14話 街での出来事
俺はチーム名を伝える為、ギルドの受付に
『チームの登録をお願いします。
リーダーは俺で、メンバーはルビィ。
後はペットもいるんだが、どうしたら良い?』
すると受付のニキータさんが、
「はい、チーム登録ですね、
ペットは魔物なんですか?」
『魔物だな。今はギルドの外にいるよ。』
するとニキータさんはガタンと立ち上がり、
「なんて事をしているんですか!危険な魔物を街に入れるなんて。しつけは出来てるんですか?危険ではないですか?」
言いながら受付から飛び出し、ギルドの出口に向かう。
『ああ、問題ないよ。俺の言う事はしっかり聞くし、危険はない。』
俺は殺されかけたけどね、っと思いながらも口には出さずに俺もニキータさんに続いた。
ギルドより外に出ると、そこには街の子供達にもみくちゃに撫でられているフェンリルがいた。
「アラシどのー、助けてくだされー。
」
俺はフェンリルを抱き抱え、子供達に用があるからと伝え、ニキータさんを見た。
「か、かわいい!!なんてかわいいんですか!!!アラシさん!!ちょ、ちょっと触らせてください!!」
ニキータさんはそう言って
俺の腕の中のフェンリルをモフりだした。しばらくモフった後、
「おほん、魔物はしっかりと、しつけが出来ているなら、首輪をしていれば討伐対象になりませんし、街の中に入る事も可能です。ただし、相手に攻撃した場合は討伐対象となるのでご注意ください」
昨日のうちにやっておけば良かったなと思いながらもギルドの中に戻り、首輪を買った。
「ペットはチームメンバーとしては入りませんので、登録は必要ありません。ただ、首輪の購入者は飼い主として、登録して頂きます。」
俺は手続きを済ませ、チーム登録を行った。
「チーム名はどうされますか?」
横にいるルビィにチーム名を伝え、了承を得る。関心がないらしい。
『チーム名は ストームにしてください。ただ、他に良いチーム名が出てくるかもしれません。チーム名は後からでも変更できます?』
「出来ますが、お勧めはしません。そのチーム名が有名になった場合、指名依頼もチーム名で入るので、なるべく変えない方が良いですよ。」
なるほど、だが変更は出来るのか。
『それならばチーム名は
ストーム(仮)でお願いします。』
「ふふふっ、分かりました。
ストーム(仮)ですね。」
そう言って登録をしてもらった。
「あと、チームとしてはBランクとなります。チームランクは基本リーダーの方のランクか同じランクの方が3名以上いる場合は1つ上のランクになります。今回の場合はリーダーのアラシさんのランクに合わせてチームランクも決まりました。」
ふむふむ、なるほど。
ギルドでは用が済んだので、1度宿に戻る、ルビィも同じ宿が良いと言う事でそのまま宿で昼飯を食べ、ルビィは荷物を取りに自分の宿に戻るそうだ。こちらの宿に空きがあったらしい。
俺は街をぶらぶらする事にした。
フェンリルと一緒に歩く。
街には色々な店が立ち並び、お洒落なカフェや本屋、小物屋、服屋、防具屋、武器屋、鍛冶屋、魔道具屋があり、魔石は魔道具に使用するそうだ。
それ以外にも出店の屋台等が並ぶ場所もあり、街の入口より近い場所に多い。
そんな中、出店の雑貨屋と言えば良いのだろうか、良く分からない商品が色々と置いてある。俺はそこまで歩いていき、
1冊の本を見つけた。
「らっしゃい、お客さん、お目が高い。その本はいい本だよ!」
『見てみても?』
「あぁ、構やーしねぇーよ、俺にはなんて書いてあるか分かりゃーしねーから。」
俺は本を手にして鑑定をかける。
・上級魔法書
上級の魔法が書かれた本
おっと、これは掘り出し物だな。
中を見てみると、書いてある文字は読む事が出来る。
『いくらだい?』
「本当は5,000ダリーだが、これも何かの縁だ。特別に500ダリーに負けてやるよ。」
5,000ダリーでも間違いなく買ったが、安くしてくれるなら甘えよう。
俺はバックから500ダリーを取り出し
『買うよ。』
お金を手渡そうとした。
「へ?ほ、本当に良いのか?
いつも50ダリーでも売れ残っていたのに。」
言わなきゃ良いのに、と思いながらも
『ああ、俺にはそれだけの価値がある物だからな、良い買い物が出来たよ。ありがとう。』
そう言ってお金を渡し、宿に帰ろうとした。
その時、ドンっと俺に誰かがぶつかってきた。
『ん?』
「痛っ、す、すみません、急いでて!」
そこには12歳程の少女が倒れていた。
立ち上がり俺の方を向く、うおっ!?
俺にはそんな気はないが、何やら目覚めてしまいそうなくらい、美少女と目が合った。しかも耳が獣の耳た。ヤバい。ヤバ過ぎる!!
俺の心の中はどんちゃん騒ぎのカーニバル状態だったが、表にはそれを出さずに
少女に手を差し出した。
少女を良く観察すると首輪をしており、首輪には魔石が埋め込まれていた。
服装もお世話にもいい物と言えない。
すると5人くらいの野蛮そうな目付きの悪い男達が俺の周りを囲む。
その内のリーダー風の男が、
「おいおい、リンよ。逃げられると思ったのかな?そこのお兄さんも悪い事は言わない、こちらに引き渡してくれないか?
