43話 決着!! 辺境伯との戦い
ジョイナフと騎士が男を1人連れてきた。
その者を俺の横に連れてきて、
『こいつは武器屋を襲うようにコセガーレに依頼を受けた闇ギルドの暗殺者だ。俺が捕まえておいた。それでは説明をさせる。王よ。この者が事実は述べた際は恩赦とし、犯罪奴隷ではなく、一般奴隷にする約束をしてくれないか?』
「許可しよう。」
暗殺者の男は王の言葉を聞いて話し出した。俺が言った通りの内容だが。だがこの男が話すとコセガーレの醜さが凄く分かる。
「以上だ。」
「そんな、そいつは買収されているんだ。そいつの意見なんか信用出来ん!!」
「ほう、王の前で、しかも真実を言えば恩赦が貰えるのにか?嘘だったら確実に殺されるのに、嘘を言うと思うか?お前バカだろ?」
俺は辺境伯を煽る。こうしておいた方が俺が後からやる事がスムーズに行くからだ。
「何だと!!貴様俺に対してそんな事を!!」
「しかしその者は闇ギルドの人間なんですよね。元々闇ギルドは非合法の裏組織、そんな人の意見がそもそも信用出来ないし、価値がないのではないでしょうか?」
ショカッコウがそんな事を言ってくる。
まぁ今の状況ではそれが最善の選択だろう。だがな、俺の前では最悪なんだよ!
『ほう。なら誰の証言なら信用でき、価値があると言うんだ??』
「それは当然当事者であるコセガーレ殿でしょう。ま、まさか・・・。今の発言は無かっ・・・」
『言ったな。言質は取ったぞ。それでは王よ。コセガーレを呼びたいんだが、良いか?』
「うむ。許可する」
再度ジョイナフと騎士が移動し、コセガーレを連れてくる。
コセガーレはうなだれ、自分の母親と辺境伯を見て泣き出した。
俺の横まで連れてきて
『王よ、コセガーレが真実を述べた時、処刑から犯罪奴隷に落とす恩赦を頂きたい。』
「ふむ。良いだろう。」
コセガーレなら嘘を言いそうだが、しっかりと根回ししてある。何故なら闇ギルド全員の証言、兵士の証言、武器屋の証言、全てあるし、何より俺が強い事を知っている。嘘をついたら殺すと言ってあるからな。しかも犯罪奴隷落ちさせる約束としてある。本来なら処刑だ。辺境伯が助けてくれると伝えておいた。俺ならこの状況で不利に話す奴なんか絶対に助けないが、バカ息子は気付いてない。
バカ息子は涙ながらに武器屋襲撃の件を伝えた。そこには俺の名も出てきたが、これでより信憑性が増すだろう。
全て話終えると全員が黙る。
『さて、これで信用してもらえたと思う。なのでロメロ伯爵の勘当の件と次期領主任命の件は問題無いはずだ』
そう言って王見ると、王は頷いた。
『それと辺境伯のロメロ伯爵領への攻撃についてだが、このままではお互いに遺恨が残る。なのでこの国の貴族同士が争った場合の決着方法、決闘をここに宣言する。王よ、宣言を受け取ってくれるか?』
貴族同士が争った場合、戦争になる事があるので、国はその場合に決闘で勝負をさせる。まぁ、戦争する事もあるんだが、その場合は王が直接介入するらしい。決闘はお互いの条件を出し、お互いが認めたら勝った方の条件が認められる。決闘で負けてもなお戦争を仕掛ける場合は王国中の全ての兵が鎮圧するそうだ。
「もちろんだ。お互い条件を出してみろ」
決闘は最大5名の対戦が多いらしい。
それ以外の決着もあるにはあるのだが、ほとんどないらしい。
『ロメロ伯爵側は代理人として俺が出る。条件は今後一切ロメロ伯爵に攻撃を仕掛けない。どんな理由でもだ。それとロメロ伯爵に詫びろ、頭を下げてな。それとコセガーレが行なった事に対しての慰謝料500ダリーを請求する。』
「な、何だと!そんな金額は払えん!!」
辺境伯が叫ぶが
『なに、出るのは俺1人だぞ?なんだ、ビビってんのか?』
俺は煽る、そう、今まで煽っていたのはこの条件を飲ませる為だ。
「ならこちらの条件だ!
