First feelings
私の処女作です
鏡の中の異世界の話です
初めてなので文面もめちゃくちゃですが
良ければ目を通してください。
連載途中ですが
読んでいただけると光栄です。
空を見上げると
眩しく僕を包む太陽がまるで急かすように
僕の背中を後押ししてくれる
そんな気分で
潮風の香りと木の葉の擦れる音を
後に学校へと足を歩ます。
僕がこの海と山に挟まれた
小さな町に引っ越して来たのは
ニ週間前のこと
父親の転勤で都会の喧騒から
逃げるように越してきた
前の学校には友達も沢山いたから
少し心寂しかったけど
この町の学校でもすぐに友達ができた。
「おーい、蒼汰ー」
後ろの方から聞こえる声に振り向く
「おはよう!…」
そう、元気に声をかけてきたのは
同じクラスの
柳田 ハヤト
彼は僕の1番仲のいい友達だ
「おはよう、ハヤト」
「蒼汰…学校はもう慣れたか?」
「うん、だいぶ慣れたよ」
僕は笑顔でそう返し、続けた
「環境とかにも慣れてきたし
町の事も少しわかってきたよ!お陰様でね」
僕が越してきた日
ハヤトはすぐに声をかけてきた
その次の日には町を案内してくれたり
学校の事なんかを教えてくれた
「おい、蒼汰!」
ハヤトが腕時計を見て
焦った表情で言う
「学校、遅刻するぞ!走れ!」
「ほんとだ、いけない!」
ハヤトに急かされて
学校へと急いだ。
走っていると、ふと
ある事を思い出した
ハヤトに町を案内してもらってる時に見た
大きな屋敷のことだ
門は、歴史を感じさせる
サビ付きがあって
まるで誰も通すなと言わんばかりに
重い切なさを感じた
大きな木々がそびえる
道の先にはゴシック様式の大きな屋敷
教会だと思い、ハヤトにたずねた
ちがう…と思う…
彼はそれ以外の事は何も知らないような
もしくは、これ以上聞いて欲しくないような
曖昧な返答だった
僕はこれ以上聞くことができなくて
その屋敷を少し眺めたあと
屋敷を後にした
ただ、今になって
少し気になったのだ。
桜 あやか
彼女はこの学校の
生徒会長だ
大人しさはあまりないが
とても頭が良く
スポーツも万能
容姿も可愛い完璧な女性だ
人望が厚く人当たりもいい彼女は
僕と同じクラスでみんな
大抵の事は彼女に相談する
「間に合ったー」
息を切らしてハヤトが席につく
僕も後を追って席につく
「もう!ハヤト、蒼汰!
いつもギリギリじゃない!」
少し怒った態度であやかが
近ずいてくる
「また、寄り道でもしてたんでしょ?」
「してないよー」
「なら、もっと早く起きなさい!」
僕が申し訳そうにしてると
ハヤトが後から
「委員長が家まで起こしに
来てくれたらいいじゃんか」
「え、え?」
ハヤトの冗談を間に受けたのか
少し焦った様子で続けた
「そ、そんなの。め、迷惑でしょ!」
「じょ、冗談だよあやか、ハヤトの」
「う、、わ、分かってるわよ!」
あやかは真面目だから
冗談があまり通じない
そんないつものやり取りを
してると朝礼のチャイムがなる。
昼休み
教室でハヤトとご飯を
食べ終わり
今朝、ふと思い出した
あの屋敷の事を聞きに
中庭にいたあやかに
声をかけてみた
「あー、あれは誰かの別荘よ?」
「別荘?」
「そう、外国の人だったかな、もう何年も使われてないみたいだけど」
「あそこってさ、何かあるの?」
僕はハヤトのあの時の
曖昧な回答を思い出しながら聞いてみた
「あー、あそこね、なんかいわく付きみたいなの」
「いわくつき?」
「そう、なんか夜中にピアノの音がしたりね
女の子が窓からこっちを見てたり
夜な夜な女の悲鳴が…」
彼女は少し顔を暗くして続けた
「死者が住んでるって…」
「え…」
僕は少し唾をのんだ
「なーんてね、そんなのただの噂よ
学校からもあまり近づくなって言われてるから
そう言うのから広まったんでしょ」
「な、なんだよビビらせないでよ…」
少し怖かった、でも彼女は
そう言う心霊とか都市伝説は
信じてないらしく
呆れた顔でクスッとわらって言った
「だめよ、探検なんて。一応所有地なんだから
捕まるよ?入ったら」
「わ、分かってるよ!そんなことしないよ!」
「だよね、蒼汰はしなさそ。でもどうしてあの屋敷の事聞くの?」
「いや、ハヤトが町を案内してくれてる時
あんまり教えてくれなかったからさ」
「なるほど、ハヤトは怖がりだからねぇ…たぶん
幽霊とか信じてるんじゃない?」
笑いながら彼女が頷く。
僕も納得した
あの屋敷に興味がなくなった訳では無いけど
それ以上は踏み込まないでおこうと
思った。
終業のチャイムが鳴り響く。
「蒼汰ー!帰りにちょっと寄り道しねぇ?」
意気揚々とハヤトが声をかけてくる
「ん?どこか寄れるところあるの?」
「知らないのか?最近できたラーメン屋!
