11 小屋
「米田さん?」
その人はどのような人だろうかと疑問を感じた。
「別世界から来た人に詳しい人だよ」
みかん姉さんはそう語る。
「その人はもしかして私たちみたいに別世界から来た人?」
「う~ん。どうだった、りんご」
「確か、別世界から来たということを言っていた気がする」
彼は微妙な言葉を残す。
「まあ、とにかく私たちのような人について、詳しいことは間違いないんだから、行ってみようよ」
柚季は私の肩をポンポンと叩き、同意を求めているようだ。私はひとこと、そうねと答える。
「じゃあ、私についてきてね」
みかん姉さんの掛け声を聞き、私たちはついていった。
光の街に入り、そのまま中心地を過ぎていくと、街のはずれにある小屋にたどり着いた。
見た目は、草が生い茂り、屋根はところどころ壊れ、普通の人が見れば、廃屋としか思えないだろう。
みかん姉さんは、小屋に近づくと、ドアをいきなり殴った。
バキバキバキバキと音をたて、小屋は崩壊した。
「何をしているんですか?」
彼女の考えられない行動に私は咄嗟に声が出る。
「てへっ、やっちゃった」
舌を出し、いたずらっ子のような笑みを浮かべる。
「そんなことしても、かわいくねぇぞ」
りんごが囁く。
「……何か言った?」
みかん姉さんは、こわいと思った。