17話 2つ目の街
朝、俺は少し期待をして目を覚ます。
このパターンは美少女が抱きついている可能性が大いにある!!
予想通り美少女は抱きついていた。
フェンリルに。
リンはフェンリルのお腹に顔を乗せ、モフモフを楽しんでいるのか、凄く笑顔である。
フェンリルも嬉しそうに尻尾が微かに揺れている。コイツ起きてるな。
『フェンリル、おはよう。
リンを起こしてくれ。俺はルビィを起こしてくる。起こしたら下で朝飯を食おう。』
俺はルビィを起こしにいく。何度かノックすると扉が開き、目を擦りながらルビィが出てきた。朝の挨拶と用件を伝え、俺はそのまま下で待つ事にする。
やがて全員揃い、朝食を食べて宿を引き払う。宿の少女に感謝のチップを渡してそのままギルドに向かう。
ギルドでまず、リンの冒険者登録を行った。リンは試験で魔法を使用し、合格となった。
試験官はダニーさん。Gランクからのスタートで白色のギルドカードを受け取った。
昨日調べておいた聞いておいた情報を再度確認し、受付のニキータさんに次の街に向かう事を告げる。
「やはりもう行ってしまうんですね。
次の街に着いたらキルドでカードを出してください。」
基本街に出る時と入る時はギルドに登録しておく。特別依頼、緊急依頼、指定依頼等スムーズに行う為らしい。
『お世話になりました、ニキータさん』
俺は別れの挨拶を済ませ、くま大将にも別れの挨拶をし、ついでに串焼きも20本買っておく。そして次の街への馬車に乗り込む。料金は1人200ダリーだ。
ペットは50ダリーだ。
ここから次の街セカンディアまでは半日程らしい。
道中は特に魔物とも出会わず、日がくれる頃にセカンディアに到着した。
セカンディアに入る前に門番が人々の確認を行っている。
俺たちはギルドカードを門番に渡し、そのまま中に入る。
セカンディアは最初の街ファーストンよりも大きく、街並みもレンガ造りとなっており、
通りの道もレンガ造り、街灯も魔道具を使っているようで、街中も明るい。
夜の街だが、歩いてる人はとても多かった。
馬車から降り、ギルドの場所を確認してギルドに向かう。
ギルドはファーストンの街のギルドより大きく、出入りしている冒険者も多い。
ギルドに入り、受付へと向かう。
中はホールで広く、左側はテーブルが並んでいて、そこでは食事や酒を提供しており、多くの冒険者が騒いでいた。
右側に依頼書の掲示板があり、その奥には下へ進む階段があった。
正面には広い受付とその横には買取所があり、更に上への階段がある。買取所の横には扉があり、外に続いているようだ。
登録をする為に、受付へと進む。そこで
「おい、二ーちゃん、ここは新人冒険者が来る所じゃねーぞ?かわいいねーちゃん達をはべらかして、調子乗ってる所悪いけどよー、目障りなんだよ!!」
やっぱりあるんだな。でも少し期待していたテンプレなので、楽しもう。
俺は鑑定をかける
名前 : キッコリ Lv.11
職業 : 斧士 Lv.2
体力 : 28/28
力 : 24
速さ : 10
防御 : 23
スキル : 斧技 Lv.2
初級冒険者E
えっ!?雑魚じゃん。ウケる~。
俺は笑いそうになるのを必死に堪えていた。その姿を見て勘違いしたのか
「ビビらしちまったか、まあ二ーちゃんは家に帰って母ちゃんに乳でも吸ってな、本来なら先輩の指導を食らわせてやる所だが、ねーちゃん達が俺たちに付き合ってくれれば許してやるよ!」
そう言ってキッコリは顔を横に向けた。
その先にはキッコリのチームメンバーだろう、5人がジョッキを持ちながら、ニヤニヤしていた。
ルビィは鬱陶しそうに、リンはアワアワしている。フェンリルは今にも飛びかかりそうだった。
『フェンリル、俺がやるから手を出すな。』
あれ?犬って足になるのか?足を出すなって言うのもおかしいな。
フェンリルに声をかけ、バカな事を考えていると、キッコリがこちらに近づき、リンに手を伸ばそうとしていた。
『おい。俺の仲間に何をする?』
俺はそう言ってキッコリの首を掴み、持ち上げた。
「なっ、ぐ、ぐるじぃ!はなじてくれ。」
キッコリの仲間が立ち上がり、こちらに向かっていたが、俺が片手で体格の良いキッコリを持ち上げているので、ビビって周りでヤジを飛ばすだけだった。
俺はキッコリを掴んでいた手を離し
『俺たちに関わるな。』
そう言って受付へと向かう。
キッコリは席に置いてあった斧を取り、
「てめー、許さねえ!ぶっ殺してやる!」
『おいおい、武器を持ったら殺し合いだぞ、良いのか?』
「うるせー、くらいやがれ!!」
斧を振りかぶり俺へと振り下ろそうとする。
俺はその瞬間、キッコリの懐に入り、顔面を軽く殴ってやった。
キッコリは吹っ飛んでいき、床を転がりながら、受付カウンターに当たり、ようやく止まった。
俺はキッコリまで歩いていき、キッコリの髪を掴み、持ち上げた。
鼻と口から大量に血を流して気絶しているキッコリの頬をビンタして起こす。
「ぐ、が、がんべんじでぐれ」
『はぁ!?殺すに決まってるだろう。確認したよな?殺し合いになるぞと、それでもお前は斧を振るったんだ。お前が殺して良くて、俺はダメ。そんな理屈通らんだろ?』
「ずみまぜん、ゆるじてぐだざい、な、なんでもじまずからー!!」
謝ってももう遅い。俺はキッコリの髪を掴んだまま、引きづって下の階を目指す。
多分練習場があるはずだ。
受付の女性が近寄って来て
「殺人は見逃す事は出来ません!!