駅前に出来たんだよ、美味しいらしいしよ
行ってみねぇか?」
「ラーメンか…」
僕は少し考えて了承した。
ハヤトと2人で学校の前の坂を
歩いて降りながら
いつも通りたわいない話で
盛り上がる
ヒグラシが鳴き、昼間とは
まったく違う場所のような
夕日に照らされた、町を見下ろしながら
風も木々も今朝とは
別物のように感じる
「あの屋敷…もっと見てみたい…」
僕は口に出していた
昼間に考えないようにと思っていたけれど
なぜか、またふと蘇った
「え?蒼汰…マジでゆってんのか?」
ハヤトが少し焦った感じで言ってくる
「うん、正直結構気になってる。どうしてかは
わからないけど…」
「蒼汰…あの場所…幽霊が出るんだぞ…」
すごいビビってる。
「ハヤト…怖いの?」
僕はあまりにも怖がってるハヤトをみて
煽りたくなってしまった。
「な、何言ってんだよ!こ、怖くなんかないぜ!」
「なら、行って確かめようよ、ほんとに幽霊が出るのか」
「お、おう…よ、余裕だし」
明らかに、動揺したハヤトが
強がって了承した。
周囲にほかの家や建物はなく
木々がひしひしと生い茂る道を
内心、心臓の鼓動が恐怖と好奇心で
どっちのものなのかわからないけど
胸を内側から叩いてくるのを感じた。
「蒼汰…マジで入るんだよな?」
「うん、怖いの?」
「そ、そんなわけないじゃん…」
いつの間にか、周りは
薄暗くなって空は
怪しく、赤と黒のコントラストになっていた。
目の前に大きな門がそびえ立つ
僕とハヤトはいつも昼間に見る門より
不気味で重苦しい門の前に立つ
「おい…少しあいてねぇか?」
「え?」
ハヤトが近寄った
門は人1人が入れる程度に
開いていた
「誰か中にいるのかな?」
「で、でも電気ついてないぞ…」
ハヤトの目線の前に
大きく、物騒な
今にも悲鳴が聞こえてきても
おかしくないような屋敷があった
大きな扉が正面に1つ
「これ、玄関かな?」
僕はドアノブと呼んでいいのか
わからないけど
すごく歴史を感じる彫刻のされた
取手を引いてみた。
ハヤトは一歩引いたとこで
引きつった顔をしながら見ていた
「閉まってる。」
僕はそう言いながら
ハヤトの方に振り返る
ハヤトはちょっと安心した
顔を見せた
「ざ、残念だったな…よ、よし!帰ろう!」
「うん…」
ハヤトが引きつった顔をしながら門の方へ
足早に歩いていく
(ガチャ)
僕の背後で何かがなった
「え?」
振り返ると、ゆっくりと
開く
ハヤトはもう
門の近くまで歩いていた
僕は唾をのみ、恐る恐る扉の方に近ずいた
「あの…誰?」
ものすごくか細い声で
扉を開ける金髪の少女が立っていた。
僕はあまりの突然の事で
動揺し叫んだ
「う、うわぁぁああ!」
気づいた時には、走っていた
頭の中が真っ白になった
たぶん、あれが少女の幽霊だと
噂は本当だったんだと
そう、思った時には門の外にいたハヤトに
駆け寄っていた
「は、ハヤト!幽霊!幽霊いたんだよ!」
「う、嘘つけよ…」
ハヤトは怖いのか信じよとしてくれない
「ホントだって、金髪の!女の子!」
僕は取り乱していた。
帰り道
ハヤトは信じようとしなかった
自分を怖がらすために
僕が嘘を付いていると思い込み
誤魔化していた。
ハヤトと別れ家に着くと
さっきまでのが嘘だったみたいに
母がご飯を作っていた
「た、ただいま」
「おかえりそうちゃん、ご飯出来てるわよ」
「うん、わかった!」
優しい母がいつも通りの日常に
戻してくれてるみたいだった。