66話 ホデビルール⑥
俺達は扉を開け、中に入る。
するとそこは、今までと同じ部屋があった。
まずは宝箱からだ。
・聖樹の枝 (レジェンド下位) 7個
なるほど。何か意図を感じるな。
まぁ、その内分かるだろう。
俺達は転移陣に登録して、ここで昼飯を食べる事にした。
皆で食べていると
「ねぇー、アラシー?このダンジョンって何階層まであるのかなー?」
『ん?さあな。ギルドも知らないようだしな。』
「僕も知らないなー。上級ダンジョンの攻略なんて聞いた事無いし。多分何百年も攻略されてないと思うよ。」
「多分、30階層までだろう。魔人族の大陸の上級ダンジョンは30階層までらしい。」
『なるほど。魔人族の大陸にも上級ダンジョンがあるのか。と言うことは攻略もされているのか?』
「ああ、俺の知る限り魔人族の大陸には3つ存在する。王や公爵の連中は何度も潜っていると聞いている。」
おいおい、どんだけ強いねん!魔人族!!良くこの世界を支配しなかったな。まぁ、理由は前に聞いたが。って事は装備や能力は桁違いなんだろう。
人族と獣人族が同盟する理由も分かるな。
『そうか。やはり魔人族は強いんだな。』
「ああ、前にも言ったが、前のアラシでさえ良くて伯爵レベルだったからな。今なら違うがな。」
そうか。スナイダーを王にするのは簡単じゃなさそうだ。実際どのくらい強いのかは見て見ないと分からんが。
『そうだな。俺達も強くなったが、あの裏ボスの様な存在がいる以上、俺達はもっと強くならないとな。』
試練もあるし、まだルビィやリンの探している人物にも会えてないからな。フェンリルもか。
『とりあえず俺達も上級ダンジョンを攻略しよう。スナイダーの話だと、次にボスがダンジョンボスのはずだ。油断したければ勝てるだろう。その後戻ってステータスを変更すれば、もっと強くなれるしな。』
俺達はワイワイ喋りながら飯を食い、その後休憩し体を動かして準備を終える。
『さあ、次のボスは多分ダンジョンボスだ。油断無く行こう。』
皆が頷く。
俺達は26は階層に降りた。
26階層
・ミドルローグレート・ブカバク Lv.130
この階層は敵が1体ずつしか出てこなかった。しかし、相手の能力とスキルはかなり高く、複数で出てきたら少し苦戦していただろう。1体なら余裕だ。
27階層
・ミドルローグレート・メフィスト Lv.140
28階層
・ミドルグレート・パズズ Lv.150
29階層
・ミドルグレート・メデューサ Lv.160
1体ずつ現れる敵だが、スキルが厄介になっていく。初見なら危なかったかも知れない。
しかし俺は鑑定があるので、しっかりと対策を立てられる。なのでここも何事も無く攻略した。
そして30階層に到着。
やはりここが最下層になるのだろう。
扉が今までに無い程の大きさで禍々しさが半端ない。
俺達は扉を全員で開けて中に入る。
中は今までと同じ感じではあるが広さが違う。今までの5倍はあるだろうか。高さもかなり高い。
少し進むと転移陣が現れる。
おいおい!かなりのデカさだぞ!!
敵が現れる。やはりデカい!!
高さが15メートル程ある。
・ミドルハイグレート・暗黒竜ギルガンディス Lv.200
体力 3,000
魔力 2,000
力 2,000
速さ 2,000
魔法力 2,000
防御 3,000
魔防御 3,000
スキル
ユニーク爪斬波 Lv.8 (ユニーク)
ユニーク牙断切 Lv.8 (ユニーク)
暗黒魔法 Lv.8 (ユニーク)
暗黒ブレスLv.5 (レジェンド)
暗黒魔法は基本防御無視の魔法を放ってくる。これは厄介だな。
暗黒ブレスも防御無視のブレスだ。
しかもスキルや効果の装備等も無視してダメージを与えてくる。威力もありそうだ。
だが、弱点もある。
今回はそこを狙う!!
俺はスグに情報を伝え、作戦を伝える。
ルビィ、フェンリル、ユーキ、俺が突っ込む。
俺はハイバリアー、ファイアーボム、ハリケーンカッターを出し、打ち込む。
ルビィは闘気を纏い、双烈風斬を連続で5回、10発打ち込み更に前に進む。
フェンリルも聖気を纏い、爪で斬撃波を16発放つ
ユーキは小盾遊防で小盾を出し、精霊付与で風のシーフを全身に纏い、速さを上げて突っ込む。
リンがアブソリュートゼロを打ち込む。
スナイダーが火魔法のボムボムピーポーを打ち込む。
スザクは火ブレスを放つ。
まず俺のファイアーボム、ハリケーンカッター、スナイダーのボムボムピーポー、スザクの火ブレスが敵に当たるが、魔防御の高い相手の鱗に阻まれダメージをほとんど与えていない。少し鱗に傷がついたくらいだ。
敵が爪の斬撃波を放つ。その後にルビィとフェンリルの斬撃が相手の斬撃とクロスする。
相手の爪斬撃波はその体に合わせてデカい。
斬撃波同士が打ち合い、それを掻い潜りルビィ達の斬撃6発と、相手の斬撃2発がすり抜ける。
凄いスピードで相手に向かっているルビィとフェンリルはその爪の斬撃波をギリギリでかわし、更に前進。少し遅れてユーキが続く。
ルビィ達の斬撃で敵の鱗が剥がれ落ちる。しかしダメージは当たっていない。
敵は口を大きく開けて息を吸い込む。
その瞬間リンのアブソリュートゼロが相手を包む。敵は一瞬にして凍りついたが、スグに氷を割り再度息を吸い込む。
しかしその少しのタイムロスが相手の命を削る。
ルビィとフェンリルが自分の間合いに相手を捉える!
