異世界で試練よりも満喫する!!
初めての投稿です。
皆さんにも自分にも楽しめる作品になれば良いなと思っております。
よろしくお願いします。
『ん?』
目を覚ますと、そこは知らない場所だった。
草むらの上で上半身を起こし、周りを見渡す。草むらは多分体育館ほどの広さで、その奥には林が続いている。周りは光も通さないほど闇が覆っており、草むらと林の間に白く輝く光が浮かんでいる。
光の下には誰かがいる。
『何だ、ここは?なんで俺はこんな所で寝てるんだ??』
いきなりの事でかなり気が動転している。
知らない場所、さらに異質な状況に驚いていると、光の下の人物が振り返った。
「おおう!珍しいな、こんな所に人が来るなんて!」
振り向いた男は30代後半ぐらいで、上半身は裸、下半身は袴のようなものを履いていた。
「よし!お前、立ってみろ!」
いきなり立てと言われても・・・
『まあ、いいか。これでいいのか・・・うおっ!?』
立って男を見ようと目を向けると、5メートル程離れていた男が拳を俺の目の前に置いている状態になった、なっていた?
『な、なんなんだ!?いきなり』
「ふむ」
男は顎に手をやり、考え始めた。
俺はいきなりの事で腰を抜かしたが、ちょっと腹が立ったので、文句の1つでも言ってやろうと立ち上がろうとした時、男はこちらに目を向け、手を差し出して
「いきなりすまん!俺の名前はジン!お前の名前は?」
まぁ、相手の攻撃はくらってないし、すげー笑顔で手を差し伸べて来たので、俺はその手を掴みつつ
『俺はアラシ、桜井嵐だ』
その時、手から何か少し温かくそして懐かしく優しいものが流れて来て、俺の中の何かと混ざった感じがした。
「さて、アラシ。お前がここにいると言うことは、これより異世界に転移してもらう事になる。剣や魔法のある異世界だ!当然魔物もいるし、多種多様な国もある!」
『へ?』
いきなりなんだ、なんなんだ!
意味が分からん、確か俺は会社が終わって明日は休みだからと、家でゲームをやりながら寝落ちしたと思う、それが異世界に?いや、憧れはあったよ?でも実際この状況になると現実に残してきた色々な事が頭をよぎるんだよな。しかもアラフォーに入った俺は、今更異世界に行っても役には立たないだろうしなぁ・・・
「ちなみにアラシの年齢は20歳ぐらいに戻っているはずだ、全盛期に近い状況での異世界だぞ!!」
あっ、これ相手の心読めるやつや、ある種ののテンブレだな、って事はジンは神なのか?
「あまり時間がないので、そこら辺は置いといてだな、早速だがチートの時間だ、選べ!!」
やっぱり心読めてるやーつー。
えっ、チートあるの!?
くそ、テンション上がってきたーー!!
選べって言うけど、これガチャガチャやん!?関西人じゃないが、これガチャガチャやーーん!!!
「おう!これよく振ってやるぞ!ちなみに下から白、銅、銀、金、白銀、レインボーとかあるぞ!」
ジンはガチャガチャを縦によく振って、シェイクしている。そして回す所を俺の目の前にもってきた。
『よーし!やってやるぜー!!頼むぞー神様ー』
俺は右手でガチャガチャを回そうとツマミを掴んだ、その時に俺の中にあった何かが胸の辺りから右手の先、つまりはガチャガチャへと流れた。
『行ったれーーーー!!』
ツマミを回し、ゴトンと出てきたのは、全部が真っ黒のカプセルだった。
『へ?』
「なっ!?」
黒なんてさっきの説明で言ってなかったはずなのに・・・
カプセルを取り、割ってみると
『おおーー!!』
カプセルから光の玉がいくつも浮かび上がり、そのまま俺の体に入ってきた。
ジンをみると下を向いて、プルプル震えていた。
『なぁ、ジン。これって・・・』
「ふっ、ふっはははーー、アラシお前面白いな!まぁ、詳細は後のお楽しみだな、それよりもミカ!」
「ハッ、ここに」
いきなり女性が膝まづいて現れた
「こやつに説明を」
『なぁ、ジン。これってどういう・・』
「オイ、貴様!誰に向かって口をきい・・」
膝まづいてた女性は立ち上がり俺の方を向いていきなり叫んできた。それをジンは手で制しながら
「ミカ、俺は何て言った?」
その瞬間、ミカと呼ばれた女性はすぐにジンの方を向いて膝まづき
「も、申し訳ございません、すぐに説明いたします」
そしてすぐに俺の方に向いて立ち上がった。
何か忙しいやっちゃなー、と思いながらもミカって物凄くキレイだなー、良いなー。とバカな事を考えていた。
そしてミカは俺を見て口を開く。
「これより貴様には異世界へと旅だってもらう、これは試練であり遊びではない。貴様と同じように、試練を受けるものを集めて説明する為、これより転移させる。もちろん拒否する事も可能、その場合は記憶を消して元の場所に戻す。さあ、どうする?」
さて、どうしよう?いきなりの展開ではあるが、戻る事も可能なのか。でもこの機会を逃したら二度と無い事は分かる。分かるが・・
そこで何気なしにジンを見たら、ジンは真剣な表情でこちらも見ていた。何故かお前ならやれると言われている気がした。
確かにアラフォーになってから、心躍る展開は滅多にないし、テンション上がる事も無い。なので俺は決意した。
『転移させてくれ』と