罪になりますよ!?謝ってるんだし、許してあげてください。」
『おい、お前。殺人は見逃せない?
なら、何故俺が絡まれた時や斧で攻撃を受けようとした時止めなかった?
俺は殺さても良いが、殺してはダメとギルドは言っているだな。』
「そんな事は言っていません。
あなたはギルドを除名にします!
早々に立ち去ってください!!」
『除名か、構わないぞ。でも俺はこいつに責任をとってもらう。それから出ていこう。』
俺はそのまま階段を降りていく。
まぁ、実際は殺すつもりはないのだが、正直ギルドも糞だし、半殺しにしてこのままこの街を出るか。そう思いながら階段を進んでいく。すると後ろから
「皆さん、あの男を捕まえてください!!
緊急依頼です!!」
そんな声が聞こえてきた。
俺は練習場の真ん中まで進んで、キッコリを放り投げた。
階段付近には多くの冒険者が俺を囲もうと動いている。
『さて、これからお前を殺す訳だが、最後に言い残す事はあるか?』
「本当に悪かった!!2度とあんたにはさからわねーし、他の奴にも絡んだりしねぇ!
だからかんべんしてくれ!!」
キッコリは土下座しながら言った。
この手の奴は何度でも同じ事をする。
さて、どうお仕置きしてやろうか。
「お、おい!ギルドマスターが来たぞ!」
冒険者の声が聞こえたので、そちらを振り向くと、冒険者達が道をあけ、1人の男がらこちらに歩いて来た。
俺の近くに来て
「私はこのギルドのマスターをしております、ロンドと申します。部下より報告を受けてこちらにまいりました。報告によるとあなたが犯罪をおかしたと聞いておりますが、あなたからも意見を伺いたいのですが、いかがでしょう?」
ほう、さすがギルドマスターだけあって、考え方がしっかりしている。しかも何よりこの男は強い。
鑑定
名前 : ロンド Lv.52
職業 : 超狩人 Lv.5 (ギルドマスター)
体力 : 221/221
力 : 168
速さ : 252
防御 : 142
スキル
探索 Lv.5
罠解除 Lv.5
上短剣技 Lv.5
超弓技 Lv.3
上級冒険者A
俺はギルドに入ってからの状況を説明した。
それを黙って聞いていたロンドは全て聞いた時点でキッコリにも間違いないか確認。キッコリも間違いない事を伝え、ロンドは集まっていた冒険者にも確認していた。
「なるほど、分かりました。それではこうしましょう。まずキッコリを殺人未遂として捉えます。それでそのまま犯罪奴隷にしましょう。売れた金額をあなたにお渡しします。どうでしょう?」
『あんたがそう裁くならそれが正しいのだろう、それで構わない。』
「分かりました、それではすみませんが少し私の部屋まで来てくれませんか?」
そう言ってロンドはギルド職員に指示を出し、ロンドを牢に連れて行くように指示を出し、冒険者達に声をかけ、解散させた。
俺は仲間に詫びを入れた。
ルビィは俺が間違っていないと言ってくれて、リンはご主人様は悪くありません、私を庇ってくれたありがとうございます。と言っていた。フェンリルはいまからでも殺りますか?とやる気まんまんだった。
とりあえず俺はギルドマスターの後を追った。




