134:新たな幕開けと、突然の結末!
3月6日、極悪令嬢4巻&マンガ2巻発売ですーーー!!!ぜひぜひご購入を!(´;ω;`)
小説版は制服レイテちゃんが目印です!!!!!今回もイラスト素敵すぎぃ!!!!
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――『聖アリスフィア学園』。
各国の貴族や氏族長の子らが集められた、神聖なる学び舎。
そこに、わたしこと辺境伯レイテ・ハンガリア(※超絶悪役ナイスバディ美少女!)は入学することになった。
目的は、一度は国家転覆すら成した災厄の傭兵結社『地獄狼』の残党探しだ。
新たなる『国王』ヴァイス・ストレイン――もといわたしの奴隷でお友達な『氷の王子』ヴァイスくん曰く、
〝『地獄狼』残党は学園に紛れている。生徒だった場合、いずれどこかの国の中心人物になる気かもしれない〟
とのこと。
リアル版人狼ゲームってわけね。
で、そいつを探して早一か月。
連れてきた『変態執事』アシュレイが不審者として追い回されたり、『殺人鬼の子』ジャックくんを悪の弟子にしたり、なんやかんや色々あって…………わたしは一つの結論に至ったのだった。
◆ ◇ ◆
というわけで結論発表。
「なんかもう、ジャックくんが『地獄狼』残党でよくない?」
「ってなんでですかレイテ様っっっ!?」
朝の貴族寮に響くジャックくんの叫び。この陰キャガキは今日も元気ね~。
「だって考えても見なさいよ。いよいよ入学から一か月経つけど、残党まだ見つからないのよ? このまえの『狂言殺人事件』――その犯人のセルケト先輩も違ったみたいだしね」
「うっ……」
沈んだ顔をするジャックくん。彼、法務科のセルケト先輩に憧れてたもんね。
「この学園を総べる『アリスフィア統合生徒会』。その一人である褐色のヤンキー会計・セルケトは、〝死体を生み出す能力〟を持っていた。その力で自分を殺されたことにして……おかげで学園は大混乱だったわね」
貴族のみ使える力〝異能〟。
それを利用し、セルケト先輩はストレイン王国の子を殺人犯に仕立て上げることで、諸国から王国を袋叩きにさせようとしてきた。
結果、色々あって万事解決。セルケト先輩は親の命令で事件を起こしただけとわかり、『地獄狼』とは絡みゼロと判明しちゃったのよねぇ~~~。
「嫌な事件でしたね……。セルケト先輩も、実は被害者だったみたいな感じで。で、それでなんで僕を残党として突き出そうって話に?」
あら、わからない? 事件の時は『殺人鬼の子』の才で鋭かったのに。
「このレイテ様は、極悪令嬢なの。悪と呼ばれることにステータスを感じるの」
「は、はぁ。知っていますが。だけどやることなすこと善行ばかりになって好かれまくって喚いてる、奇特な人物だと」
うるさい! 奇特言うな!
「ふん。……そんなわたしだけど、無能と呼ばれることはイヤなのよっ。だから」
「だから?」
「いつまでも残党を見つけられない無能扱いされる前に、ジャックくんには生け贄になってもらおうかと」
「ってふざけないでくださいよーー!!!」
わー怒った。別にふざけてないんですけど。
「落ち着きなさいよジャックくん。ちょっとしたことで取り乱さないの。このレイテ様のように心も身体も豊かに構えなさい」
「ちょっとじゃないでしょうが!? 『地獄狼』残党扱いになったら死罪ですよ! あと身長140センチもない癖になにが身体も豊かだっ! このロリ!」
「なんだとこのガキ!?」
むきゃーッ許さん! 十六歳のわたしより、実は一つ下のくせに!
「あんぽんたんジャックくんめ、やっぱ一度わからせてやったほうがいいわね……! 悪の怪人エリィ、やっておしまいっ」
「ええ、マジすかお嬢?」
わたしの命令に嫌そうな顔したのは(生意気!)、おぼつかない手付きで紅茶を入れていた紫髪メイド・エリィだ。
実はこいつも『地獄狼』残党で賞金首だったりするけど、まぁバレなきゃいいのよ。あとゾンビで♂。
「嫌ですよぉ。ジャックの坊ちゃん、こう見えて強いし。自分やられて犯されちゃいますよ」
「って犯しませんよ僕ッ!?」
「あと坊ちゃん、マジに落ち着いてください。レイテのお嬢が安い見栄だけでヒトを売るわけないでしょ?」
安い見栄いうなっっっ!
「なにか残党探しを解決に導くための考えがあるんですよ。この方、どう転んでも性質が善人ですから」
「た、たしかに」
って善人じゃないっつの悪人だっつのアホメイド! ジャックくんも納得すんなー!
