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ヨルムンガルドの夢  作者: 花の人
第0章 日常
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プロローグ 

まずはこの画面を開いてくれてありがとうございます。少しでも読んでみようかな?っていう気持ちになったそこの神様に土下座して感謝したい気持ちです。はい、すいません。テンパりました。まだ中学二年生の身ですが、どうか温かい目で見てあげてください。今回はただのプロローグです。

 ――ハァ......ハァ......ッ!!



 彼は今、世界のだれ一人も見たことの無いような生物と相対していた。



 我々の常識で言えば、《スライム》という表現が一番しっくりと来るだろうか。

 体は毒々しい緑色で、奥が透けて見える。その体も、柔らかくなった粘土のように、姿形をウニュウニュと気持ちの悪い音を出しながら、事ある事に変形していた。



「クソッ! クソッ! どうして当たらねーんだ!!」



「おいハル! お前が焦ってちゃどうしようもねーだろ!!」



 彼、風間春人かざまはるとは、彼をハルと呼んだ少年、西野五郎にしのごろうの言う通り、非常に焦っていた。

 しかし、五郎自身も、春人が今回の戦いの要となっているのを知っていたため、彼自身も風間春人に負けず劣らずに焦っている。が、先も言った通り今回の戦いは春人が要なので、彼に焦られるのは非常に許容し難い問題だったのだ。



 ドォン! ドォン! という音を響かせて、春人が右手に持つ少し異形の銃を二発続けて連射する。

 しかし、放った弾丸は化け物......《グリーンスライム》の僅か隣を飛んでいった。

 その間にもスライムは、ヌルリと滑りながら春人の下へと接近してくる。



 互いの距離が近くなるに連れ、スライムの体に穴を穿つ弾も増えていくのだが、スライムは撃たれた場所から再生していき、キリが無い。スライム系のモンスターは、体の中心部分にあるコアを破壊されなければその命を絶たないのだ。それ故に、遠距離からコアを狙いやすい春人が今回の戦いの要なのだが、彼が焦っている事もあって、中々思い通りに行かない。



 春人は何度も弾を装填しながらも撃ち続けたが、結局一発たりとてコアに当てる事叶わず、目前までの接近を許してしまった。



「ハル!!」



 五郎が珍しく焦った様に叫ぶ。



「ッ!!」



 ――クソッ!こんな所で終わってしまうのかよ......まだ何も出来てねーのに!



 もう何度目か分からない悪態をつきながら、せめて目だけは逸らすまいと、目の前の化け物を睨み付ける。その瞬間――



「春人さん! 下がって!!」



 突然、春人とスライムの間に割り込む形で手に巨大なタワーシールドを持った少女が現れた。



「千恵......!?」



 彼女......風間千恵かざまちえは、春人に一瞬その優しげな瞳を向けると、直ぐに目の前の化け物へと向き直る。



 ――どうして千恵が......?



 千恵は、さっきまで他の個体のスライムの相手をしていたはずだ。まさか、もうスライムを一体倒してしまったのだろうか?



「すいません、春人さんピンチみたいだったので......ちょっと眠らせて来ました」



 まるで、最初から何を言いたかったのかが分かっていたかの様に、千恵は春人の聞きたかった事に答えた。

 恐らく、初級闇属性魔法《ウインドスリープ》を使ったのだろう。確かに、右側に一体だけ固まった様に動かないスライムがいる。



「はァ!」



 千恵は気合いと共に一気に踏み込むと、その大きな盾を相手に押し付けて、僅かに距離を離す事に成功した。



「燃えよ! 《ファイア》!!」



 ほんの少しだけ離れたスライムに向かって、千恵は超初級火属性魔法《ファイア》を発動する。

 本来ならその上位版、《ニアファイア》を使う事も出来たが、魔法は上位になるに連れて、発動までに唱えなければならない節が多くなる。今回なら『燃えよ』の部分がそうだ。

 その為、敵との距離が非常に近いこの状況では下位版である《ファイア》を使用したのだ。



 放たれた小さい炎弾は、直ぐにスライムの下へとたどり着くと、その体を包むように燃え始めた。



「――!!」



 スライムが声にならない(そもそも声を出す為の器官が無い)悲鳴を上げながら、その動きを止めた。が、やはりこの程度の火力では内部のコアを溶かしきれないようで、徐々に体を包む火が弱くなって来ている。



「春人さん! 早く止めを!」



「おう!」



 春人は直ぐに異形の銃を構えると、しっかりとスライムのコアに狙いを定める。

 元々、この超近距離ならキチンと狙わずとも当たる距離で、さらに相手は炎によって動きを阻害されているので外しようが無いのだが、念には念を、という奴だ。これで外したら本当にただのお荷物になる。



 ――じゃあな。



 ドォン! という銃声が一つ聞こえたかと思うと、目の前のスライムは体の中心に穴を開けて、ゆっくりと崩れるように体を崩壊させていった。

 さらに数秒経つと、かつてスライムだった液体は先程の赤い炎とは違う、青白い炎に包まれ、直後には一つの小さな石の様なものを残して消えていった。



 春人はそれを回収すると、腰の後ろにあるポーチの中へとしまいながら言う。



「ありがとう、千恵。正直、あの時来てくれなかったらヤバかった」



「いえ、全ては春人さんの為ですから!」



 千恵は妙に意気込んでそう言った。普通ならこの言葉から彼女が春人に対してどんな感情を抱いているかが分かるものだが、生憎この少年は、少し……いや、かなり特殊な境遇に遭遇していたので、彼に彼女の気持ちが分かる事はない。



 春人は、『そうか』と簡単に返答する。千恵が少し悔しそうな顔で上目遣いをしてきたが、春人はそれに気付く事も無く、代わりに周囲を見回していた。



 そこは森林。生えている木の3歩先にはまた別の木が生えているという、非常に見通しの悪い地帯だ。そんな中、十数体のグリーンスライムがうじゃうじゃといる。ここはグリーンスライム大量出現のスポットなのだ。



「なぁ、お二人さん? 終わったなら手伝ってくれねぇかなぁ!?」



 よく見ると、五郎も大量にいるスライムの内の一匹と戦いながら、こちらに向けて悲壮な面持ちでほとんど悲鳴に等しい助けを呼んでいた。



「はいはい、今行ってやるよ!」



 春人は、そう言いながらもわざとゆっくりと歩いて向かう。いやらしい嫌がらせである。



「は、早くゥゥゥ!!」



 もはやただの悲鳴を上げながら必死に自分の身の丈程ある両刃の大剣でスライムの攻撃を捌いている五郎。



 そんな五郎の姿を見て、春人が笑い、千恵は苦笑いをし、五郎ただは絶叫している。

 端から見れば、まだ15にも届かない少年少女達。しかし、今彼らが行っているのは命を賭けたサバイバル。

 元々、彼らは何処にでもいるただの中学生だった。では、何故彼らは今こんな日々を送っているのか。

 それを説明するには、少し話さなければならないだろう。



 彼らがこのヨルムンガルドという世界に迷い込むまでの話を。

ここまで読んでくれてありがとうございました。作者感極まってます。ホントに。とにかく......多分短いし、読みにくいし、面白くないしで酷かったと思うのですが、なるべく精進致しますので、今後もどうぞヨルムンガルドの夢を見てやって下さい。

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