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コイン  作者: C'lore
1/2

君を殺した夢を見た。

君のその薄い胸に向かって、何度も包丁を振り下ろした。

返り血が僕の眼に飛んできて、熱さと痛さが迸った。

それがどうにも気に入らなくて、君を突き刺す力を強めた。

僕の全身が血濡れになった。


君を殺した夢を見た。

君のその細い首筋を、ロープで思いきり絞めてやった。

君は何故だか抵抗しなくて、僕へともたれかかってきた。

それがどうにも気に入らなくて、ロープを引っ張る力を強めた。

くっきりとした痕が残った。


君を殺した夢を見た。

君の飲み物に毒を仕込んで、何食わぬ顔で差し出した。

美味しそうな顔で飲み干して、僕の珈琲は美味しいと言った。

それがどうにも気に入らなくて、二杯目は毒を多めに入れた。

君のお気に入りのグラスが割れた。


君を殺した夢を見た。

君の明晰な頭に向かって、重い金槌を叩きつけた。

思ったよりも簡単で、君はそのまま倒れて死んだ。

それがどうにも気に入らなくて、もう一度金槌を振り上げた。

骨が砕ける音がした。


君を殺した夢を見た。

出会い頭にガソリンをぶち撒け、火炎瓶を投げつけた。

不快な臭いが立ち込めて、君は僕へと手を伸ばした。

それがどうにも気に入らなくて、追加で火炎瓶を投げ込んだ。

少し焼肉が苦手になった。


君を殺した夢を見た。

星を見ようと呼び出して、崖の上から突き落とした。

死体が見えない。

気に入らない。


現実で君と会ったとき。

君は意味深に微笑んだ。

それがどうにも気味が悪くて、しかし不思議と魅力的だった。

次はどうやって君を殺そう。

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