先にフェンリルが断牙超砕衝で相手の体に噛みつく。その攻撃で鱗は切られ、牙は身に刺さり、その衝撃で周りの鱗が剥がれる。そこに風神雷神を剣に纏わせたルビィが瞬歩双斬を鱗の剥がれた部分を狙い切り裂く。
大きなダメージを受けた敵に、ユーキが間合いに入り、槍で瞬五突衝を打ち込む。更に傷口が広がり鱗が剥がされていくが、敵がデカく核も見つかっていない。
敵は更に息を吸い込み、一瞬息が止まる。
来る!!
その瞬間に俺のファイアーボム9発とスナイダーもボムボムピーポー、スザクの火ブレスが相手の口に打ち込まれる。
しかし相殺は出来なかった様で敵のブレスが放たれるが俺達の攻撃によって相手の口は上を向いており、ブレスは俺達に当たらない。そこから下に顔を向けようとするが、フェンリルの圧縮ブレスが下から相手の顔に打ち込まれる。相手の顔をブレスが貫く。
その攻撃で敵は堪らずブレスを止めてしまう。そこにルビィが防無絶断斬を打ち込んだ。その攻撃はやすやすと相手の体を縦に切り裂く。真っ二つには出来なかったが大ダメージを与える事が出来た。
ここでリンが幻銀狐覚醒変化を使用。リンの姿が成長し、全身に銀色のオーラを纏う。
そのまま幻惑魔法のファントムゲンガーを使用。リンの姿をした影が現れ敵に攻撃を仕掛ける。リンの影2体が雷を纏いながら切られた敵に攻撃を繰り出していく。銀狐拳を使いながらどんどん傷口が広がっていく。
見えた、核だ!
その瞬間リンの影2体が敵の牙に切り裂かれ消えていく。敵の格が回復していく肉体で消えようとしていく。
そこにルビィが乱れ無双を放つ。相手の肉をまたどんどん削っていく。核がしっかりと現れた。
しかし相手ももがく。両手でルビィに攻撃を仕掛けようとしている。俺は瞬十刀斬を両手に放ち、両手を切り落とす。敵は苦しみながらも口を開き牙で攻撃しようとする。
フェンリルが横から爪で相手の顔を殴り、更にそこから斬撃波が相手の顔をズタズタにした。
しかしルビィの乱れ無双が終わりルビィが止まる。その瞬間ユーキの一点突破が相手の核を捉え貫く。敵の核が砕け散った。
暗黒竜は最後に咆哮を上げ、そのまま倒れ消えていく。
ふぅー。なかなか強敵だったが、暗黒魔法を使えない時点で使えるスキルは限られる。
暗黒魔法は無詠唱や詠唱短縮が無い時点で俺達には通用しない。
だからこちらは相手の残るスキルを警戒しながら、速攻で倒す事にしたのだ。
俺達は皆でハイタッチをして魔石を回収。
奥に進み扉を開く。
奥の部屋は少しいつもと違った。
中央は祭壇があり、そこには宝箱。左には転移陣。そして右には何も無い部屋が。
右の何もない部屋はヤバイ。俺の危険回避が絶対に近づくなと警鐘を響かせている。
これは5階層にあった部屋よりヤバイ。
5階層で出てきた裏ボスなら今は全員でやれば倒せる可能性が高い。ただ怪我やひょっとして死んでしまうかも知れないので、挑戦はしないが。しかしそれよりもヤバイ相手が出てくるとしか思えない。
全員それが分かったのか、少し震えている。
俺は中央の宝箱へと進み、開ける。
・?????
中には小瓶に入った透明で輝く液体が入った物があった。薬だろうか。鑑定が効かないので、とりあえず7個共指輪にしまう。
そして俺達はそのまま転移陣で移動し、大穴の底に出る。スザクで上まで上がり、兵士達のいる砦で、ホデビルールを攻略した事を伝える。それと階層ボスの部屋の空き部屋には絶対に近づくなと念を押しておいた。
兵士達は驚いていたが、攻略した事で歓喜していた。中にはこれで帰れると喜んでいる者もいる。多分モンスターパレードが起こる可能性があったので、人員を増やしていたのだろう。ストレスも半端なかったはずだ。
俺達は兵士に別れを告げてスザクに乗り、獣人族の王都に戻る事にした。
王都に到着した俺達はギルドに向かう。
そのまま受付でホデビルールを攻略した事を告げる。すると受付がギルドマスターを呼び、ギルドマスターのドッワフが降りてきた。俺達はダンジョンボスの魔石を出して報告すると、ドッワフがダンジョンボスの宝を見せてくれと言ってきた。なので謎の薬を1個取り出し、ドッワフに見せる。
ドッワフは驚いていた顔をしながら
「伝説は本当だったのか・・・のう」
なんでもこの薬は復活の秘薬と言う物で、口から流し込むと死者を生き返らせる事の出来る秘薬らしい。何百年か前に勇者と呼ばれる人物のチームが攻略した時に持ち帰ったらしい。それを王に納め、王は病気で亡くなった娘に使用したらしい。すると娘は生き返り病気も治っていたらしい。娘と勇者は結婚してその末裔が今の王らしい。
なるほど、そんな伝説があるのか。
ドッワフが処理に時間が掛かると言うので、俺達はギルドカードを渡し、晩飯をギルドで食べる事にした。ダンジョン攻略達成も祝う事にして酒も頼んだ。
乾杯して飯を食っていると、周りの冒険者達の噂している声が聞こえてきた。




