feel
目を覚ましカーテンを開ける
昨日の事が嘘みたいに
青々とした
雲ひとつない晴天
蝉がジーンジーンと鳴いている
「引っ越す前は、蝉の声…すごくうるさく感じたのに…」
週末で学校は休みだ
僕は昨日の事を考える
あの子は…あの少女は
幽霊なのか…
そんなことを考えてたら
また好奇心が僕を急かす
僕は屋敷の門の前にいた
昨日の恐怖は全くと言っていいほど
皆無だ
門は昨日と変わらず、少し開いていた
屋敷の扉の前に立つ
取手を掴み、押してみる
(ガチャ…ギギギ)
開いた、昨日は取手を引いた事を
思い出す
昨日は怖くて焦っていたんだと
ちょっと恥ずかしくなった
「すいませーん」
大きなホール
上まで吹き抜けている
正面には上で二つに分かれている
階段がある
床には季節外れの
枯葉が扉を開けた風で波動く
返事がない
誰も、いないのかな?
恐る恐る建物に入っていく
階段の両端にも扉がある
でも、僕はなにかに
引かれるように
階段を上がり長い廊下の
ずっと奥の扉を開けた
太陽の光が窓からこぼれ落ちている
大きなベット上から薄い布が
たれさがり、いかにもお姫様の
ベットと言わんばかりだ
カーテンがフワッとなびく
窓際の椅子に座る女の子
まるで人形のような
金色のセミロングほどの髪に
透き通るような白い肌
椅子に腰掛け、本を持ち
魂を抜かれたように眠っている
惹きづられるように足を踏み出した
(ギシッ)
床がきしんだ
僕はハッと少女の方に
目をやる
「ん…ん」
少女が目を覚まし
気持ちよさそうに
背を伸ばす
「え…だ、誰です」
少女はびっくりした表情でたちあがり
本で口元を隠す
少女の目は
凄まれるような青色で
ガラスに海を閉じ込たようだった
「あ、あの!ごめんなさい!勝手に入って
昨日も勝手に入っちゃったから謝ろうと思って」
とっさに出た言い訳だった
「ぼ、僕は蒼汰…君は?」
少し警戒した顔で少女が答える
「わ、私は…アリー…」
「あ、アリー?アリーって言うの?」
「うん…アリーチェ…だから…アリー…」
「そ、そうなんだ…昨日はごめんね?昨日の君だよね?」
「…うん」
アリーが頷く
僕は不思議な感覚だった
初めてあったとは思えない
昔から知っていたような
とても不思議な感覚…
「君…一人?」
アリーが首を横に振る
「あら、アリー様のお友達かしら?」
扉から女性が覗いてる
僕はびっくりした
「え!あっ、はい!」
思わず、はいと答えてしまった
「あら、もうお友達が出来たの?すごいわアリー様」
彼女は無表情で言った
メイドの服を来ている
彼女はこの屋敷?に使えてる人だろう
歳は二十代半ばぐらいで
美人だ、でも終始無表情で
何を考えているのか
全く読めない
「私はこの屋敷の使用人をさせていただいています
クリスティでございます」
「あ…ぼ、僕は蒼汰です!藤木蒼汰です」
僕はお辞儀をした
「アリー様、ご友人が来られるなら
一言おっしゃって貰えれば、すぐお茶が出せましたのに」
「い、いや、僕が急に来たので、あはは」
「では、お茶をお入れしてきます」
そう言うとクリスティは扉を閉め
歩いていった
「あの…友達なの…?」
アリーが恥ずかしそうに
聞いてきた
とっさに出た嘘だけど
友達になりたいと思う
気持は嘘じゃなかった
「うん、よかったら友達になろ?」
アニーはさっきまでとわ
打って変わって頬を赤らめ
すごく可愛い笑顔で
うん!と頷いた。