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66話 ホデビルール その後

周りにいる冒険者の噂が耳に入る。


「おい、聞いたか?あの噂」


「ああ、魔人族が攻めて来るって話だろ」


「ああ、この大陸は大丈夫かね?爵位持ちが来た日には勝てる訳がないからな。」


「そうだな。ギルドに依頼入っても爵位持ちが居たら全滅するしな。伝説級の冒険者がいりゃあ別なんだがな。」


「でもギルドは基本、族同士の争いには手を出さないだろ?」


「基本はな。だが侵略戦争の場合は違うんだよ。ギルドが手を出さないのは戦争を宣言してお互いが決めたルールの中でやる場合だ。勝手に戦争始めて略奪等はギルドも黙っちゃいないからな。」


「そうか、魔人族が宣言してきた事なんてないからな。俺の知る限りな。」


「ギルドからの緊急依頼が出るかもしれんな。金は良いだろうが、命と天秤にかけると逃げた方が無難かもな。」


「伝説級冒険者モラルさんのチームがいてくれたらな。なんでも今は辺境の島のダンジョンに潜ってるんだろ?誰も居ないからモンスターパレードが発生するかもしれんって理由らしいぞ。モラルさんらしいがな。」


「なら逃げた方が良いかもな。モラルさんが居ないなら勝てんだろ。」


「でもな、最近頭角を現し始めたチームがあるんだよ。なんでも物凄く強いらしいぞ。」


「ああ、今期待のチームだろ。確かストーム(仮)と試練を受けし者達だったよな。」


「なんでも、その2チームは今この大陸にいるらしいんだよ。」


「おいおい、そうなったら魔人も倒せるんじゃねーのか?良し、俺は緊急依頼出たら受けるぜ!!儲け話には乗らない手はないからな。おし、それなら前祝いで乾杯だー!!」



ふむふむ、なるほど。

魔人族が攻めてくるかもか。

魔人の力を知る良い機会かもしれん。

俺はスナイダーしか知らないし、スナイダーは自分が魔人の中では弱い部類だと、最初に会った時に言ってたしな。

どれほどなのか興味がある。


興味があるというと、さっき出てきた伝説級冒険者のモラルさんだろう。あとは試練を受けし者達だな。もう明らかに異世界の奴らだろ。言っちゃってるし!


『なあ、ルビィ、ユーキ。冒険者のモラルさんって知ってるか?』


「モラルさんを知らん奴なんて冒険者にはいないだろ!?まさかアラシ知らないのか?僕の憧れであり、目指す人だよ!僕が産まれる前より伝説の冒険者と呼ばれてるんだ。獣人族らしいとしか分かっていない謎の冒険者さ。僕も1度しかあった事がない。」


おい、ユーキが生まれる前って50年以上前だろ?でもこの世界は長寿の族も多そうだしな。スナイダーも100歳超えてるし。有り得るか。


「私はあった事ないんだよねー。凄く強いらしいと聞いた事はあるんだけど。絵本にもなってる伝説の人だからねー。いつか逢いたいなー。」


なるほどな。実在する人のようだ。


あとは試練を受けし者達の事だな。後でドッワフに聞いてみるか。


俺達が飯を食い終わるとドッワフに呼ばれた。


「待たせたかのう。まずはホデビルールの攻略報酬が1,000万ダリーじゃな。復活の秘薬はオークションに出せば、信じられん金額になるのう。ギルドでは買い取れがのう。あとは全員ランクが1つ上がるからギルドカードも確認しておくのじゃ。」


俺達は金と魔石と薬とギルドカードを受け取った。

これで俺とルビィはSSSランク

リンとユーキはSSランクだな。


『ドッワフ、最近試練を受けし者達というチームが頭角を現してるらしいが、強いのか?』


「ほう、気になるか?ちょっと待っとれ。ふむふむ、アラシの後にギルド登録しておるのう。6人のチームでチームランクはSじゃな。多分もうすぐSSになると思われるのう。」


そうか。なかなか頑張ってるな。俺もウカウカしてられんな。


『ならモラルさんについてはどのランクなんだ?』


「モラルについては情報は開示出来んのじゃ。SSランク以上の冒険者は基本情報に規制がかかるからのう。お前達も今は規制がかかっとるぞ。」


そうなのか。なら仕方ないか。


『そういえば、ドッワフ。魔人族が攻めてくるかもしれんと聞いたが?』


「どこから聞いたのじゃ?まったく。今はまだ確定ではないが、大規模な侵攻ではなさそうじゃ。伯爵以上が動いとる形跡は無いんじゃが、男爵クラスが来るかもしれんのう。多分食料の調達じゃろ。」


ふーん。そうか。まぁ、戦争が起こる訳じゃないから良しとするか。


『そうか、俺達はしばらく王都にいる予定だ。何かあったら声を掛けてくれ』


俺達はギルドを出て宿を探しに行くと王兵が現れ、王子より王の別邸に泊まってくれと言われているらしい。デカい風呂にも入りたいし、行く事に決定。


「おう、相棒!!どうだった?流石にホデビルールの攻略はむりだったろう?何階層まで行けたんだ??」


ラリオンが入ると同時に声を掛けてきた。

俺達が攻略した事を伝えると


「それもそうか。5階層の奥で化物みたいな奴に勝っちまう相棒だ。攻略したって言っても頷けるな!おめでとう!相棒。とりあえず少し話しないか?色々教えてくれ。」


俺達はホデビルールの事を話、ラリオンは魔人族の動きについて話してきた。


一通り話を終えた俺達は風呂に入ってそのまま寝る。


(試練に挑みし者よ。現在の状況を報告する。1つ試練を達成した者は21名。2つ以上試練を達成した者はいない。現在の残存数は528名だ。頑張って達成して欲しい。以上だ。)