そいつは大事に商品なんだ。」
『ん?どういう事だ。』
「そいつは、リンはうちの奴隷なんだよ。今日到着して、奴隷館に入れて販売する予定が馬車を降りた瞬間に逃げやがった。逃げてもどうにもならないのにな」
少女は俺の背中に捕まり、下を向いてプルプルと震えていた。
『いくらだ?』
「はぁ?お兄さんよ、その格好なら金をあんまり持ってないんだろ?舐めてもらったら困る。」
『いくらか聞いているのだが?』
「50,000ダリーだ!!
無理だろ、お前みたいな奴には払える金額じゃない!!カッコつけるのもいい加減しろ!!こっちは遊びじゃねーんだ。
お前らリンを連れて来い!!」
ついに我慢の限界が来たのか、
そう言ってリーダー風の男は周りの部下風の男達に指示をだした。
『買おう』
俺はバックからお金を出し、リーダー風の男に見せる。
「あん?はっ?えぇぇ!?
本当にお金持ってんの?買うの??」
『ああ、さっきから言ってる。買おう』
「お、おう!ならお客さんだな。
手続きするんで、1度奴隷館に来てくれるか?」
『分かった、伺おう。』
俺とリンと男達は奴隷館に向かった。
その後奴隷館に到着し、応接室で待った。
何かあるといけないからと、リンを俺の横に座らせる。
しばらくすると館主が現れて俺に挨拶をしてくる。俺も挨拶を返す。館主は女性で
「お客様、リンを5万ダリーで買いたいそうですが、他にも当館には優秀な奴隷が大勢います。戦闘に長けている物、家事全般を完璧にこなすメイド、美しくグラマーの女性、ロリータ。5万あれば最高は無理でも優秀の者を選べます。そこにいるリンはまだこちらで教育が出来ていません。なのでまだ家事全般も出来ない。戦闘も出来ない。そんな状態です。ですので他の奴隷を購入されてはいかがでしょう。」
『いや、結構だ。俺はこの子を買うと言っているんだが?』
「何故そこまでリンを・・・。理由をお聞かせ頂いても?」
『この子は俺に助けを求めた。そして俺は助ける事に決めた。それだけだ。俺は手に届く範囲で助けたいと思った者は助ける。だから俺は今、他の奴隷に助けを求められても金銭的に余裕がある訳じゃない。だから他の奴隷は見ない。』
しばらく館主は俺の目を見つめる。
しばらくして、ふぅーと息を吐き
「リン、お前はどうなんだい?」
「私はこの人じゃなきゃ嫌です。この人が良いです。」
しばらく今度はリンの目を見つめて
「分かりました、リンをお譲りしましょう。金額は3万ダリーです。まだ教育は出来ていませんが、素質はかなり高いものを持っています。大切にしてあげてください」
そう言われて俺は3万ダリーを渡す。
「それでは契約を行いますので、リンは首輪を近くに、アラシ様は血を1滴貰えますか?」
『これは何なんだ?』
「この首輪は魔道具で血の契約で主人の登録をします。奴隷が主人に危害を加えないようにする為です」
『なら、しなくていい。それとこの首輪を外してやってくれ』
「え?良いんですか?」
『ああ、構わない』
館主は特別な器具を使って中央に魔石が埋まっている首輪を外しました。
「これより奴隷に関する条件を伝えます」
・1日3時間以上の睡眠時間
・1日1回の食事
・奴隷を殺すと罪となる
・相手が了承すれば体の関係も可
更に首輪を外した奴隷がもし犯罪を犯せば、それは購入したものにも罪が与えられる
奴隷は奴隷館で解放登録をすれば解放出来る。一般奴隷のみ。
「解放されますか?」
『いや、この子が大きくなるまで、俺が責任を持つ。大きくなって本人が望めばそうするさ』
そう言って全てを終わられ俺達は奴隷館を出た。
その後宿に戻り、ルビィと合流。俺はリンをルビィに紹介し、これまでの説明した。
リンにもルビィの説明をした。
「よろしくねー、リンちゃん」
「よろしくお願いします、ルビィさん」
俺はリンの部屋を取ろうとしたが、リンが一緒の部屋じゃないと嫌だと言い出し、結局少し広い部屋に変更してリンと同じ部屋で寝る事になった。食事も頼み、リンの食事代と部屋代も合わせて払う。
するとリンは席で座っている俺の後ろに立ち、そのまま動かない。テーブルに全員の料理が置かれても立ったままだ。
俺はリンに何をしているのか聞くと、奴隷は主人と一緒に食事をしてはいけない。もしするのであれば床で直接食べるように教えこまれているらしい。
なんだ?その馬鹿げたルールは。
俺はリンにそんなもん忘れろ。
俺が主人でルールを決める。
飯はみんなで食った方が美味い。
だから今から横に座って飯を食え。
そう言ってリンを座らせ飯を一緒に食べた。リンは泣きながらゆっくり食べていた。
食べ終わり、部屋に戻る。
俺はルビィに部屋に後で来てほしいと伝えた。




