もう少し
このまま何処に連れて行かれるのだろうか?もしかしたらこのまま死んでしまうのだろうか。他のゴミと一緒に潰されてしまうのだろうか。嫌な考えだけが頭の中でグルグルと回っている。
時間が経つにつれ、恐怖感が高まり吐き気がする。それと比例し、胃が物凄い悲鳴を上げているのが分かる。正直涙も止まらない。元から見た目もそうだし女々しい為、ちょっと嫌な事があったり辛くなると、ついつい涙腺が崩壊するのだ。
てか、普通誰しもこんな状況になると泣いてしまうだろう。
(誰か......助けて!!)
車の音で叫んでも誰も気付きやしない。心の中で助けが来るのを祈るしか他ないのだ。
スマートフォンで琴岸の現在地を探し、刻一刻と迫るドッキリのフィナーレに向けて作業中に事件は起こった。山垣が辛抱たまらず外に飛び出してしまったのだ。最近欲望に馬鹿正直になり始めている気がしないでも無い。最初の頃に比べてキャラ崩壊が一番激しい奴かもしれない。
それにしても篠山は通常運転だ。入学式の日に盗んだ琴岸の靴下を美味しそうに頬張っている。実に幸せそうだ。
「篠山、もうすぐに着くそうだ。定位置に戻れ」
「ふぁ、ふぁふぁった~。ふぇもひゃふぁふぃしふぁひぃふぁいふぁふぁ、ふぁふぁふぃふぇふぃふぇー」
「分かった。ちゃんと待っとけよ」
何で俺さっきの言葉分かったんだ?これが意思疎通ってやつ?
「何かあったら連絡してくれ。メアド置いとくから」
カッコよく篠山にメールアドレスを渡し、探しに向かおうとドアノブに手をかけた時、勢いよく扉が開かれた。
琴岸の入った段ボールが届いたのかと思ったが、目の前には気絶した山垣を抱えたおじいちゃんが立っていた。ひ弱な見た目に見合わず、かなりの力持ちなようだ。
「どうも。山垣咲夜の祖父の山垣 賢治です。以後お見知りおきを」
どうやらマジもんのおじいちゃんだったようだ。暴走していた山垣を少し眠らせたようだが....まぁどう言った方法で眠らせたかは聞かないでおこう。