久しぶりにミカの声を聞いたな。達成者が出始めたようだな。多分この世界にも慣れてきて効率良くレベルやスキルを上げれているのだろう。チートを持っている者もいるだろうしな。


俺はやるべき事を考える。


・貿易同盟、平和同盟を結ぶ。

その為にスナイダーを王にする。

獣人族との交渉

魔人族との対決、対話の為のレベルアップ


・ルビィの弟、リンの妹、フェンリルの母親を探す。


・試練を達成する。

エルフ族の村に行く


・鍛冶を行う。

戦力アップの為に。


・薬草を取り、調合する。

回復薬が減っているために。


・異世界を満喫する。

都や町を探索する。

色んな場所に行く。


こんなもんかな。とりあえず明日はラリオンに同盟の協力の話をして、鍛冶を行おう。

ついでにレベルアップした分のステータスも弄ろう。


そんな事を考えながら俺は眠りについた。


翌朝、飯を食いながらラリオンに貿易同盟の話をする。獣人族には基本食料等の運搬をお願いする予定だと伝える。ラリオンは王に伝えておくと言ったが、魔人族との交渉や同盟は無謀との事だ。交渉出来ないなら、あちらの法律、強い者が治めるを利用し、スナイダーを王にする。それだけだ。


俺達は鍛冶を行う為に武器屋に向かう。

皆には観光でもして来いと言ったのだが、全員ついてくるそうだ。


武器屋に到達し、鍛冶場を貸して欲しいと伝えると、ここには無いらしい。王都から1日馬車で言った所にドワーフ族の集落があるらしい。そこなら最高品質の物でも作れるらしい。ただドワーフを偏屈な者が多いので、借りるのも難しいかもしれないとの事だ。なんでも武器を購入するのでも気に入らないと売って貰えないらしい。この店主も売って貰えないそうだ。


俺は店主に場所を聞き、お礼を言ってドワーフの集落を目指す。

スザクに乗って2時間程で到着。

目の前には岩山があり、その麓には豪華な細工がされた門がある。


そこに進み扉の前にいるドワーフの門番に中に入りたいと伝える。すると


「おう、入りたけりゃ勝手に入りな。俺達は別に誰も入れねえなんて言ってねえんだからよ。そこの扉を開いて入ってくれりゃ、何も問題ねぇーよ。魔物や魔人族はお断りだかな。」


あちゃー、スナイダーがいるよ。

でも気付かれなきゃいいか。最悪無の指輪使って姿消しても良いしな。

んじゃお言葉に甘えて入らせてもらうか。


俺達はそのまま扉を開いて入っていく。


「おいおい!マジか!!あんちゃん、化け物かよ!?」


ん?どうかしたのかな?少し扉が重かったが、誤差の範囲だ。気にせず行こう。


そこは洞窟の中なのに、別世界が広がっていた。集落ではなく、街。そう街だ。街並みは獣人族の王都と同じようになっている。

しかし街の中心の上はくり抜かれ空が見える。驚きつつも鍛冶屋を探す。


街の中心に大きな煙突のある大きな建物があった。そこに入る。中には見た事も無い武器が並んでいる。鑑定しようとすると


「おい、何しに来た!!用があるならさっさと言え!!」


ずんぐりむっくりの毛むらじゃの男が声を掛けてきた。商売する気無しだな、こりゃ。


『鍛冶場を借りたいのだが、貸してくれないか?』


「はあ!?お前バカか?鍛冶場は俺たちの魂なんだよ!!それを簡単に貸せる訳ないだろうが!!帰れ!!何も分かってない若造がー!!」


うっわー、凄い剣幕で怒られてるー。

小さいのに迫力あるなー。


『ならこの鉱石で武器を作ってくれないか?金ならある。出来るか?』

俺は指輪からオリハルコンを出す。


「お前みたいな何も知らねえ若造の仕事なんて受けるかよ!!帰れ!!こんなチンケな鉱石持ってかえりや・・・が・・・」


ドワーフは鉱石を掴み俺に投げつけようとした時に鉱石を見た。そしてもう一度見る。

見事な2度見だ。手本になるな。


「お、おい、若造よ。これもしかしてオリハルコン鉱石か?」


『そうだが?他にもこんな物もあるぞ』

俺は更にエンシャントドラゴンの皮と鱗、聖樹の枝、中級ダンジョンで手に入れたアダマンタイト鉱石とミスリル鉱石も出す。


謎の鉱石は鑑定したらアダマンタイトだったんだよな。


「ぐおぉぉぉー、何じゃー!!

すんばらし過ぎるぞーー!!!」


ドワーフはテンションマックスで叫んでいる。


「おい、若造!!お前これで武器を作るつもりだったのか!!」


『ああ、武器や防具だな』


「こいつらを鍛冶出来るのか!?

分かった!この鍛冶場を貸してやろう!しかし条件がある!!」


『なんだ?』


「余った分で少量でも構わん!そこにある物を貰えんだろうか?」


『別に構わんぞ。まだあるしな。』


「なんと、まだ持っているのか!?」


『交渉成立だな。使わせて貰って良いか?』


「すまんがもう一つだけ。条件ではないのだが、出来た物を見せてくれんか?」


『ああ、構わない。が、こちらの都合で見せたくない物は見せないが、それでも良いか?』


「うむ、構わん!よろしく頼む!」


交渉は成立したので、俺は奥の鍛冶場へと進んだ。

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