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31話 ギルド昇格試験

朝俺は1人で目を覚ます。

いや、これが普通なんだ。

今までちょっと変わっていたそれだけなんだ。

俺はベッドを出て、リビングに向かう。


「おはようございます。ご主人様」


そう言って、リンが挨拶してきた。


『ああ、おはよう。ゆっくり休めたか?』


「はい、正直奴隷になった時点でこんな宿に泊まれるなんて、夢にも思いませんでした。これも全てご主人様のおかげです」


そう言って、リンは俺の着替えを出し、洗濯に出していた服を取りに行った。


「おはよー、アラシー。あれ?リンは?」


『洗濯に出してた物を取りに行ったよ』


「あちゃー、今回は私が行こうと思ったのにー!いつもダンジョンでもリンが洗ってくれてるもんねー。」


確かに俺は水を出しているだけで、洗うのがリン、干すのがルビィ、取り込むのがリンと言った感じだ。俺は基本料理を作っている。作るだけで洗うのはリンかルビィだ。


リンが洗濯物を受け取ってバックに入れて持ってきた。


俺達は朝食の前に今日の予定を決める為に話をする。

まず朝食を食べた後は少し、休憩をして、そのままギルドに向かう。その後ギルドで体を動かし、試験に望む。


試験が終わったら昼食を食べて買い物をする予定。俺は試したい事や買いたい物があるので、そこは必ず行く予定だ。

夕方までに買い物を済ませ、夜はこの宿で泊まる予定。その時にスキルポイントを割り振る予定だ。


下手に今操作すると体に違和感、動きに違和感を感じる事があり、試験終了までは触らない方が無難だという判断だ。

明日は次の街、王都へ行くか、今回の買い物次第で少しこの街に残るかを決定する事にした。


朝食の時間となり、女将が挨拶をしながら入ってくる。おい、女将よ。なんだ?その笑いは?何もしてないぞ。女将に最低もう1泊する予定と伝えると、お礼を言われ、出る際にお金を支払って貰えれば、この部屋を取っておくことが出来るそうだ。


俺達は朝食を済ませ、少し休んでから宿を出た。お金を支払い、女将と従業員から行ってらっしゃいませ、と声を掛けられ、少し嬉しい気分になりながら、ギルドに到着した。


冒険者から声を掛けられ、色々な呼び名で呼ばれたり、中級ダンジョンの事を聞かれたりしたが、今日試験がある事を伝えると、みんな遠慮してくれた。

慣れると気の良い連中である。


俺達は修練場で体を動かしていると、ギルドマスターのロンドがSランク冒険者が少し遅れるそうなので、先にリン、ルビィの順で試験をするそうだ。


対戦相手はロンドがするらしい。

Bランクの試験を受けるリンはロンドに戦える事が伝えられれば、合格らしい。

他のギルド職員が審判をして、対戦が始まる。


リンはまず自分にバリアーをかけ、続いてフローズンミストを詠唱している。

そこに矢じりを削ったロンドの弓矢が飛んでくる。リンはそれを見て、詠唱を行いながら右に回避。しかしそれを見越していたように、弓矢がリンを襲う。

リンが杖で矢を弾き、そのままフローズンミストを打ち込む。


ロンドはフローズンミストが現れる前に大きく横に飛び、回避する。が、右足がミストに触れ、右足が少し凍る。そこをチャンスと感じたリンは、更にアイスニードルを使用する。

ロンドは凍った足の氷を砕き動ける体制になった時点で、3本の矢を放つ。その矢が中央、左右からそれぞれリンに向かってくる。

リンは1本を杖で落とし、1本は回避、1本は

バリアーに当てて、落とす。

そのままリンは7本の氷柱を出し、ロンドに向けて放つ、しかもロンドの体の周りに回避されてもダメージが与えられるように、まるでダーツの的の様な形で飛んでいく。


ロンドは弓から短剣に持ち替え、まず短剣の柄の部分で足の氷を割り、向かってくる氷柱を避けながら、当たる氷柱は短剣で打ち落とす。遠距離戦を不利だと感じたようで、ロンドはそのままリンに向かって走り、接近していく。


リンは更にアイスニードルを詠唱し、自分の体の周りに7本の氷柱を出現させる。

それを打ち込むより早く、ロンドは短剣で素早くリンに切りかかる。

周りで見ている冒険者もロンドも勝負アリと思った瞬間、リンの姿が消えた。


リンはロンドの横に現れ、手に着けていたメリケンサックでロンドの顔に打ち込んだ。

そのままロンドが吹っ飛び、リンはアイスニードルを打ち込む仕草をして、審判を見る。


そこで

「しょ、勝負あり!勝者リン」


リンはロンドに勝利した。

まぁ、ステータス的にはリンの方が上だし、経験の差がどう出るかが勝負の分かれ目だったのだが。


「いててて、いやーリンさん。お強いですねー。油断したつもりは無いんですが。完敗です。しかし何故最後の僕の攻撃をかわせたのでしょう?」


リンはまずロンドにヒールを掛けてロンドを驚かせていた。

何種類も魔法を使えるのは珍しいらしい。

え?そうなの??


