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コイン  作者: C'lore
2/2

君に殺された夢を見た。

私の貧相な胸に向かって、何度も包丁が振り下ろされた。

返り血が君の眼に飛んでいって、私の一部が混じったのを感じた。

それがたまらなく嬉しくて、痛みも快感に変わっていった。

君は私に包まれた。


君に殺された夢を見た。

私の青白い首筋に、ロープを思いきり巻きつけられた。

君の温かさを感じたくて、密着し身体を全て預けた。

抱擁の力が強くなって、緊張で鼓動が速くなった。

消えない痕を刻んでもらえた。


君に殺された夢を見た。

目の前で毒を入れられて、せっかくなので飲み干した。

やっぱり君の珈琲は美味しい、それに愛も込めてくれた。

二杯目はより多くの愛をくれたが、残念ながら飲み切れなかった。

君がプレゼントしてくれた、兎の装飾のグラスが割れた。


君に殺された夢を見た。

君でいっぱいの頭に向かって、重い金槌を叩きつけられた。

そのままうつ伏せに倒れたので、残念だが君に振り向けなかった。

それがどうにも寂しくて、今まで初めて辛かった。

心が砕ける音がした。


君に殺された夢を見た。

出会い頭にガソリンをかけられ、火炎瓶を投げられた。

服が燃えるのが気恥ずかしくて、君に見ないでと言ってしまった。

返事は火炎瓶で返された。

少し顔を合わせるのが恥ずかしくなった。


君に殺された夢を見た。

星を見ようと呼び出され、崖の上から突き落とされた。

君に死に様を見てもらえない。

私を見て。


現実で君と会ったとき。

君は少し気まずそうだった。

それがどうにも可愛らしくて、そんな君も好きだった。

次はどうやって愛してくれる?

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