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58話 ホデビルール①

俺は穴に降りる前に指輪から魔道ランプを3つ取り出し、俺、ルビィ、リンに持たせる。それを持ち穴の下にハシゴを使い降りる。


下に行くほど暗くなっていき、下に到着すると、もう先が見えない。魔道ランプを灯し、周りを見る。ランプのお陰で見えるようになったが、これで戦闘を行うのは不安出し、片手が塞がれる。


「アラシ様、明るくしましょうか?」

スザクが声を出す。


ああ!そうか!

『スザク、頼む。』

そう言うとスザクはその身に火を宿らせる。魔力を込めれば込めるほど、その火は強さを増し、周りが明るくなっていく。しかも熱さを感じない。


理由は簡単だ。スザクは仲間と認識したものには火は燃えたり、熱さを与えないそうだ。流石は聖獣。


『魔力が無くなりそうになったら言ってくれ。魔力回復薬があるからな。』

俺の作った薬が役立つ時がきた!いざとなったら神力で作ったスペシャルがあるしな。


「戦闘で魔力を使わなければ当分いけます。」


スザクの火で明るくなった穴の底を見ると、奥に続く横穴がある。

俺は探知を使いながら近づく。

そこには縦、横5メートルの横穴が続いており、俺達は進む事にした。


フォーメーションは俺とラリオンが先頭で、次にリンとスナイダー。最後尾がルビィとフェンリルで行く。


先に進むと俺の危険回避が発動

『止まれ!!』

皆を止める。

『ルビィ、フェンリル。少し後ろに下がってくれ。それに合わせて皆も下がってくれ。』


俺はそこから5歩下がり、念の為にハイバリアーを全員に掛ける。

指輪から初級魔石を取り出し、先程居た場所の少し先へ投げる。

魔石が地面に触れた瞬間、地面から数本の槍が飛び出し、魔石は破壊された。


「うわーー!こんなの中級ダンジョンでも無かったのにねー。上級になるとこんなトラップもあるんだねー。」


ルビィが驚きながら口にする。


俺が先頭にたった理由がこれだ。

ラリオンと一緒なのはラリオンに冒険者を探させる為。友達出しな。多分後ろに置いても、前に出てきそうだし。


ルビィとフェンリルが後衛なのは、バックアタックされた時に速さのあるルビィとフェンリルなら対応出来るから。


リンとスナイダーが真ん中なのは魔法使いだからだ。


ちなみに探知は使っているが、それを無効にしてくる奴がいるかもしれん。

以前にもそんな奴がいたしな。


俺達は罠を避けてそのまま進む。

探知は敵の存在を示している。

敵に近づくと敵の姿が現れた。

鑑定


・デビルバット Lv.31

体力 : 150/150

力 : 100

速さ : 200

スキル : 初級風魔法 Lv.5 (初級)

上牙攻撃Lv.3 (上級)

超音波Lv.3 (上級)


・超音波

暗闇でも相手の位置を知る事が出来る。


警戒していたが、大した事なさそうだ。

8匹いたが、全て俺のファイルボールの餌食にした。今は時間が惜しい。


1階層ではその後9組倒し、罠を2つ回避して下への階段を進む。


ちなみに罠は、上から溶かす液体が出るもの、横から槍が出てくるものだった。


2階層に辿り着き、慎重に進む。

急いでいるので、ゆっくり進むのはストレスが溜まるが致し方ない。

今の所の罠では俺達はダメージをくらわないだろう。しかしその油断が命取りなんだ。命はひとつしかないからな。


罠を避け、敵を見つけた。


・ヒクマニア・デビル Lv.36

体力 : 250/250

力 : 200

速さ : 80

スキル : 突進Lv.8 (初級)

牙攻撃Lv.8 (初級)

爪斬撃波Lv.3 (上級)


体長2.5メートル程の大きな熊だな。

全身黒色で目も白目が無く、黒目のみだ。暗闇なら気づくのに遅れただろう、

6体で出てきた。


これも俺のファイアボールで焼いていく。その後、9組倒して、罠を2つ解除して進む。罠は1階層と同じだった。


階段を見つけ下へ降りる。


3階層も当然慎重に進む。


・ダークゴブリンLv.41

体力 : 350/350

力 : 250

速さ : 120


スキルも持っていたが、ファイアボール一撃なので、鑑定を途中でやめた。

10体のゴブリンを倒す。

しかし、ここまではオーバーキルで余裕だったが、ダークゴブリンは1発で丁度よかった。それならこの下の階層は多分1発では死なないだろう。時間が無いのに面倒臭い。


それから7組倒し、罠も2つ回避して進む。


続いて4階層


・ダークウルフ Lv.46

体力 : 250/250

力 : 200

速さ : 350


レベルも高く、速さもなかなか。何よりデカい。前に見たウルフは1メートル程だったが、こちらは1.8メートル位ある。

6体出てきたので、ファイアボール12発、それぞれ2発ずつ打ち込む。すると回避する奴がいる。しかし2発目にあたり、その1発で倒せた。まぁ、とりあえずそうだろう。


いけると思ったので、スキルを鑑定しなかったのだ。まだこのレベルなら余裕だ。

その後に9組倒し、罠も3つかわして階段を見つけた。


5階層の降り立った俺達の目の先には大きな扉がある。ゆっくりとその扉に進む。

その時、何か聞こえ様な気がした。

何だ?探知を更に集中する。

すると探知に違和感を感じる。

前に感じた違和感だ。


俺は神力を使用して探知をかける。

すると反応を見つけた。

神力を纏ったままそこを見ると

黒騎士が倒れていた。

近くによると

「アラシ、ラリオン・・・助けて・・・」


消え入る様な声で助けを求めていた。

俺はすぐにハイヒールをかける。

しかし、効果が薄い。やはりこの鎧は魔法耐性があるのか?俺は回復薬を飲ませようとしたが、これも兜によって邪魔される。しかも意識を失っているので、飲ませるのは無理だ。