リンの話を聞くと、ロンドが回避している所を見て、速さは自分の方が上だと考えたらしい。なので、ロンドが接近戦を仕掛けてくる際にアイスニードルを囮にして、回避に集中していたらしい。


なるほど、確かに通常の状態でも速さはリンの方が若干上だ。しかも俺が朝渡した指輪をリンが付けている。朝はその速さに慣れる練習をしていたしな。それと状況判断が素晴らしい。あの中級ダンジョンの経験はリンにとって、大きな財産となったようだ。


「なるほどー。これはリンさんがAランクに上がれるように、ギルド本部に掛け合ってみましょう。強さ、状況判断、魔法力、魔法の種類、全てに関してAランクの実力があるでしょう。」


そう言ってロンドはリンと握手をしてお互いを讃えあった。


その後にルビィとの試合。

正直これは一方的になった。

スピードに関してはスキルと指輪の効果により、ロンドの2.5倍以上の差があり、力に関しても同様だ。

まず双烈風斬をロンドに当てない様に放ち(ルビィには本気でやるとロンドが死ぬから当てずに勝てと伝えてある)

その後凄まじいスピードでロンドへ迫る。ロンドの弓矢がルビィの通り過ぎた後の地面に虚しく刺さっている。


その後、ロンドが短剣を持ち替える前に

ロンドの前に到着したルビィはそのまま風神雷神を使用する。こちらも当てずに剣を振り回している。


傍から見ると、正直早すぎて何が起こっているのか理解出来まい。先程のリンが消えて見えた者達からすればルビィはリンの倍以上の速さなのだ。


ロンドも恐怖を感じているのか、短剣も持たずにただその場に立っている。


リンのスキルが終わり、次のスキルに移る前に


「わ、分かったから!降参だ!」

ロンドが慌ててルビィを止める。


「ええー?まだ使いたいスキルあったのにー!!」

そう言ってルビィは残念がっていた。

いや、ルビィよ。それは可哀想だぞ。既に心が折れてるぞ、ロンドは。


ロンドの俺に近寄ってきて、他のスキルも凄いのか聞いてくる。


『うん?ああ、中級ダンジョンの5階層ボスと10階層ボスを倒したスキルと15階層ボスを倒したスキルをまだ使ってないな。』


ええー?と驚くロンド。

「正直、中級ダンジョンを攻略したのはアラシさんの力で、完全にワンマンチームだと思っていました。ちょっと現実を知ってもらう為に試験を持ちかけたんですが、現実を知らせられたのは僕の方でしたね。」


「ルビィさんの実力的にはSランクでも申し分ないんですが、ただ条件が揃ってないんですよねー。ダニーさんが良しとしてくれたら行けるような気かするんですが・・・」


そう言ってロンドはブツブツと考え出した。


そんなこんなでリンとルビィの試験は終わった。あとは俺の試験だけか。


ロンドが考え事から現実に戻ってきて

「アラシさん、すみません。待たせてしまって。まだ来てないようですので、もう少しお待ち下さい。」


「おう、分かった」

俺は鍛錬場の中央に進み、ルビィから借りた剣を構える。


『なぁ、いるんだろう?出て来いよ。』


「ほう、良く分かったな。」

その言葉と同時に俺の前に全身黒の鎧を着た高身長の人物が現れた。手にはこれまた黒の槍を持っており、槍の長さは高身長の人物よりも長い。反対の手には身長と同じ位の大盾を持っており、こちらも黒。

黒の鎧はとてもスリムでフルフェイス、頭の先から足の先まで全て覆われている。が、可動域はしっかりとあるようで、こんなハイレベルな装備は見た事がない。

さすがはSランク冒険者か。


俺は相手へと鑑定を掛けるが弾かれる感覚があり、見る事が出来ない。

やはり・・・か。


俺はルビィの戦闘が終わった後に、何か違和感を感じたので、探知をかけた。しかし何にも反応は無かったが、だが違和感は増すばかりだ。

俺はみんなにバレないように、本当に一瞬だけ神力を使って探知する。するとハッキリと反応があった。更に俺はその場所に少しの神力を目に集め見てみると、今の人物の姿が見えた。そこで俺は中央に進み、相手をあぶりだしたのだ。


多分相手のスキルか装備だろう。相手の認識を自分に向けさせないようにする。しかし、みんなの注目を集めてしまった以上、神力は使えない。鑑定を神力で使っておけば良かったと思いつつ、楽しめる戦いになるのなら、それはそれで面白いと思うようになった。


『それで、俺の試験の相手はあんたか?』


「そうだ、俺の相手は貴様で間違いないようだな、Bランク冒険者よ。」


『なら、やろうか』


「実際、姿を隠していた俺を見つけたのは君が初めてだ。そこで、どうだろう。俺は君を合格とするが。」


『ふっ、こんな面白い相手を前にして戦わない訳ないだろう?』


「やはり君は俺と同類のようだ、だが後悔するなよ?そして俺を楽しませてくれよ?」


『はっ!!こっちのセリフだ、この野郎!』


そう言って俺達は審判も居ない状態で試合と言う名の真剣勝負が始まる!!





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