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29話 中級ダンジョン攻略 その後

宝箱の中から眩い光が溢れ出す。


そこに入っていたのは、4個の指輪だった。俺は鑑定を掛ける。


・???????


ぬおっ!?鑑定が効かない!?


「ねー、アラシー?この指輪はどんな指輪なのー??ねー、ねぇってばー!」


『この指輪はなー、分からん!』


俺は鑑定が聞かなかった事を説明し、この指輪はどうするか相談した。

本来は鑑定出来るまで持っていた方が良いのだが、何故か俺は付けた方がいいぞと言われた気がした。ジンかな?


指輪は見てみると、とてもシンプルで1ヶ所に見た事もない、小さな宝石が埋め込まれていた。皆も俺の意見に賛成してくれて、結局、フェンリルも含む皆で付けることにした。


その後、転移陣を通って1階層へ。

兵士が驚きながら近寄って来て


「し、失礼します。確認ですが、ダンジョンボスを討伐されたのでしょうか?」


『ああ、今さっき倒してきた所だよ』


「おおー!!凄い!!これは領主様に報告しなくては!!すみませんがギルドランクとお名前を聞いても?」


『Bランク冒険者のアラシだ』


「Bランク冒険者のアラシ様ですね!

Bランクでこのダンジョンを攻略されるとは!おい、皆。急いで領主様に連絡し、手の空いてる者はダンジョンへ乗り込め」


そう言って兵士達は慌ただしく動き出した。確か、ダンジョンボスが居なくなると、数が減って魔物が弱体化するんだっけ?


俺達はそのままダンジョンを出て、セカンディアの街へと向かう。


俺達は街へ向かう途中で昼飯を作り、食べてから再度セカンディアへ向かう。


しばらくするとセカンディアの門の所に兵士が集まっていた。

俺達は門まで歩いて行くと、兵士の1人が

「すみません、Bランク冒険者のアラシ様ですか?」


『そうですが、何か?』

俺はそう言っていつものように門兵にギルドカードを渡す。


「おおー、間違いない。アラシ様、お疲れの所申し訳ありませんが、この街の領主様がお会いしたいそうです。馬車を用意しておりますので、どうぞこちらにお進み下さい。」


《なぁ、ルビィ。この誘いは断っても良いのか?俺はあまり貴族に良い印象が無いんだが》


〈うーん、基本は断れないね。でもセカンディアは良い街だし、領主の悪評も聞いた事が無いし、特にまずい事にはならないと思うから、会うだけ会うのが無難かなー??〉


《おう、分かった。会うだけ会うか》


俺は兵士の後に続き、馬車に乗り込み、街の中を通って行った。

1度馬車が止まり、兵士が中を確かめに来た。その後すぐに馬車が走り出し、俺達は外を覗いていた。これは貴族街だなー。最初に見た時の門の奥に俺達は今、入っている。


その後馬車は緩やかな丘を登っていき、道の先にある、1番大きな屋敷の前に馬車が止まった。


「アラシ様、どうぞお降り下さい」

兵士に声を掛けられ、俺達は馬車を降りる。屋敷の前には執事やメイド服を来た女性が立っており

「アラシ様、ようこそお越しくださいました。これより領主の元へとご案内致します。どうぞ、こちらにお進み下さい。」


そう言って屋敷に通された。

屋敷の中は豪華絢爛と言うに相応しい豪華な作りで、しかし嫌味もなく、何故か居心地の良い空間が広がっている。

正直来るのもめんどくさかったが、この屋敷の主となれば、しっかりした人物だろうと何故か思った。


そのまま俺達は応接室に通され

「領主を呼んで参ります。少しこちらでお待ちください」

そう言って執事は扉を出ていった。

メイドがお茶と茶菓子を持ってきてくれて、俺達はそれを楽しんでいた。


扉が音をたてて、バンと開き

「おい、お前!!中級ダンジョンを攻略したのはお前か!?なら、ダンジョンボスの魔石とその宝を俺様に寄越せ!俺様が貰ってやるから出せ!!」


『なんだ?お前?』

俺はそう言って鑑定を掛ける


・コセガーレ = ロメロ Lv.1

職業 : 次期伯爵


なんだ、伯爵のボンボンか。


「おい!貴様!!誰に口を聞いている!?

おい!お前達、不敬罪だ!!この男を処分しろ!!そして宝を奪え!!」


一緒に入ってきた兵士4人が少し戸惑いながら剣に手をかける。


『おい、あんたら。剣抜いたら、もう冗談で済まされないぞ。そん時は殺し合いだ。俺は手加減しない。それでも良いならかかってこい。』


俺は兵士共を睨みながら、言った。

兵士共も俺達がダンジョン攻略者だと知っているのだろう。剣にから手を離し後ずさる。


「な、何をしている!?こんな弱そうな奴、さっさと殺してしまえ!!俺様は宝が欲しいんだ。早くしろ!!」


『おい、お前。お前が直接来いよ。相手してやるよ。あと、お前が言っている事が領主家の総意として受け取って良いんだな?領主家はダンジョンを攻略した冒険者から宝を奪い、殺す。それなら俺にも考えがある』


「な、何だとー!!当たり前だー!!