そこで俺は鎧を脱がせる事にした。

ヤラシイ気持ちは無い。

多分・・・・・

鎧を脱がせると皆が女性が現れてビックリしている。そう。黒騎士ユーキは俺が以前ギルド試験の試験官をしてくれたSランク冒険者だ。そして女性なのだ。俺は鎧一式を全て外し、ハイヒールを掛けて、念の為にキュアもかける。


ユーキはゆっくりと目を覚まし、俺の顔を見て、抱きついてきた。

俺は落ち着かせる為に、背中をゆっくりと叩いた。多分ユーキは7日は風呂に入っていないだろう。ダンジョンに籠り、汗もかいているはずだ!なのにだ!!いい匂いがするんだ。髪からもいい匂いが!!金髪のサラサラした髪を、その頭をゆっくりと撫でる。


うほーーっ!!サラサラで気持ちいい!!


何故かルビィとリンから殺気という名の冷たい目線を送られている気がする。

よし、気のせいだ!!そう思おう!


徐々に落ち着いてきたユーキに俺は何があったのか聞いた。すると、


ホデビルールに到達したユーキは調査を開始したが、ユーキ自身も初の上級ダンジョンで罠の存在を知らなかった為、罠に掛かる。

その際に持っていた収納バックが壊されたらしい。中身が全てぶちまけられ、しかも鎧のスキル、姿隠しは攻撃を受けるとその機能が止まるらしく、罠でダメージは喰らわなかったが、敵に見つかり攻撃を受けたらしい。


その時に荷物もほとんど失い、確保出来たのは、最低限の水と保存食だけだったらしい。バックが壊されたのが3階の奥だった為、戻るより進んだ方が良いと考えたが、敵に見つかり、戦闘をしながら逃げ、精神的にも肉体的にも限界の中、この5階層に到達し、そのまま気を失っていると、夢か現実か?俺とラリオンの姿が見えたらしい。そこで助けを求め、そのまま気を失ったらしい。


なるほどな。やはりこの鎧は俺が鑑定出来ない程の性能なのか。

しかし今の俺なら出来るかもしれんが、今はそんな時ではないだろう。


丁度時間的にも腹が減る時間だ。俺は指輪からコップを出し、ウォーターボールの水をコップに移す。それを皆に渡し、魔導コンロを出して料理を作る。そしてテーブルをイスも出し、出来上がった料理をどんどんテーブルに並べる。


コラ!フェンリル!!つまみ食いしない!それを見てルビィとラリオンが真似をする。

ユーキももう限界のようだ。

そりゃユーキはもう3日くらい食べてないのだろう。


俺は皆にユーキが限界だから先に食べるように言う。すると皆が食べ始めた。しかしリンとスナイダーは俺と食べる為に待っていてくれる。うん。お前達は良い仲間だな。

ルビィとフェンリルとスザクは、まぁ、いつもの事だ。

ユーキは泣きながら食べている。ラリオンも何故か美味い美味いと泣きながら食べている。何の涙だ?


とりあえずデザートは後にして、先に俺も食べる事にした。リンとスナイダーの分が無くなる事を予想して、俺はその分も作っておいた。出来たてを俺、リン、スナイダーに取り分け食べる。リンとスナイダーも食べ始めた。するとフェンリルが潤んだ瞳で2本の足で立ちながら、両手を俺の膝に置き見てくる。


いや、あげないし。お前の分、どんだけ多く作ったと思ってるんだ。ラリオンも俺の飯をずっと見ている。


いや、ちょっと待て。お前らここまでほとんど何もしてないよね?ほとんど俺の魔法しか使ってないよね??ラリオンに関してはワザと!?っていつぐらい罠に突っ込んでたよね??そんな俺が料理を作って、やっと食べてるのに、欲しがる??普通??


ぜってーやんねー!!


『フェンリル、ラリオン。この後5階層ボスを倒しに行くんだから、腹八分目にしとけよ。入れすぎると動けなくなるぞ。』


「ちょ、待てよ!!」

お前、何たくだ??


「アラシ、流石に階層ボスとは言え、ここは上級ダンジョン・ホデビルールだぞ。無茶に決まってるだろ!引き返そう。な!な!!」


『ここまで来たら進むしかないだろう。その方が早く帰れるだろうし、俺はここで転移陣に登録しておきたい』


「いや、無理だ。ここ何十年5階層は攻略されてないんだ。何人ものSランクチームや王兵の軍など挑戦してきた。だが、帰ってきた者はいないんだ!」


そんなにここの壁は厚いのか。


『俺は進むぞ。ついてきたい者がいれば一緒に行くぞ。ここで待つ者は待っていてくれ。後から迎えに来るから。』


「アラシ、本気か?」


『ああ、本気だ。マジと書いて本気と読む』


「いや、それ反対だろ!?」


俺たちは少し笑い


「なら俺も行くぞ!相棒を置いて待ってるなんて出来るかよ!お前は言った。死ぬ時は一緒だと。なら俺が行かなくてどうする!」


『よし、なら行くぞ。飯を食ったら、少し休憩。その後体を動かして、温まったらボスを殺りに行くぞー!』



そう言って準備を終えた俺達は扉をくぐり、ボスの部屋へと入った。

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