コセガーレが行なった事に対して、一切こちらの責任を追求するな!それはコセガーレが勝手にやった事だ。俺達に関係ない!それと金も払わん。ロメロ卿にも詫びん!!」
『それで、そっちの参加者は誰なんだ?』
「コッチはここにいる男全員だ」
『なるほど、1人に対して5人か』
「決闘は本来5人で行うんだ!!そっちが人を出せば良いだろう!!いればの話だがな!!」
いるんだけどなー。ルビィとリンが。あれ?フェンリルは出れるのかな??
まぁ、既に全員鑑定してあるし、俺が負ける要素がない。
『まぁ、良いだろう。ロメロ伯爵。この条件でどうだ?』
「ああ、こちらは構わない」
「こっちもそれで受けてやる!!」
「それでは決闘の条件もお互い認めたので、ロメロ伯爵とザイス辺境伯の決闘を行う!!これより王城の軍施設、闘技場に移動されたし!」
そしてまず王が近衛騎士と共に出ていく。その後に王族が。そして辺境伯が先に出ていく。俺を全員で睨みながら。その後に俺達が出ていく。
ロメロがそこで
「信じられない程お前の言う通りに話が進んだな、アラシ。俺は途中でお前が脚本、演出した劇を見ているようだったぞ。だが最初のだけはビビったぞ。お前だけが跪かないんだから。良く知っていたな、あんな儀礼を」
『ああ、俺も自分で信じられない程その通りに進んだな。ん?あの儀礼は昔読んだ本に書いてあったんだ。』
まぁ、ミッシェ先生に教えて貰ったんだがな。え?デートしろって?お前俺の頭の中にいんじゃねーか!分かったよ!今度なー。またミッシェ先生が色々言ってくるので、適当にあしらいスイッチを切る。
俺達は途中で分かれた。俺は控え室に入り、結構待たされた。その間に俺は辺境伯達のステータスを思い出した。
・ジルバーン=ザイス Lv.62
体力 : 400/400
力 : 310
速さ : 180
スキル : 力アップLv.6 (初級)
超剣技Lv.1 (超級)
こんな感じだ。人族の中ではかなり強いな。
だが、俺から見れば雑魚だ。
後は辺境伯の息子達が辺境伯の劣化版。
ショカッコウが魔法が使えるが、大した事ない。
兵士が呼びに来て、俺は控え室を出て、闘技場の通路を進む。先に光が見えた。闘技場の入口だ。近ずきどんどん光が大きくなる。
俺は光の中を進んだ。
うおぉぉぉぉーー!!
大声援が響き、大勢の人が観客席で立ち上がり叫んでいる。豪華に飾られている所に王と王妃、王子やそれ以外にも王の子供だろう達が座って俺を見ている。あ、ルビィとリンとフェンリルもいる。俺が気づくとみんな手を振ってくれた、ロメロもいるな。
闘技場に目をやると、辺境伯達は先に待っていた。それ以外にレフリーと大臣がいる。
大臣がマイクのようなもので今回の決闘の説明をしている。その間に俺は仕込み杖を準備する。先程の控え室にジョイナフが持ってきてくれたバックから服と装備を変えておいた。
辺境伯は大剣を持ち、息子達もそれぞれ武器を抜いている。ショカッコウは木の杖だ。
大臣の説明が終わり、大臣が王のお言葉と言って大臣はそこから移動した。
辺境伯や他の観客はその場で跪き、俺は儀礼スタイルだ。
王が立ち上がり
「みな、面を上げてくれ。」
そう言うと全員が元の姿勢に戻る。
「今回ザイス辺境伯とロメロ伯爵は些細な事が原因で貴族同士の争いとなった。王国として非常に残念であり、悲しむべき事だ。」
観客達も静かに聞いている。
「しかし、戦争は起こらず、こうして王国の法で定めている決闘で済むことが出来た。
ザイス辺境伯達は皆の知っている通りこの国の猛者である!対するロメロ伯爵の代理人はSランク冒険者でセカンディアの中級ダンジョンの最短攻略記録を最近塗り替えた男出そうだ。こんな面白い決闘はそうそうない。ぜひ皆も楽しくでくれ!以上だ」
うおぉぉぉぉーー!!
