8 モンスター
「うあああああ……」
私は流れ落ちる血を見て、震え上がる。腕の感覚がおかしい。どうすればいいの?
「とにかく、光の街まで逃げよう」
柚季がそのように提案する。これよりいい案も浮かばない。頭の働きが悪くなってきているのかも。
モンスターは再び、私に向かって、襲いかかってきた。血がついていない方の腕を高々とあげ、一気にふりおろす。
ザシュッ、地面にモンスターの爪がめり込んだ。
ふりおろすタイミングで、柚季が私にタックルするような勢いで抱きつき、ギリギリのところで攻撃を避けることができた。
なおもモンスターは、くるりと向きを返ると、二足歩行で足音をドタドタとさせながらくる。
すると、突如モンスターが苦しみ始めた。
「ぐおおおおおおおおおお」
「えっ、何が起こったの?」
私は、柚季に聞いてみる。
「そんな事聞かれても、わからない」
柚季は困惑していますという顔を見せる。
「ラッキーだったんだよと思うことにしよう」
彼女は、この状況をそう判断したようだった。それ以外の理由が見つからないらしい。実際にそう思うことしかできない。
「おい、おい、お前ら見えていないのか?」
「俺の素晴らしい光線を」
どこかから、男の人の声が聞こえる。私たちは前後左右と顔を向け、辺りを確かめる。
しかし、どこにもいない。
私は柚季と顔を見合せ、首を傾げる。
ドサッと音がした。モンスターが倒れた音だ。その背中には、黒く大きな穴が空いていた。
「よぉ、お二人さん」
森の奥から人が現れた。