「……ふん。癪だけど正解よ。まぁ一応は考えあってのことよ。闇雲に人狼探ししても出てこないのは、この一か月でわかったでしょう?」
「え、ええ。執事のアシュレイさん(※まだ不審者扱い継続中)が配管とかウネウネ這い廻って情報収集してますけど、成果は一向に出てませんからね」
「そう。そこでジャックくんには、『偽の残党』になってもらおうってワケ」
「に、偽の残党!?」
うんうん。そうなると、
「生徒たちは〝ストレイン王国民が『地獄狼』残党だったのかー!〟って叩くでしょう? ジャックくんめっちゃ怖くて嫌われてるし」
「怖くて嫌われてる言わないでくださいよっ! 僕はあなたとは逆で、善人扱いされたいのにー!」
「ははっ、ナイスジョーク」
「ジョークじゃなぁい! てかレイテ様のその作戦、まるっきりセルケト先輩がやろうとしてたことじゃないですか!?」
そう。それをパクって利用しようってこと。
「もしまた王国叩きの流れができたら、隠れてる残党は、どうすると思う?」
「えっ……それは、セルケト先輩のように――はっ!?」
ふっふっふ。理解したみたいねぇ。
「ここぞとばかりに、声を張り上げるんじゃないかしら? 『地獄狼』を滅ぼしたわたしやヴァイスくんの国に、復讐するために!」
「! な、なるほどっ。それで、声の大きい人物に目星をつけて探ればいいと! そういうことでしたか……流石はレイテ様、頭がいい」
ふふーん、でしょー。
「悪人ぶってるくせに、授業めっちゃ真面目に受けてるだけありますね!」
「馬鹿にしてんのかッ!?」
いよいよ許せないぞこの陰キャガキ!
セルケト先輩の件で大暴れしてから、ちょっとふてぶてしくなりやがって!
「エリィッ、こいつ縛るわよ! そんで偽じゃなくてガチ残党としてヴァイスくんに提出してやる!」
「えー、やめたほうがいいですよお嬢。あの国王サマ、お嬢にホの字だからマジで信じて処刑しちゃいますよ?」
「わたしにホの字ってなによ!? 恐怖!?」
「ははっ、ナイスジョーク」
ってジョーク言ってないしムカつくーっ!
「アホ弟子にアホメイドめっ、こうなったら二人まとめてわからせてやる……!」
そんな感じで、わたしが〝魔眼〟を解放せんとした、その時。
「――『地獄狼』残党探しの件なら、ご安心を」
『!?』
第三者の声。突如として部屋に響いたソレに、わたしたち三人は一斉に驚き、声のしたほうを見た。
執事のアシュレイじゃ、ない。あいつは今もどっかの配管でウネウネしてるから。
そうじゃなくて……、
「あなた……庶務の、ハロルド先輩……?」
いつの間にやら入口のドアの横に、優しげな風貌の青年が立っていた。
彼の名はハロルド・シンプソン。例の『統合生徒会』のメンバーで、キャラの濃い面子の中、一人だけ地味っぽい先輩だった。
役職も庶務兼書記で、みんなを支える縁の下的存在で……。
「お嬢、下がってください」
「レイテ様、ここは僕が……!」
わたしの前に立つエリィとジャックくん。
彼ら二人――『地獄狼』の大幹部と、大幹部の子――の表情は、一転して真剣なものとなっていた。
ともに鋭い眼差しでハロルドを射抜く。
「おやおや、穏やかではないですね。レイテ様、私なにかしましたかね?」
「……こうなるのも当たり前でしょ。こいつらが気付かないほどの無音で、レディの部屋に入ってくれちゃって」
「それは失敬」
いけしゃあしゃあと礼を執るハロルド。
いつもの穏やかな調子だが、この状況でいつも通りなのは、逆に異常だ。
「おかしい……だってあなたは……」
「〝潜入技術のような才覚は持っていないはず〟と、そう言いたいのですか?」
「!?」
――わたしの眼に宿った異能、『女王の照魔鏡』。
その第二能力、〝人の才覚を読み取る力〟を、知っている……!?
一部の仲間くらいにしか伝えてないのに!
「……単刀直入に聞くわ」
一触即発のこの状況。いつ戦闘になってもおかしくない中、わたしは問う。
「ハロルド先輩、あなた何者?」
そう聞いた瞬間、ハロルドはくすりと笑みを浮かべ……、
「『聖女』レイテ様。私こそが、あなたが探していた人狼――」
――『地獄狼』の残党ですよ、と。彼はこともなげに言うのだった。
※4巻はレイテちゃん&エリィのお風呂シーンイラストあります!
ええんか・・・