俺様は次期領主様だぞ!!俺様の言う事が絶対なんだ!!お前も殺されるのが嫌なら早く宝を置いていけ。さもないと、お前はこの街で、いやこの大陸で生きていけなくさせるぞ!!」


『分かった。おい、皆。行くぞ』

俺は立ち上がり、全員で出ていこうとした。

その時に


「おい、何をやっている?」


扉から40代後半の身なりのしっかりとした男性が現れ、兵士やボンボンに向かって声を出した。

その後俺達は立ち去ろうとしているのに気づき


「遅れてしまい、申し訳ない。

私はこの街の領主をしております

キマージメー=ロメロと申します。

アラシ殿、お忙しい所無理を言って申し訳ない。少し話をさせてほしいのですが、いかがかな?」


「おい、親父!コイツは俺様にふざけた口を聞いたんだ!!不敬罪だ!捕まえてくれ!」


「おい、黙っていろ。私は今、アラシ殿と話をしているのだ!」


「な、なん・・・・」

そう言ってボンボンは顔を赤くして下を向き兵士を連れて出ていった。


「私の息子がご迷惑をお掛けしたようで、申し訳ない。さ、どうぞ座って下さい。お茶も冷めてしまっているようですし、新しいのを入れなおしましょう。おい、誰か。新しいお茶と茶菓子を、私の分も頼む」


扉の外にいたメイドがかしこまりましたと言って姿を消した。

俺達は座り直し、さっきまでの事を話した。


領主はそれを聞きながら、だんだん眉間に、シワが寄っていく。新しいお茶を持ってきたメイドさんが配ってくれている中


「本当に申し訳ありませんでした」

そう言って領主を深々と頭を下げた。

その瞬間、メイドさんは驚きお茶をこぼしそうになったが、ギリギリ耐えていた。


「領主として、一切そんな事はいたしません。私はダンジョンでの話を聞き、出来れば攻略した冒険者と懇意になりたかった。ただそれだけなんです。」

領主は頭を下げたまま、話をしてきた。


『なるほど、理解はした。だが納得はしていない』

俺はそう領主に言った。


『もし仮に兵士が俺達を襲ってきたら?

殺されていたら?アンタと出会わずに屋敷を出ていたら?この街で、この大陸で生きていけないようにさせられたら?俺達はそれほどの事をされた。だから納得はしていない』


「分かっています、ハッキリ言って中級ダンジョンを攻略された冒険者は王国より表彰されるでしょう。爵位も授けられるでしょう。それが無くても、人の道に外れた振る舞いをしてしまった。私に出来るのは息子を身分を剥奪して勘当する事ぐらいです。」


『良いのか?跡取りなんだろう?』


「はい、しかし息子はまだおりますし、実際次男は私から見ても優秀です。親バカかもしれませんが。それに比べてあの長男は問題ばかり起こすダメ息子です。丁度良い機会かも知れません」


『そうか、それならこの街の為にも良いかもな。ならそれで手を打とう』


「ありがとうこざいます。せっかくお越し頂いたのに、こんな事になってしまって」


『いや、こういうテンプレも異世界ならではだしな』俺は小声で言った。


「はい?今何と?」


『いや、こっちの話だ。気にしないでくれ』


「こんな状況ではお話を聞けませんね。私は息子の件で、色々やらねばなりません。せっかくそれで手を打って頂いたのに、また問題事を起こされたらたまりませんので。」


そう言って領主は立ち上がった。


「ああ、そうだ。おい、アレを持ってきてくれ!」

領主は扉の外に声をかけ、執事が扉を開けて入ってきた。その手には小さな箱を持っており、それを領主に渡す。


「アラシ殿、これを受け取って下さい」


俺は箱を受け取り中を見る。

そこには銀色のメダルが入っていた。

「それは我が伯爵家の紋章の入ったメダルです。何かあった場合はそのメダルをお出し下さい。他の街でも、特にこの街では貴族街にもすぐに入れますし、この屋敷にも入れます。すぐに私とも会えるでしょう。これは私があなた方の後ろ盾になっていると言う意味になります。」


『ほう、良いのか?こんな便利な物をもらって』


「ハッハッハ、アラシ殿はとても正直者のようですね。私はそういう男は嫌いじゃない。むしろ好ましいと思います。ぜひ受け取って下さい」

そう言って領主は頭を軽く下げ、失礼すると出ていった。


俺達は執事の案内で応接室を出た。すると2階から俺達を睨むバカ長男がいた。

俺達は無視をしてそのまま屋敷を出ていった。


外は日も沈み、暗くなっていた。

俺達はギルドに向かうように馬車を動かしている兵士にお願いし、馬車の中で少し休む。


ちなみに後で聞いた話だが、バカ長男はすぐに身分を剥奪され伯爵家から勘当されたらしい。そして俺達の事を恨んでいる事も。


そんなこんなで俺達はギルドに到着したのであった。



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