またしても大歓声がして、闘技場が揺れる。
王はみんなに手を上げて歓声に応えている。
歓声が徐々に収まり、皆の視線が闘技場に向けられる。
「それでは決闘を行う、始め!!」
レフリーの声がした瞬間、辺境伯達は倒れた。
「え?」
レフリーがポカンとしている。
観客席も全員ポカンだ。王もポカンとしている。
ルビィとリンだけ喜んでおり、フェンリルはリンの膝の上で寝ている。今回はリンの担当のようだ。
レフリーが辺境伯達を確認して
「しょ、勝者。ロメロ伯爵代理アラシ」
「「ええーーー??」」
観客席から疑問の声が上がる。
もう少し遊んだ方が良かったかな?でもめんどくさいし。早く終わらせて王都の観光したいんじゃい!辺境伯のせいで俺はやりたい事が出来てないんだ!これ以上辺境伯に時間を取られたくない。
俺はそのまま闘技場を出て、1度控え室に戻る。着替えるのも面倒なので、そのままでいると、騎士が現れて、王が呼んでるそうだ。
めんどくさいなー。
俺は騎士に連れて行かれて、先程の謁見の間に到着した。そこには王と大臣、近衛騎士のみが待っていた。俺は進み、儀礼し、王の言葉を待つ。
「見事な決闘だった。と言うか何が起こったのか分からんかった。教えてくれぬか?」
『試合と同時に動いて気絶させただけだ。』
「なに?そんな事が出来るのか?」
『ああ、別に大した事じゃないぞ』
「いや、大した事じゃわい。おい、お前達の中で何が起こったか理解出来た者はいるか?」
王は近衛騎士達を向き、近衛騎士達は全員首を横に振る
「この国最強の騎士達が誰も理解が出来んとはな。のぅ、アラシ。ロメロの元を離れ、ワシの元に来ぬか?金はソナタが望むだけ払おう。」
『王よ、俺はロメロの部下でもないし、あいつは俺の友だ。俺はしなくてはならん事があって冒険者として生活している。だから王に仕える事は出来ん。すまんな。』
「そうか、ならワシとも友になってくれぬか?」
『それは構わんが、友なら言葉使いとか儀礼とか、やめるぞ。』
「カッカッカッ!元から言葉使いは気にしておらぬじゃろうが。儀礼も要らん。それが友であろう?」
『なら、改めてよろしくな。俺はアラシだ。』
そう言って俺は王に近づく。近衛騎士が俺を止めようとするが
「よさぬか!!アラシはワシの友だぞ!」
そう言って王は近衛騎士に怒鳴る。
王は立ち上がり
「こちらこそよろしく頼む、ワシは
アーセル=キンセンじゃ。」
俺達はお互い握手した。
「おおー。そうじゃ、アラシにこれをやろう。」
そう言ってアーセルは懐から豪華な小さな箱を出し、俺に渡した。
『これは?』
俺は箱を開くと、そこには白銀のメダルの付いたネックレスだった。
「王様。そ、それは・・・」
大臣が王に声をかける。
「ワシの友に相応しい物じゃろ?」
そう言ってアーセルは俺を向き
「それは王の代理人と言う物じゃ。それを付けておれば、王と同等の扱いが約束される。」
『おいおい、そんなもん、始めてあった男に渡すもんじゃないだろ?』
『良いのじゃ、ロメロから昨日色々聞いてのぅ、実はワシとロメロは仲がいいのじゃ。
アラシがセカンディアでした事、そして今回の件の活躍。それだけでも渡す価値はあるわい。しかも、もしアラシが本気出せばここにおる者全て一瞬で殺せるじゃろ?』
『まあな。』
「なら、アラシを捕まえる事は出来んし、かといって放っておいてもそれは恐ろしい。ならワシの友として、代理人にしてしまった方が楽じゃろう。」
なるほどな。流石はこの国の王だな。
手綱を握っておいたほうが扱いやすいか。
「なら、貰っておこう」
その後にロメロとルビィ達が合流した。




