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36話 セカンディア 出発前日②

俺達は明日の朝、領主館に来る事を伝え、領主館を出て貴族街を出た。馬車に乗って。明日の準備が忙しいだろうから断ったが、領主の友人を歩いて帰す訳にはいかんだろ?と返され、甘える事にした。


馬車の中では、夕方まで時間がまだあるので、ルビィとリンに何処か行きたい所はあるか?と聞くとリンが図書館に行きたいそうだ。何でも魔法書もあるので、

いつか行きたいと思っていたそうだ。

新しい魔法が使えるようになった、このタイミングで言うとは!

ホントに優秀な子だ。


そこで馬車を動かしている兵士に図書館に向かってほしいと伝える。兵士はかしこまりましたと言って馬車を走らせる。


図書館に着き、馬車から降りると兵士が声を掛けてきて、この図書館は領主が管理しているので、メダルを見せると無料で入れて、普段立ち入り禁止となっている秘蔵の書物がある部屋にも入れるようだ。俺達は兵士に感謝を伝え、メダルを見せて図書館へ入る。館長から挨拶され、司書に案内され立ち入り禁止の部屋へ。


俺とリンは司書に魔法書をお願いし、初級、上級、そして超級の魔法書を読む、初級、上級は雷、補助といった持っている魔法書に載って無いものもあったので覚えた。超級には新しい時空魔法も載っていたので、それも覚えた。


ルビィは最初、ほぇーと言いながら大量の本を見て情けない声をだしていた。


あ、コイツ。絶対寝るな。と思ったら何故か真剣に本を読んでいた。どうせマンガとか児童書だろうとバカにしていたが、どうやら違うらしい。俺は魔法書に熱中してしまったので、何の本を読んでいたのか知らないが、今度聞いてみよう。


しばらく俺達は集中して無言で書物を読んでいたが、リンがそろそろ夕刻ですと伝えてくれたので、俺達は図書館を出た。


外に出ると日がほとんど落ちていて、辺りは暗くなっている。俺達は少し急いで武器屋に向かう。


そろそろ武器屋が見えてくる所まで来て異変に気付く。建物が燃えているのだ。

もう夜になっていて暗いはずなのに、目の前のその場所だけとても明るい。とても嫌な明るさだ。


俺は嫌な感じがするので、急いで武器屋に向かうと、そこには燃えている武器屋があった。クソ、やっぱりか!


俺はウォーターボールを10個出し、武器屋の上で破裂させる。勢い良く水が建物の火を消していき、俺達はそのまま中に入った。

店のカウンターで店主のおっちゃんがうつ伏せで倒れており、火傷を負っている。まだ燃えている部分もあったのでウォーターボールで鎮火する。


俺は2人に念話で他に人が居ないか確認するように伝える。俺は店主を仰向けにし、上半身を起こそうとした。かろうじて息がある店主の上半身に斜めに切られた深い傷がある。俺はすぐにハイヒールを2度掛け、キュアも掛ける。


するとリンが鍛冶場で2名、ルビィが2階で1名発見したと念話で報告が入る。リンはハイヒールを使い2名を回復。何とか1名は取り留めたようだ。俺は2階に走りルビィを見つけた。ルビィは女性を抱き寄せながら声を掛けている。


俺は女性にハイヒールを掛けた。見た感じ軽度の火傷を負っているだけみたいだ。多分店主の奥さんたろう。俺は女性を抱え、店主の元へ向かう。


リンはまだハイヒールを掛けているようで、職人と思われる2名は体に大きな切り傷があったそうで、やはり誰かに襲われたのだろう。俺はリンにそのまま治療するように伝え、女性を横に寝かせる。周りを鑑定で確認するとどうやら今すぐ崩れる心配は無さそうだ。


