32話 ギルド昇格試験②
俺は剣で烈風斬を放ちながら、ハイバリアーを唱える。その後に様子見でファイアボールを5個出して、黒騎士に打ち込む。
俺の烈風斬を1歩だけ動いてかわし、俺のファイアボールは持っている槍で打ち落としていく。最後のファイアボールを前に黒騎士は槍の先を俺に向け、槍を引いてそして打ち出す。俺は危険回避が発動し、俺も1歩だけ動いた。その瞬間、黒騎士の前に迫っていたファイアボールは元々そこに無かったかのように消え去り俺の横を槍の形をした何かが通過していった。
俺は続けてファイアボム3発を打ち込み、続けて、ハリケーンカッターを打ち込む。ファイアボムも黒騎士は槍でなぎ払い、ファイアボムは爆発せず、消えていく。更に1度ハリケーンカッターに包まれた黒騎士が槍を斜めに振るうと、ハリケーンカッターも消え去る。
やはりあの槍には魔法無効化がついているのだろう。又は黒騎士のスキルだろう。まぁ、それはそれでやりようはあるが。槍だけに・・・・。
相手もこちらの魔法が驚異に感じているのか、それとも様子を見ているのかは分からないが、俺は攻める事にする。
ルビィに聞いたが、魔法を無詠唱で出しているのを見たい事がないし、1度にそこまで沢山の数を出しているのも見た事無いし、次々に色んな種類の魔法を使っている人も見た事が無いそうだ。
なので俺はウォーターボムを3個出し、
黒騎士の前の槍が届かない所に打ち込む。ウォーターボムは爆発し、視界が遮られる。俺はプレスウォーターを3本打ち出し、水のレイザーが相手へと飛んでいく。
黒騎士はレーザー1本は槍で弾き、1本は大盾を使って防いだが、1本は鎧に当たりよろける。鎧自体は無傷だが、中の人にはダメージが通ったのだろう。
俺はそのまま、アースボムを同じように手前で地面に当て、一瞬だけ神力を解放。そのまま相手の後ろに回り込み、
相手が俺の気配に気付き、後ろを振り返った所で再び一瞬だけ神力を解放。そのまま一刀両断で剣を振り切った。
黒騎士の兜が真っ二つに割れ、左右に落ちる。その瞬間金色の長い髪がフワリと宙を舞い、美しい女性の顔があった。
『な!?あ、あんた、女だっ・・・』
その瞬間俺が手にしていた剣が粉々に砕け散った。
「ああーーーー!!私の剣がーー!!」
ルビィの声が聞こえて一瞬そちら目をやると、前にいた黒騎士は姿を消していた。そして耳元に
「俺が女である事は黙っていて欲しい。
そして試験は当然合格だ、これで同じSランクだな。それではまた会おう、アラシよ。必ずな!!」
そんな声が聞こえてきた。そして黒騎士はそのままロンドに向かい、耳元で何かを伝えている。まぁ、俺の合格を伝えているのだろう。黒騎士はそのまま片手で割れた兜を元に位置でキープしながら、片手で槍と盾を持ちながら、ギルドの階段を進み消えていった。
まぁ、俺には全部見えてるんだが。
本人は見られていないと思っているんだ。何かその姿が可愛いらしかったが、俺は空気を読める男・アラシ!
知らんぷりをしておこう!!
「こらーー!!アラシーー!!
私の剣をー、壊してーー!!
なんて事するのーーー!!」
そう言いながらルビィはこちらには走ってくる。
でもこの剣、元々俺のやつだし、ルビィに貸しただけのはずなんだけど。
ルビィは粉々になった剣を座り込んで集めている。
おい、ルビィ怪我するぞ。
「ううー、私のロビンソン。ロビンソンがー・・・・」
うわー、きつーい!!色んな意味で。
まず名前を付けてる点
これは誰しもがかかると言われてい 厨二病だ。
そして泣いているので、壊した俺が悪い様な気がして、感じる罪悪感。
『ルビィー、ロビンソンには済まない事をした。悪かった。』
「うん、しょうがないよ。いつかはこうなる事を覚悟してたから・・・」
そう言ってルビィは鍛錬場の地面を堀り、ロビンソンを入れていた。
そしてしっかりと土を戻し
「ねぇ、アラシ。最後にロビンソンに手を合わせてあげて」
そうして俺達は鍛錬場の中央で剣の残骸を埋めた場所に2人で手を合わせる。
周りの冒険者達は下を向いて肩を震わせている。
た、多分泣いているのだろう。
そう思う事にした俺は
『ルビィ、代わりと言ってはなんだが凄い剣を2本用意するよ。』
「え!?ホント!?やったー!!」
何なの、この子。天然なの?ド天然なの??
「アラシさん、先程合格にさせるようにと伝えてられましたので、チームの皆さんもギルドカードを提出してください。今回は少し時間がかかりますので、また夕方にでも戻ってきてください。」
ルビィと俺はギルドカードをロンドに渡し、リンの姿を探すとロビンソンが眠るその場所で手を合わせて祈っていた。
「あのー、アラシさん。アレって新しいコントですか?流石はアラシさんですねー。一緒にいて飽きません。周りの冒険者も肩を震わせて笑ってましたよ。」
ああ、知ってたさ!!みんなが笑ってたのは知ってたさ!!でも俺は罪悪感から逃れる為に恥を承知でルビィに付き合ったのだ。一片の悔いなし!!
