされたら腹立っちゃうもん。



「やれやれまったくヴァイスくんは……あ、若鳥おいひー」


「それはよかった」



 朝からお肉もなかなかいいわね。

 そう思いながら、わたしが上機嫌にはぐはぐしていた――その時。



「お食事中、失礼いたします」



 突如として執事が入ってきた。ってなによ。



「わたし、ご飯中なんだけど」


「それについては大変申しわけありません。後ほど首を差し出します」



 っていらね~~!?



「アンタの首なんて貰っても邪魔なだけよ……。で、どうしたわけアシュレイ?」


「は」



 掛けた眼鏡をキラッと輝かせる執事。


 こいつの名前はアシュレイ。わたし専属の執事で、使用人たちの管理などなど色々やってくれてる便利なヤツだ。



「いつも言ってるけど、わたしに踏んで欲しいとかはナシよ?」


「そんな……あぁいえ、その件は置いておくとして」


「邪魔だから置くな」



 そんなわたしの言葉を無視して、アシュレイは視線を鋭くすると、側に控えていたヴァイスくんを睨みつけた。

 って、なになになに?



「アシュレイ……?」


「我慢の限界というヤツです。レイテお嬢様、私はどうしてもその男が許せないのですよ」



 えっ、いきなり何言い出してるのコイツ!?

 まさか、ヴァイスくんと何か因縁あるとか!? ヴァイスくんってぬぼっとしてるけど顔はよくて優しいから、アシュレイの彼女さんとかが(なび)いちゃったとか!?

 昨日読んだ恋愛小説にそんな話があったわ! 乙女として興味深々!



「彼女さんを取られちゃったのアシュレイ!?」


「? いえ、私はそもそも彼女いない歴=年齢の童貞ですが」


「ぶぇ!? ……そ、そりゃよかったけどよくないわね」



 なに貞操の有無までカミングアウトしてるのよ……。

 こいつ、たしかもう二十代も半ばだったし縁談組んであげようかしら……?



「じゃあ何なのよ一体。ねぇヴァイスくん、なにかアシュレイに変なことしたわけ?」


「いや、彼とは会話自体したことないな。……使用人として挨拶くらいはしたいのだが、なぜかいつも無視されるのだ」



 ってなによそれ。ますます訳が分からないわ。

 あと、



「……ねぇアシュレイ。わたし、使用人同士での無視とかイジメって大っ嫌いなんだけど。使用人を虐げていいのはわたしだけであって、いつアンタに人を傷付けていい権限を与えたかしら?」

 

「もッ、申し訳ありません! ですが……それでも許せないのですよッ!」



 振り絞るように叫ぶアシュレイ。

 いつも冷静沈着でたまに変態な彼がここまで取り乱すのは見たことがない。これはよほどの理由がありそうだ。



「ヴァイスゥゥゥ……!」



 アシュレイは憎悪に歪んだ表情でヴァイスくんを指差し、そして――、



「ヴァイス・ストレインッ! レイテお嬢様に愛されている貴様を、私は許さないッ!」


「「は――はぁ!?」」



 ……まさかの発言に、わたしとヴァイスくんは揃って声を出してしまった。

 っていやいやいやいやいや。わたしがヴァイスくんを愛してるってどゆこと!?



「アンタ何言ってるわけ? わたしが彼を愛してるって……!」


「だってレイテお嬢様、ずっとヴァイスを側に侍らせているじゃないですか! いくらそいつが王国から狙われる王子で目を離せないからといって、限度があるでしょ! お風呂と寝る時以外ベッタリじゃないですか!」


「それは……」



 否定は出来ない。たしかにここ数日、わたしはヴァイスくんを側に置き続けているからね。



「……まぁ仕方ないじゃないの。ヴァイスくんが頼れる護衛役ってのもあるけど、彼は物静かでベタベタしてこないし……媚びへつらった感じもないから落ち着くっていうか……」


「ぎゃあああああああああ!? レイテお嬢様を寝取られた~~~~~~~~~!?」


「ってアンタと寝たことないでしょうがッ!?」



 今日は普段に輪をかけて気持ち悪いんだけどコイツ!? マジでなんなの!?



「うぅぅぅ……脳が壊れる感覚がするぅ……!」


「実際壊れてんじゃないのアンタ……。それで、どうしたいってのよ?」


「決まっています!」



 アシュレイは襟元を緩めると、ヴァイスくんに対して拳を向けた。



「ヴァイスッ、私と決闘しろ! 私が勝ったら、お嬢様の護衛役の座を譲ってもらうぞ!」

 


 え、えーーーー!? あのヴァイスくんと、決闘!?



「あ、アンタ何言ってるのよ!?」


「別に構わないでしょう? 護衛役は強い者がなるほうがいい。ゆえにこれで私が勝ったら、お嬢様はより強い護衛役を側に置けるわけだ」


「そーいうことじゃなくて、ヴァイスくんに挑むのは無理だって言いたいのよ!」



 先日の死体暴走事件にて、わたしは彼の実力を知ってしまった。

 なんとか流異能剣術で大爆発を起こして大鬼(ジャンボオーガ)を爆滅させたヴァイスくん。あれはもう完全に人間じゃない。

 間違いなく死ぬわよアシュレイ?



「ヴぁ、ヴァイスくん! ちなみに聞くけど、アナタって“ほどよく”手加減できるタイプ?」


「すまないレイテ嬢、俺は“ほどよく”という曖昧な感覚がわからないタイプだ」


「でしょうね!」



 うんなんとなくわかってた。なんというかヴァイスくんって生き様が不器用な感じだもんね。



「というわけで止めときなさいアシュレイ。爆発王子のトンチキ奥義で童貞のままアンタ死ぬわよ?」


「アナタのために死ぬなら本望。その時は種を残せなかった代わりに、領地の大地に溶け込んで花畑を咲かせますよ」


「お願いやめてしなないで」



 心からコイツの生還を願ってしまった。

 いや本当に冗談抜きでお願いだから、わたしの領地を汚さないでほしい……!



新章突入、【ヴァイスくんお仕事記】です!



・面白かった

・続きが気になる

・この執事クビにしたほうがいいのでは?


と思っていただけましたら、ブックマークや評価をぜひお願いします。


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今後とも面白い物語を提供したいと思っていますので、ぜひブックマークして追いかけてくださいますと幸いです。


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― 新着の感想 ―
たぶんこの執事もレイテ様っぽい有能(だけど感性がズレ過ぎ)な方なんだろうなぁ 。°(°*´ᯅ`°)°。(◉o◉|||)     m  労務管理見直そうかしら。疲れて壊れちゃった? 踏んで!くださいま…
[良い点] “ 「ヴァイス・ストレインッ! レイテお嬢様に愛されている貴様を、私は許さないッ!」” 満点の、主人公に気持ちを自覚させる当て馬ムーブw “ 「お願いやめてしなないで」” あんた…
[良い点] >いや本当に冗談抜きでお願いだから、わたしの領地を汚さないでほしい……! 最後のこの一文で大爆笑しちゃいました!
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