俺は店主を揺すり声を掛けるが目を覚まさない。頬を軽く叩くと店主はゆっくりと目を開け俺を見る。するとかすれた声で


「す、すまねえ、あんたの剣が奪われちまった、すまねえ・・・」

店主のおっちゃんは目から涙が溢れ、俺に何度も謝罪する。


俺は冷静にゆっくりとおっちゃんに何があったか確認する。


おっちゃんはゆっくりと説明してくれた。



俺達から剣を預かり、職人を2名を呼んで剣を鍛冶場で観察していたそうだ。それからしばらくして、鞘を職人2名が鞘の調整をする。完成して3人で喜んでいると、店に客が来た為におっちゃんが鍛冶場から店に出たらしい。すると4人の客がいたらしい。それが全員頭から黒のマントを被り、顔は見えなかったそうだ。その内の2名がおっちゃんに近づいてきて、そのまま両腕を抑えられ、別の1名に切られたらしい。


そいつらはそのまま奥の鍛冶場に向い、2名の悲鳴が聞こえた。その後店を出ていく4人の手には鞘に入った俺達の剣が握られていたらしい。その後店から火の手が上がり、意識を失ったと。


そうか、そういう事か。

俺は朝宿を出た時、視線を感じた。しかし最近冒険者から良く声を掛けられていたので、視線を多く感じていた。今考えれば多分そいつらだろう。


クソ!完全に油断していた。

その後も何度か感じた視線を冒険者達と思い込んでいたのだ。多分付けられていたのだろう。


そして俺達は長い時間、武器屋に居た事から何かあると思い、調べて剣を奪ったのだろう。


その時、武器屋の外に今日何度か感じた視線を再び感じた。


外に目をやると、マントを頭から被っている人物が道の角で俺達を見ていた。俺は探知を発動させつつ、相手を追った。リンに武器屋の護衛を頼み、俺の後ろにはルビィが走って追いかけている。


マントの人物はそのまま裏の道を通り、逃げていく。それを俺達は追った。速さは圧倒的に俺達が上なのですぐに追いつく。


マントの人物が止まり、俺達も少し距離をおいて止まった。探知で他に4名いる事は分かっていた。


『他の奴らも出てこいよ!!いるんだろ!』


俺が叫ぶと道の陰から4名出てくる。

その内3名は追ってきた人物と同じマントを被っている。もう1人は知ってるやつだった。


領主の元バカ息子だった。


領主のバカ息子はルビィの剣を鞘に入れて持っていた。

「やっと会えたな!待ってたぜ、復讐出来るこの時をなーー!!あん時お前がすぐに宝と魔石を出していたらこんな事にはならなかったんだ!!全てお前のせいだ!!」


完全に逆恨みだが、この手のバカは何を言っても無駄だ。


「俺様はお前に復讐する為に、まずはお前らを調べた。冒険者ランクBとそっちの女がDだろう?確かに強いが、俺様に調子こいて良いレベルじゃねぇ!!だから1部の上級貴族しか知らない、あのバカ親父もしらねー、闇ギルドの暗殺者を雇ったんだ!!コイツらは全員Aランク暗殺者だ!!てめぇらが手も足も出ねぇ暗殺者だ!!スゲー高え料金を払ったが、お前を痛ぶりながら殺せるなら安い買い物だ。まぁ、元々は俺様の金じゃねぇがな!!」


何故か爆笑している


「だけど、殺すだけじゃ足りねぇ!そこで調べて武器屋に行ってみりゃー、クソ高そうな武器があんじゃねーか。どうせお前らが宝と魔石を売って稼いだ金で買ったんだろう。

元々宝と魔石は俺様の物になるはずだったんだ。だからこの剣は俺様のもんだ!!

悔しいか!?悔しいだろう!!