リンがこっちに歩いてきて
「大切な物や長く使って愛着のある物を供養するのは当然だと思いますよ。武器は自分の命を守る大切なパートナーですから、特にそう感じます。」
おおう、この子、スゲーしっかりしてる。おうおう!!周りで笑ってた冒険者共よ!!今はばつが悪そうに俺から目を逸らしてんじゃねぇ!!1人づつ頭押さえて無理やり目を合わさせてやるからな!!
俺は自分の事を棚に上げて、心の中で冒険者共を煽る!!
リンはギルドカードをロンドに渡し、俺達は階段の前まで進む。
ロンド、ルビィ、リン、フェンリルが進んだ後、俺は振り返り、冒険者達を見渡す。そこで最高の笑顔とサムズアップを決めた。冒険者達も親指を立てて、試験の合格を祝ってくれた。
俺はそのまま親指を自分の方に向け、首の前を横切り、そのままニヒルな笑顔と共に親指を下に向けた。
そのまま俺は階段を上げる。
後ろで色々言っているが無視だ。
俺達はギルドを出て、買い物をする事にした。
「さて、とりあえず武器と防具以外の物から買っていこう、ここからは別行動にするか?」
「ううん、私はアラシと一緒が良い」
「私はいつもご主人様について行きます」
『良し、分かった。ならば2人共これを渡しておこう』
俺はそう言ってバックから2つの硬貨を取り出し、2人に渡す。
「「これって・・・・」」
『ああ、金貨だ。1人10万ダリーあれば足りるだろう。ちなみに生活用品や冒険用品は全てチームの貯金から出す。それは個人的に欲しい物を買うお金だな』
「こんなに要らないよー、それよりアラシが持っててよー。欲しい物があればアラシに買って貰うからー」
「私も、ルビィさんと一緒でご主人様に買って貰うから良いです。」
『む?そうか?分かった、それなら俺が預かっておこう。お前達も欲しい物があれば遠慮なく言うんだぞ、フェンリル、お前もな。』
そう言って俺達は買い物をしていく。
まず欲しかった
・テーブルとイス6個セット
・キングサイズよりも更に大きいベッド
(俺は普通のサイズのベッドを4つ買おうとしたのだが、取り出すのに時間が掛かるし、めんどくさいと全員から却下されてしまった。解せぬ!)
・木のコップ6個セット
全てバックに入れる。まだまだ入りそうだな。このバック。ちなみにダンジョンで少しこのバックの検証をしたのだが、入る容量は未定。生きてる生物の胴体や頭は入らない。
時間は止まっていないがかなり時間経過がゆっくりとなっている。前に買ったバックの中にこのバックを入れて、カモフラージュしている。(大きな物を買う場合は店を出て裏道に入りこっそりいれている。)バックの間口より大きな物を入れる事が可能。
バックに関してはそんな所だろう。
なので更に、肉、野菜、果物、パンなど万が一の為に買っておく。これで1週間位は余裕だろう。米を探したが見つからず、この街には無さそうだった。
そんなこんなで買い物を済まし、俺達は武器屋に向かった。
武器屋の店主に声を掛け
『この鉱石で武器を作る事が出来るかい?』
俺はバックからミスリル鉱石を1つ取り出し、店主に見せる。
「これは、ミスリル鉱石じゃないか!?久しぶりに見たよ!しかもこの大きさは初めてだ!あっと、済まない。ミスリルはウチの職人では扱う事が出来ない。申し訳ない」
『なら鍛冶場を借りる事は出来るかい?当然金なら払う』
「アンタが自分でやるのかい?そうだなー、道具と場所の貸出のみ、原料は自分で用意してくれ。その条件なら1時間200ダリーで貸し出すよ。」
『分かった、ありがとう。早速だが明日の昼前から借りたいんだか、大丈夫か?』
「ちょっとまってくれよ、うん、明日は特に何も無いから良いよ。炉に火を入れておくから、昼前で良いのかい?」
『そうだな、朝飯を食べてから少しして来る予定だ。それで頼む』
「了解だ、準備しておこう」
武器屋に出てから、俺達はギルドに向かう
ギルドに入ると気の早い冒険者達がお酒を飲んでいる。俺の方を見て声を掛けてくる冒険者が多い。俺達は軽く手を上げ通り過ぎていく。
そのまま受付で昇格の件だと伝えるとギルドマスターの部屋に向かって欲しいと言われたので、階段を上りギルドマスター室に入る。
「おお、ちょうど良かったです。準備が終わりましたので、どうぞ座って下さい」
俺達はソファーに掛け、次の言葉を待つ
「まずこちらが皆さんの新しいギルドカードです。」
そう言ってロンドはそれぞれにカードを渡す。
・俺 Sランクギルドカード 虹色
・ルビィ Aランクギルドカード 金色
・リン Aランクギルドカード 金色
カードの左上にランクが書かれており、
裏面には
・Sランクチーム ストーム(仮)
あっ、チーム名が・・・・
まぁ、良いか。Sランクのギルドカードの色は虹色なんだなー。見る位置を変えると色合いが変わるし、金色の方が良いな。と考えていると
「これからは滞在している街のギルドでギルド試験官依頼を頼むかもしれません。依頼料も出ますし、ギルドポイントも貯まります。」
ふむふむ、確かにそうだな。
「あと、Aランク冒険者以上の方に説明していますが、ギルドランクはSの上もあります。最初の説明ではしていませんが。ただ冒険者を長くやっている者はほとんど知っている事ですが。」
その言葉にルビィがウンウンと頷いている。
俺は知らなかったが、そうらしい。
「今後の為にもアラシさん達は1度この大陸の王都にある、ギルド本部に立ち寄った方が良いですね」
そこから俺達はロンドと少し話をして、宿に戻る事にした。




