表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/20

20 再び米田さん

ゴーレムの力により、私たちは、彼らから逃れることができた。


あのまま戦闘を続けていれば、おそらく誰かが死んでいたかもしれない。


みかん姉さんが持つ薬はありがたいものばかりだ。


それと異世界から戻るヒントがあるという情報が正しくないこともわかった。


米田さんには、その辺をより詳しく訊く必要があるだろう。







そんなこんなで、米田さんのボロ小屋に着いた。


少し前にみかん姉さんの強烈な蹴りで、小屋の扉はなく、米田さんが中で何かの作業をする姿が見えた。


「米田さん、帰ってきたよ」


みかん姉さんの快活な声が小屋内に響く。


「わぁ、たくさん本がある」


柚季は壁側に積み上げられた本を見て驚きの声をあげた。


米田さんは、四人をそれぞれ見ると、ため息をついた。


「ちょっと米田さん、全然ヒントなかったよ」


「そうですよ。私たち期待して行ったのに」


みかん姉さんと柚季が文句を言う。


それを私とりんごが眺めるという状況がしばらく続いた。






散々文句を言われ、憔悴しきった米田さんは、本棚の前にある椅子に座ると、一人呟いた。


「いや、最初にほんまかわからん言うたやん」


「その噂は、どのような人から伝わってきましたか?」


私は米田さんに聞いた。


「どのような人だったか?」




米田さんはひとり語り始めた。




「……あれは何年前だったかなぁ。若い男がこの前の道を通っていくときに……ようやく帰れるとかぶつぶつ呟いて、涙を流しているのがおったんや。そんで、涙流しているやつを見逃すのは嫌やったから、どうしたんやと聞いてん」




「そうしたら、僕は別世界から来たんです。あの塔に行けば、帰れることがわかったとか言うててな」




「まあ、あまり本当かわからんかったから、お前たちにはヒントがあると答えたというわけだ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