やっと手に入れた念願の剣でいたぶられ、殺されるんだからな!!」


俺は話を聞いている振りをしながら、暗殺者どもに鑑定を掛けていた。


「見ろよ、この剣の美しさ、力強さを!!俺様が持つにふさわしい!!ハッハッハー・・」


バカ息子が持っていた剣がその手から消え、そして肩から片腕も消えた。


「うがぁぁあァァァぁぁー!!俺の腕が!?俺様の腕がーーー!!血が!?血が止まらねぇーー!いてぇー!!いてぇーよぉぉー!」


「もういい。これはお前が持つには相応しくない。」

そう言ったのはマントを被った人物だ。

その手にはルビィの剣が握られている。


「なっ!?て、テメーら俺様にこんな事してどうなるか分かってるんだろうな!!俺様のジージは辺境伯なんだぞ!!分かってんのか!?」


「知らんな。お前はコイツら戦い、相打ちになって死ぬだけだ」


そう言って、4人の暗殺者が俺達に向かってくる。


《ルビィ、倒していいぞ。でも殺すなよ》


「悪いが死んでもら・・・グフッ」


ルビィは消えた。そして4名の暗殺者は全員同時に倒れた。


まぁ、ルビィは素早く動いて腹に一撃入れただけだが。まぁ、はっきり言って雑魚だ。

この4人なら中級者ダンジョンの10階層ボスに殺されるんだろう。これでAランクとは笑わせる。所詮表で通用しなくて、裏に行って調子に乗った連中だ。


俺はバックから短剣を出し、暗殺者の口に突っ込んだ。


毒を歯に仕込んでいるのも鑑定で分かっている。俺は全員から毒入り歯を抜き、逃げようとされるのも面倒くさいので、短剣で両足の太ももを刺した。まぁ、殺そうとしたんだ。殺されなかっただけでも感謝してもらいたい。


さて後は、コイツだけだな。


俺はバカに近寄り

「お、おい、お前、許して、やるから、何とかしろ!!」


『黙れ』

俺は殺す気でバカを睨む。


するとバカは口から泡を吹き、下半身からは液体が流れ出し、気絶した。


俺は血が出ている肩の傷に手を入れ掻き回す。


「ぐ、ぐわぁぁー!!」

バカは目を覚ました。


『黙れ。次守れなかったら殺す』

俺はちょっとだけ目に力を入れて睨む。

するとバカは凄い勢いで何度も頭を縦に振る。


『お前に選択肢を与えてやろう。

まず1つ目、今までお前がしてきた悪行の数々と今回の事を嘘偽り無く、俺の指示した場所で喋る。そうしたら命だけは助けてやる。2つ目、これから俺と中級ダンジョンに向かう。宝と魔石が欲しいだろ?俺がついていこう。ただ、戦うのはお前だけだ。途中ギブアップも休憩も無し。俺にはそんな余裕な時間は無いのでな。』


俺はそこで少し時間をあける。


『もし1つ目が良いなら首を縦に振れ

もし2つ目が良いなら首を横に振れ』


そう言うとバカはまた物凄い速さで首を縦に振る。


『良し、ただし少しでも俺が嘘だと感じたら殺す。俺がどんな状況でも殺す。お前が辺境伯に頼ろうと殺す。お前もさっきコイツの強さを見ただろう?俺はコイツの倍は強いぞ。理解したか?』


バカはブンブン顔は上下に動かす。


『理解したな。なら少しサービスしてやろう』

俺はそう言ってバカにハイヒールを掛けてやった。


俺は2本のミスリルの剣を鞘に戻し、ルビィに渡す。あとバカの腕も回収し、置いておいたバックにしまう。


すると遠くから明かりが近づいてくる。

俺は暗殺者の1人を引っ張たき、起こす。

相手を威圧して、話を聞く。


そうしてる間に明かりが近づき、姿が現れた。この街の兵士だ。俺は領主のメダルを見せ、説明。今起きてる男2名は明日の朝に捕らえたまま連れてくるように指示。他の3人は煮るなり焼くなり拷問するなり任せた。そのまま兵士達が暗殺者とバカを縛って連れて行く。


連行して行った兵士以外を連れて少しお願いをしてある物を貰う。そして武器屋に到着。武器屋のおっちゃん達の治療をお願いした。リンはちゃんと指示を守ってくれたようだ。その横にはフェンリルもあくびをしながらお座りしていた。フェンリルに護衛を頼んでたからな。


兵士達が慌ただしく動いている中、俺達はゆっくりとその場から消えていった。






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